患難期前の出来事レジュメ(1)2017年1/28
ヨハネの黙示録に書かれた7年間の大患難時代がいつ来るのかは誰にもわからないが、その前に起こると預言されている出来事が12,3ある
マタイの福音書23章24章からエルサレムの神殿崩壊預言(紀元70年成就)、再臨の前兆、終末時代の前兆を学ぶ
2014年フルクテンバウム博士セミナー『携挙・大患難時代・そしてユダヤ人の運命』(テキスト)の一部を学んでいます。
ご購入はこちらから(CD8枚組)(DVD8枚組)(MP3版)(テキストのみ)
フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下、青色の聖句はテキストでみていく聖句です。
(ここではセミナーと同じ新改訳3聖書 新改訳 ©1970,1978,2003 新日本聖書刊行会 を使用しています。
レジュメ(21)まで同様)
「口語訳」とは聖書 旧約聖書1955年改訳 新約聖書1954年改訳 日本聖書協会
「新改訳2017」とは聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 からの引用です。
紫色の聖句は2回目の聖句または参考聖句です。
緑色の文章は補足説明です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
紙の聖書「新改訳2017」はこちらから
患難期の前に起こる一連の出来事
THE SEQUENCE OF PRETRIBULATIONAL EVENTS
Ⅰ.順に起こる出来事
1. 第一次、第二次世界大戦(1914、1939)
2. イスラエル国家の再建(1948)
3. ユダヤ人の支配下に置かれたエルサレム(1967)
//////////// 2017年現在はここ //////////////
(以下は将来順に起こること、いつかは不明)
4. 北の諸国連合の侵攻
5. 世界統一政府
6. 10の王国
7. 反キリストの出現
8. 平和と偽の安全の時期
9. 7年の契約
Ⅱ.時間順ではない出来事
3つもしくは4つ
1回目の暗黒
エリヤの帰還
第3神殿
教会の携挙
Ⅰ.順に起こる出来事
SEQUENTIAL EVENTS
A.第一次、第二次世界大戦
World Wars Ⅰ and Ⅱ
イスラエルは神のタイムテーブルである
神さまの預言的プログラムはイスラエルを中心にまわっていきます。
ほとんどの預言セミナーででてくる質問と答え
Q.私たちは今終末時代に生きているのですか?
A.はい、そうです。今、私たちは終末時代(the last days)に生きています。
Q.どうしてそれがわかるのですか?
A.(様々なこたえがでてきます。
例:イスラエルの建国、共産主義の崩壊、経済的な世界状況がそれを示している、等々)
このレジュメでは
聖書はどう言っているのかをみていきます。
セミナーテキストの2ページ
マタイの福音書
24章:
イエスさまがその終わりの時代について語っていますが、ユダヤ的文脈で理解するという事をほとんどの人は忘れているので、イエスさまが言われた本当の意味を理解できないままでいます。
23章:
24章のことばを説明するイントロダクションになっています。
テーマ:イエスさまのユダヤ人宗教指導者たちに対する叱責
イエスさまが指摘された指導者たちの罪とは:
* イエスがメシア(救い主)であることを拒否したということ
* 人々を間違った方向に導いていること
詳しくは終末論のクライマックスレジュメを
マタイ23:37
マタ 23:37 ああ、エルサレム、エルサレム。
預言者たちを殺し、自分に遣わされた人たちを石で打つ者。
わたしは、めんどりがひなを翼の下に集めるように、あなたの子らを幾たび集めようとしたことか。
それなのに、あなたがたはそれを好まなかった。
イエスさまが3年間の公生涯をまとめた言葉です。
メシアがイスラエルの民を守ろうとして救いの手を差し伸べたのに、人々はイエスさまがメシアであるということを拒否したので、もはやメシアは彼らを守り助けることができなくなった、というのがここの文脈です。
マタ23:38
マタ 23:38 見なさい。
あなたがたの家は荒れ果てたままに残される。
家とは神殿のこと、 つまり神殿崩壊の預言です。
40年後(A.D.70年)にこれが成就します。
マタ23:39
マタ 23:39 あなたがたに告げます。
『祝福あれ。主の御名によって来られる方に』とあなたがたが言うときまで、あなたがたは今後決してわたしを見ることはありません。」
イエスさまは再臨の前提となる出来事について言及しています。
「祝福あれ。主の御名によって来られる方に」とユダヤ人たちが言うまではイエスさまの再臨は起こらないと言うのです。
当時のユダヤ人たちの理解では、この主の御名によって来られる方に祝福あれ、というのは、メシアを迎える時の正式な祈りの言葉です。
詩 118:26 【主】の御名によって来る人に、祝福があるように。
私たちは【主】の家から、あなたがたを祝福した。
メシアが来られる時には人々は詩篇118篇(メシア的詩篇と呼ばれる)の言葉でメシアを歓迎するはずだとラビたちが教えていたので、イエスさまがそれをもとにその言葉を引用しています。
これはユダヤ人の指導者たちに語っている内容です。
イエスさまの時代の指導者たち:人々を誤った方向に導きました。
終末時代の指導者たち:イスラエルの民を正しい方向、メシアを受け入れる方向に導いていくという預言がこの内容です。
この聖句から、イスラエルの民族的な救い、民族的回心があって初めてメシアの再臨があるという事が明らかになります。
マタ 23:39 あなたがたに告げます。
『祝福あれ。主の御名によって来られる方に』とあなたがた(イスラエルの民)が言うときまで、あなたがたは今後決してわたし(イエス・キリスト)を見ることはありません。」
この言葉をもってイエスさまの公生涯は終わり、神殿から去っていかれます。
以上のことを前提に次の言葉がきます。
24章へ
マタイ24:1〜3
マタ 24:1 イエスが宮を出て行かれるとき、弟子たちが近寄って来て、イエスに宮の建物をさし示した。
イエスさまが神殿から出て行かれる時に、弟子たちが当時建っていた神殿を指差してイエスさまに「何と素晴らしい建物ではありませんか」と声をかけました。
イスラエルの歴史の中で、その時代までに建てられた建物の中で最も大きな石が使われていたというのがこの神殿です。
マタ24:2 そこで、イエスは彼らに答えて言われた。
「このすべての物に目をみはっているのでしょう。
まことに、あなたがたに告げます。
ここでは、石がくずされずに、積まれたまま残ることは決してありません。」
ローマに対して第一次ユダヤ反乱が起こった時に、イエスさまのこの預言は成就しました。
ユダヤ反乱の中心部である神殿が攻撃され、ローマの勝利で終わろうとしていた前夜、ティトス将軍は自分の下士官達に神殿は燃やすなと命令しました。
ところが一人の兵士がたいまつを神殿の中に投げ込みました。
神殿の壁には金箔が貼られていました。
その上にカバーしてあった別の材料が燃え、溶けた金が石と石の間の隙間に流れ込んでいきました。
戦争が終わって兵士たちは金を略奪する為に大きな石をひとつずつ取りのけていきました。
イエスさまの、ひとつの石も残ることはないと言われた預言はまさに文字通りに成就したという出来事が起こりました。
マタ24:3 イエスがオリーブ山ですわっておられると、弟子たちが、ひそかにみもとに来て言った。
「お話しください。
いつ、そのようなことが起こるのでしょう。
あなたの来られる時や世の終わりには、どんな前兆があるのでしょう。」
イエスさまと弟子たちは神殿を去り、オリーブ山に行きました。
イエスさまは座って教えていました。
福音書を読むとイエスさまはほとんどの場合、座って教えています。
シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)の礼拝:
聖書朗読は立って朗読し、その内容はラビ(ユダヤ教の教師)が座って解説します。
イエスさまもユダヤ教のラビたちと同じように、教える時には座っていました。
オリーブ山でイエスさまが座っていると弟子たちが来て3つの質問をします。
ここでのポイント:
この時点で弟子たちは2つのことを理解していません。
1.メシアが十字架につき復活するという神さまの計画は理解していません。
今の私たちとは違うのです。
2.メシアの来臨には初臨と再臨があるということも理解していません。
このことを前提に弟子たちの質問を議論する必要があります。
3つの質問の内容:
前兆(しるし sign)は何か?
弟子たちからの第1の質問
マタ24:3イエスがオリーブ山ですわっておられると、弟子たちが、ひそかにみもとに来て言った。「お話しください。
いつ、そのようなことが起こるのでしょう。」
イエスさまは神殿が崩壊すると言いましたから、
神殿の崩壊がいつ起こるのか?
ルカの福音書21:7
ルカ 21:7 彼らは、イエスに質問して言った。
「先生。
それでは、これらのことは、いつ起こるのでしょう。
これらのことが起こるときは、どんな前兆があるのでしょう。」
マタイの福音書に第一の質問(神殿の崩壊)に対する答えは記されていません。
ルカが詳しく説明しています。
第1の質問に対するイエスさまの答え
ルカの福音書21:20〜24
ルカ 21:20 しかし、エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、そのときには、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。
21:21 そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。
都の中にいる人々は、そこから立ちのきなさい。
いなかにいる者たちは、都に入ってはいけません。
21:22 これは、書かれているすべてのことが成就する報復の日だからです。
21:23 その日、哀れなのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。
この地に大きな苦難が臨み、この民に御怒りが臨むからです。
21:24 人々は、剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれ、異邦人の時の終わるまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされます。
イエスさまは、今私たちがメシアニックジューと呼んでいる、イエスを信じるユダヤ人(Jewish Believer)に、敵に囲まれたら武器をとって戦うのではなく逃げなさい、と命令しています。
第一次ユダヤ反乱というのが紀元66年に勃発してます。
ユダヤ総督は、この反乱はエルサレムを中心としたローカルなものであると判断し、カイザリアから軍隊を導き反乱の鎮圧にあたります。
イエスさまが敵が包囲したら逃げなさい、と言われたその時が来たとユダヤ人信者は理解し町から逃げようとしますが、ローマ軍がエルサレムの町を包囲しているので物理的に不可能でした。
ところが、この反乱はローカルなものではなく、ユダヤ全土に渡る草の根的な反乱でありローマ軍も兵站路が断たれている大変危険な戦いであるということを認識します。
そこでローマ軍は包囲を解き一時撤退して2年後に戻って来るのですが、その間町は包囲から解放されるわけです。
その2年の間にエルサレムだけではなくユダヤ全土、ゴラン高原、ガリラヤ、にいたメシアニックジューたちは皆一緒になって逃げ、戦争が行われている地域の外、ヨルダン川の東のペラという町に行くのです。
紀元68年にローマ軍が再び町を包囲し、2年後の紀元70年にエルサレムは陥落しました。
イエスさまが語られた預言が成就したわけです。
マタ24:2 そこで、イエスは彼らに答えて言われた。
「このすべての物に目をみはっているのでしょう。
まことに、あなたがたに告げます。
ここでは、石がくずされずに、積まれたまま残ることは決してありません。」
(前述)
弟子たちからの第2の質問
マタ24:3 イエスがオリーブ山ですわっておられると、弟子たちが、ひそかにみもとに来て言った。
「お話しください。
いつ、そのようなことが起こるのでしょう。
あなたの来られる時や世の終わりには、どんな前兆があるのでしょう。
再臨の前兆は何か?
さきほど言ったように弟子たちに再臨の概念はなく、初臨と再臨の区別がありませんから、実際は再臨の前兆のことを聞いてるのではありません。
当時の文脈で言うと、メシアであるイエスに
「あなたが来られて千年王国を設立するタイミングは何ですか?
その千年王国設立のしるしは何ですか?」と聞いているわけです。
しかし、イエスさまは再臨という文脈の中で答えます。
弟子たちには後になってはじめて理解できる内容であり、この時には未だ理解できていませんでした。
第2の質問に対するイエスさまの答え
マタイ24:29〜31
マタ 24:29 だが、これらの日(大患難時代)の苦難に続いてすぐに、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は天から落ち、天の万象は揺り動かされます。
24:30 そのとき、人の子のしるしが天に現れます。
すると、地上のあらゆる種族は、悲しみながら、人の子が大能と輝かしい栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見るのです。
24:31 人の子は大きなラッパの響きとともに、御使いたちを遣わします。
すると御使いたちは、天の果てから果てまで、四方からその選びの民を集めます。
全地が暗黒に襲われ、次に暗黒を打ち破る「人の子のしるし」=シャカイナグローリーが直ちに輝き地に光をもたらします。
それがイエスさまがやってきてメシア的王国を設立する前兆だと言われました。
弟子たちからの第3の質問
マタ24:3 イエスがオリーブ山ですわっておられると、弟子たちが、ひそかにみもとに来て言った。
「お話しください。
いつ、そのようなことが起こるのでしょう。
あなたの来られる時や世の終わりには、どんな前兆があるのでしょう。」
この学びでフォーカスをあわせているのはこの第3の質問です。
終末時代のしるしは何か?
ここでも紀元1世紀のユダヤ的文脈の中で質問がなされているということを覚えておく必要があると思います。
ユダヤ教の考え方、ユダヤ的理解では、時代を区別すると
この世 this age 今私たちが住んでいるこの時代
来たるべき世 the age to come メシア的王国(クリスチャンの言う千年王国)
この二つの概念しかありません。
終末時代のしるしとは、それが起こると「この世」が終わり「来たるべき世」つまり「メシア的王国」に入る前兆のことです。
(メシア的王国の前に大患難時代があります。このレジュメでは大患難時代の前に起こる終末時代のしるしのことを「患難期前の出来事」と呼んでいます。)
第3の質問に対するイエスさまの答え
弟子たちからの質問に対してイエスさまは最後の質問から答えています。
マタ24:4〜8
マタ24:4 そこで、イエスは彼らに答えて言われた。
「人に惑わされないように気をつけなさい。
24:5 わたしの名を名のる者が大ぜい現れ、『私こそキリストだ』と言って、多くの人を惑わすでしょう。
24:6 また、戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが、気をつけて、あわてないようにしなさい。
これらは必ず起こることです。
しかし、終わりが来たのではありません。
24:7 民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、方々にききんと地震が起こります。
24:8 しかし、そのようなことはみな、産みの苦しみの初めなのです。
答えは次回につづく
患難期前の出来事レジュメ(2)2017年2/11
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