終末論のクライマックス レジュメ(10)2021年6/5
淫行の意味
まことの宗教
2015年フルクテンバウム博士セミナー『終末論のクライマックス』(テキスト) (チャート)を学んでいます。
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フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下、青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句です。
(但し、ここでは新改訳2017を使用しています)
紫色の聖句は2回目の聖句または参考聖句です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
緑色の文章はHP編者による補足説明です。
茶色の文章はDr.Arnold G. Fruchtenbaum 『Messianic Bible Study Series』
010 The Rise and Fall of the Antichristからの補足説明です。
青緑色の文章はフルクテンバウム博士著『The Footsteps of The Messiah』からの補足説明です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
反キリストの興隆と滅亡
THE RISE AND FALL OF THE ANTICHRIST
はじめに
Ⅰ. 反キリストの呼び名
Ⅱ.反キリストの起源
Ⅲ.反キリストの啓示
Ⅳ.反キリストと大患難時代の始まり
Ⅴ.反キリストの興隆
Ⅵ.反キリストの死と復活
Ⅶ.荒らす憎むべきもの
Ⅷ.獣の刻印
Ⅸ.反キリストの滅亡
Ⅴ.反キリストの興隆
THE RISE OF THE ANTICHRIST
セミナーテキストの17ページ
B.宗教的支配
Religious Control
政治的支配の次に反キリストは宗教的支配を手に入れるようになります。
第一段階
その時のにせの宗教システムの抹殺
ヨハネは大水の上に座している大淫婦の幻を見ています。
黙示録17:1~2
黙 17:1 また、七つの鉢を持つ七人の御使いの一人が来て、私に語りかけた。
「ここに来なさい。
大水の上に座している大淫婦に対するさばきを見せましょう。
17:2 地の王たちは、この女と淫らなことを行い、地に住む人々は、この女の淫行のぶどう酒に酔いました。」
淫行という言葉
淫行:正しい目的の為につくられているものを間違った目的のために使うこと
遊女が行う罪、遊女が行う淫行:本来は結婚生活で用いるべき祝福として与えられているものを間違って用いること
偶像礼拝:聖書で霊的淫行と語られるのは
まことの神を礼拝すべき特権を別のものに用いているから
ヨハネの黙示録17章
1節
大水の上に座している大淫婦
大水:世界の民族、諸国家
黙 17:15 また、御使いは私に言った。
「あなたが見た水、淫婦が座しているところは、もろもろの民族、群衆、国民、言語です。
2節
黙 17:2 地の王たちは、この女と淫らなことを行い、地に住む人々は、この女の淫行のぶどう酒に酔いました。」
この大淫婦は地上の政治的権力の支持を受けているとわかります。
世界の政治的支配者はそれに対して崇敬することは全くない
17:3 それから、御使いは私を御霊によって荒野へ連れて行った。
私は、一人の女が緋色の獣に乗っているのを見た。
その獣は神を冒瀆する名で満ちていて、七つの頭と十本の角を持っていた。
17:4 その女は紫と緋色の衣をまとい、金と宝石と真珠で身を飾り、忌まわしいものと、自らの淫行の汚れで満ちた金の杯を手に持っていた。
17:5 その額には、意味の秘められた名、「大バビロン、淫婦たちと地上の忌まわしいものの母」という名が記されていた。
この大淫婦とは大患難の前半3年半の堕落した宗教制度を指しているとわかります。
彼女は間違った礼拝、つまり霊的淫行によって世界を支配しているわけです。
ヤコブ書1章
まことの宗教がどういうものかを定義している
ヤコブの定義によれば
まことの宗教:やもめや子どもたちに仕えるものであり
この世の汚れに染まらないようなもの
ヤコブ 1:27 父である神の御前できよく汚れのない宗教とは、孤児ややもめたちが困っているときに世話をし、この世の汚れに染まらないよう自分を守ることです。
ヤコブの定義によれば
仕えるのが本物の宗教
支配をするという形態になった時ににせの宗教になっていくのです。
大患難時代前半3年半の宗教はこのにせの宗教
聖書が宗教的バビロンとして表す世界統一の超宗教組織
前回学んだように
反キリストが政治的権力を手に入れると
この統一化された宗教組織を破壊するようになります。
黙示録17:16
黙 17:16 あなたが見た十本の角と獣は、やがて淫婦を憎み、はぎ取って裸にし、その肉を食らって火で焼き尽くすことになります。
反キリストが3人の王たちを殺し、残りを従わせた時に
完全な政治的権力を握り
統一された宗教的勢力を破壊すると預言されています。
反キリストは、政治的にも宗教的にもいかなる反抗も認めたくない
黙示録17章でにせの宗教組織を破壊する
これが反キリストの宗教的支配です。
第二段階
反キリストが二人の証人に向かって動く
黙示録11:7
ここでもにせの宗教とまことの宗教を対比します。
黙 11:7 二人が証言を終えると、底知れぬ所から上って来る獣が、彼らと戦って勝ち、彼らを殺してしまう。
「二人の証人」の奉仕について
黙示録11:3~13
黙 11:3 わたしがそれを許すので、わたしの二人の証人は、粗布をまとって千二百六十日間、預言する。」
11:4 彼らは、地を治める主の御前に立っている二本のオリーブの木、また二つの燭台である。
11:5 もしだれかが彼らに害を加えようとするなら、彼らの口から火が出て、敵を焼き尽くす。
もしだれかが彼らに害を加えようとするなら、必ずこのように殺される。
11:6 この二人は、預言をしている期間、雨が降らないように天を閉じる権威を持っている。
また、水を血に変える権威、さらに、思うままに何度でも、あらゆる災害で地を打つ権威を持っている。
11:7 二人が証言を終えると、底知れぬ所から上って来る獣が、彼らと戦って勝ち、彼らを殺してしまう。
11:8 彼らの死体は大きな都の大通りにさらされる。
その都は、霊的な理解ではソドムやエジプトと呼ばれ、そこで彼らの主も十字架にかけられたのである。
11:9 もろもろの民族、部族、言語、国民に属する人々が、三日半の間、彼らの死体を眺めていて、その死体を墓に葬ることを許さない。
11:10 地に住む者たちは、彼らのことで喜び祝って、互いに贈り物を交わす。
この二人の預言者たちが、地に住む者たちを苦しめたからである。
11:11 しかし、三日半の後、いのちの息が神から出て二人のうちに入り、彼らは自分たちの足で立った。
見ていた者たちは大きな恐怖に襲われた。
11:12 二人は、天から大きな声が「ここに上れ」と言うのを聞いた。
そして、彼らは雲に包まれて天に上った。
彼らの敵たちはそれを見た。
11:13 そのとき、大きな地震が起こって、都の十分の一が倒れた。
この地震のために七千人が死んだ。
残った者たちは恐れを抱き、天の神に栄光を帰した。
神さまはこの二人に千二百六十日間、働くことをお許しになりました。
前半3年半の日数とイコールなので、二人の奉仕は大患難時代の前半だとわかります。
この前半に二人を殺そうとしても神がお守りになり、二人は火と多くの疫病をもたらす力を神さまから与えられています。
黙示録7章の十四万四千人のユダヤ人:
世界に散らばり伝道するユダヤ人の伝道者たち
黙7:4 私は、印を押された者たちの数を耳にした。
それは十四万四千人で、イスラエルの子らのあらゆる部族の者が印を押されていた。
二人の証人:エルサレムにのみ制約されている
二人の奉仕が完成し、時が満ちた時に、反キリストはそれまで神が許さなかったことをできるようになります。
黙11:7 二人が証言を終えると、底知れぬ所から上って来る獣が、彼らと戦って勝ち、彼らを殺してしまう。
反キリスト(底知れぬ所、アビスから上って来る獣が復活後)は大患難時代の中間期以降に彼ら二人を殺し、人々を自分のもとに引き寄せ、自分を礼拝させるようになります。
その時から聖徒に対する迫害が起こるわけです。(次回以降)
第三段階
さまざまな聖書箇所に記録されている聖徒たちとの全面的な戦い
ダニ7:25
ダニ 7:25 いと高き方に逆らうことばを吐き、いと高き方の聖徒たちを悩ます。
彼は時と法則を変えようとする。
聖徒たちは、一時と二時と半時の間、彼の手に委ねられる。
Ⅵ.反キリストの死と復活
THE DEATH AND RESURECTION OF THE ANTICHRIST
反キリストが世界の政治的支配の奪取に動く時、彼と十人の王たちの間に存在したいかなる平和も破壊される
患難期の第二次世界大戦が十人の王たちへの宣戦布告で始まる
セミナーテキストの18ページ
ダニエル書11:40~45に第2の世界戦争が預言されていると言いました。
ダニ 11:40 終わりの時に、南の王(エジプト)が彼(反キリスト)と戦いを交える。
北の王(シリア)は戦車、騎兵、および大船団を率いて南の王を襲撃し、国々に侵入し、洪水のように通り過ぎる。11:41 彼は麗しい国に攻め入り、多くの者が倒れる。
しかし、エドムとモアブ、またアンモン人のおもだった人々は、彼の手から逃げる。
11:42 彼は国々に手を伸ばす。
エジプトの地もその手を免れることはない。
11:43 彼は金や銀の秘蔵物と、エジプトのすべての宝物を手に入れ、ルブ人とクシュ人が彼につき従う。
11:44 しかし、東(メソポタミア)と北からの知らせが彼をおびえさせる。
彼は多くのものを絶滅させようとして、激しく怒って戦いに出て行く。
11:45 彼は、海と聖なる麗しい山との間に、本営の天幕を張る。
しかし、だれも助ける者はなく、ついに彼は終わりを迎える。
3人の王が殺され、反キリストが権威を握るようになります。
黙示録13:1~2
黙 13:1 また私は、海から一頭の獣が上って来るのを見た。
これには十本の角と七つの頭があった。
その角には十の王冠があり、その頭には神を冒瀆する様々な名があった。
13:2 私が見たその獣は豹に似ていて、足は熊の足のよう、口は獅子の口のようであった。
竜はこの獣に、自分の力と自分の王座と大きな権威を与えた。
セミナーテキストの19ページ
ヨハネがここで見ているのはダニエル書7章にでてくる獣と同じものです。
ダニ 7:1 バビロンの王ベルシャツァルの元年に、ダニエルは寝床で、ある夢と、頭に浮かぶ幻を見た。
それからその夢を書き記し、事の次第を述べた。
7:2 ダニエルは言った。
「私が夜、幻を見ていると、なんと、天の四方の風が大海をかき立てていた。
7:3 すると、四頭の大きな獣が海から上がって来た。
その四頭はそれぞれ異なっていた。
第一の異邦人帝国 「バビロン」
(純金の頭) ネブカデネザル王
()内はダニ2章のネブカドネツァルの夢
7:4 第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。
見ていると、その翼は抜き取られ、地から身を起こされて人間のように二本の足で立ち、人間の心が与えられた。
第二の異邦人帝国 「メド・ペルシャ」
(銀の胸と両腕) ダリヨス王・クロス王
7:5 すると見よ、熊に似た別の第二の獣が現れた。
その獣は横向きに寝ていて、その口の牙の間には三本の肋骨があった。
すると、それに『起き上がって、多くの肉を食らえ』との声がかかった。
第三の異邦人帝国 「ヘレニズム」
(青銅の腹部ともも) アレクサンドロス王
7:6 その後、見ていると、なんと、豹のような別の獣が現れた。
その背には四つの鳥の翼があり、その獣には四つの頭があった。
(プトレマイオス、セレウコス、カッサンドロス、リュシマコス)
そしてそれに主権が与えられた。
第四の異邦人帝国 「ローマ帝国以降」
(鉄のすね、鉄と粘土の足)
7:7 その後また夜の幻を見ていると、なんと、第四の獣が現れた。
それは恐ろしくて不気味で、非常に強かった。
大きな鉄の牙を持っていて、食らってはかみ砕き、その残りを足で踏みつけていた。
これは前に現れたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。
7:8 私がその角を注意深く見ていると、なんと、その間から、もう一本の小さな角が出て来て、その角のために、初めの角のうち三本が引き抜かれた。
よく見ると、この角には人間の目のような目があり、大言壮語する口があった。
第四の帝国の最後の段階、つまり反キリストが支配する段階を表しています。
7:9 私が見ていると、
やがていくつかの御座が備えられ、
『年を経た方』が座に着かれた。
その衣は雪のように白く、
頭髪は混じりけのない羊の毛のよう。
御座は火の炎、
その車輪は燃える火で、
7:10 火の流れがこの方の前から出ていた。
幾千もの者がこの方に仕え、
幾万もの者がその前に立っていた。
さばきが始まり、
いくつかの文書が開かれた。
7:11 そのとき、あの角が大言壮語する声がしたので、私は見続けた。
すると、その獣は殺され、からだは滅ぼされて、燃える火に投げ込まれた。
7:12 残りの獣は主権を奪われたが、定まった時期と季節まで、そのいのちは延ばされた。
ダニエルが私たちに与えていない情報を
黙示録は与えてくれます。
黙示録において「獣」という言葉は
帝国主義的帝国の第5段階つまり反キリスト段階全体を示す
と同時に
反キリスト個人をも示し
二重の意味で使われています。
獣のからだについて
黙13:2a
13:2 私が見たその獣は豹に似ていて、足は熊の足のよう、口は獅子の口のようであった。
豹に似ている
ダニエルの預言とあわせると
豹:ギリシャ帝国
第四の帝国の最後の段階はギリシャ的な影響のある帝国
足は熊の足のよう、:
ダニエルの預言ではこれはメド・ペルシャ帝国
第四の帝国にはメド・ペルシャの影響が残っている
口は獅子の口のようであった。
第四の帝国にはバビロン帝国の影響がある
それ以前に起こった3つの帝国が第四の帝国に影響を与えている
第四の異邦人帝国
第1段階:統一段階 ローマ帝国 鉄の強さ
第2段階:二分割統治段階 東西勢力均衡(現在)
・・・・・将来・・・・・
第3段階:世界統一政府段階 鉄と粘土の足指
第4段階:十の王国段階
第5段階:反キリスト段階 完全な帝国主義
黙13:3
黙 13:3 その頭のうちの一つは打たれて死んだと思われたが、その致命的な傷は治った。
全地は驚いてその獣に従い、
打ち殺されたかと思われた(新改訳3):
反キリストは自分が死んだかのように演技をし、次によみがえったかのように演技をし、その結果人々の礼拝を獲得するようになると解釈する人もいます。
しかし、それはここが意味していることではありません。
黙示録の5章はまことの御子に関する啓示です。
黙 5:6a また私は、御座と四つの生き物の真ん中、長老たちの真ん中に、屠られた姿で子羊が立っているのを見た。
その幻の中でヨハネはほふられたと見える小羊(新改訳3)と書いています。
黙示録5章: まことの御子について言われていることが
黙示録13章:にせの御子、反キリストについて言われている
まことの御子は十字架の上で死んだかのように見えただけで本当は死なずに、復活したように見せかけたのでしょうか。
4つの福音書は全て、イエスは十字架の上で肉体的に死んだと言っています。
しかし突如イエスは復活し生きていることを証明しました。
ほふられたと見える(屠られた)という表現:
復活した人物を指すための言葉
まことの御子に関して言われていることが
にせのみ子に関しても言われているわけです。
まとめ
十人の王たちの戦いで反キリストが死ぬ(患難期中間第2次世界大戦)
反キリストが復活する
にせの死とにせの復活
黙示録13:4
黙 13:4 竜を拝んだ。
竜が獣に権威を与えたからである。
また人々は獣も拝んで言った。
「だれがこの獣に比べられるだろうか。
だれがこれと戦うことができるだろうか。」
反キリストは全世界を欺き、その結果全地が彼を礼拝するようになります。
まことの父はまことの御子に権威をお与えになりました。
2節の最後
竜はこの獣に、自分の力と自分の王座と大きな権威を与えた。
にせの父、つまりサタンが反キリストに権威を与えたのです。
黙示録13:5~6
13:5 この獣には、大言壮語して冒瀆のことばを語る口が与えられ、四十二か月の間、活動する権威が与えられた。
13:6 獣は神を冒瀆するために口を開いて、神の御名と神の幕屋、また天に住む者たちを冒瀆した。
四十二か月の間、反キリストは活動する権威が与えられました。
これが後半3年半
黙示録13:7
黙 13:7 獣は、聖徒たちに戦いを挑んで打ち勝つことが許された。
また、あらゆる部族、民族、言語、国民を支配する権威が与えられた。
反キリストは聖徒たちに戦いを挑みます。
黙示録13:8
黙 13:8 地に住む者たちで、世界の基が据えられたときから、屠られた子羊のいのちの書にその名が書き記されていない者はみな、この獣を拝むようになる。
不信者は彼反キリストを拝むようになります。
何が起こるのか
大患難時代において
前半と後半で二つの異なった政治形態がある
前半3年半:
10人の王が統治する10の帝国
後半3年半:
反キリストが統治し、7人の王たちを配下に置く統一政府
宗教に関しても前半と後半で異なった二つの宗教が誕生する
前半3年半:
黙示録17章の世界を支配する教会組織
後半3年半:
反キリストを神として礼拝するにせの宗教が世界を統一した宗教形態になる
反キリストは自らを復活した神人と唱え、すべての人に自分を礼拝するように命令する
それが次回「荒らす憎むべきもの」につながる
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27 反キリストは死んで復活するのか
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反キリストの興隆と滅亡
Ⅶ.荒らす憎むべきもの