死後の世界 レジュメ(11)2019年2/9
アバドン、よみの穴とは?
アビスとは?
2012年フルクテンバウム博士セミナー
『聖書が教える死後の世界
ー個人的終末論ー』(テキスト)
(チャート 死者の場所(13の用語))
(ホワイトボード)を学んでいます。
ご購入はこちらから(MP3版)
(CD、DVD、テキストは販売終了)
フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下、青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句(新改訳3)です。
紫色の聖句は2回目にでてきた聖句または参考聖句です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
緑色の聖句や文章は補足説明です。
茶色の文章はフルクテンバウム博士著『The Footsteps of The Messiah』付録Ⅸ 死者の場所 からの補足説明です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
Ⅲ.死者の場所
The Place of the Dead
A. 見えない場所
(13の用語がある)
The Unseen World
ヘブル語旧約聖書とギリシャ語新約聖書は
見えない世界の描写に13の異なる用語を用いている
2:悪霊に関する場所
11:人間に関する場所
チャート「死者の場所(13の用語) 」
左下の四角の中
①シオール
②ハデス
③アバドン
④よみの穴
⑤アビス
⑥タータラス
⑦地獄
⑧ゲヘナ
⑨火の池
⑩アブラハムのふところ
⑪パラダイス
⑫天
⑬新しいエルサレム
この13の言葉は聖書によっていろいろな言葉に訳されている
③アバドン
新改訳2017聖書:滅びの淵
(言葉の右上に*がついている場合は聖書巻末の「注」に「アバドン」との表記あり)
滅びの地(箴27:20)
新改訳3聖書: 滅びの淵
滅び(詩篇88:11)
新共同訳聖書: 滅びの国
口語訳聖書:滅び
滅びの穴(ヨブ26:6)
文語訳聖書:滅亡(ほろび)
滅亡の坑(ほろびのあな)(ヨブ26:6)
沉淪(ほろび)(箴15:11)
沈淪(ほろび)(箴27:20)
アバドンは固有名詞
しかし描写的言葉に訳されているので
比喩的な言葉に聞こえ
魂が将来どうなるかが何となくフワフワしてしまう
セミナーテキスト17ページ
3.アバドン (Abbadon)
セミナーテキスト18ページ
a. 聖書(7箇所) The Scriptures
ヘブル語
一箇所を除き全て旧約聖書にでてくる
破壊“destruction” を意味するが
存在が終わるという意味はない
霊魂が消滅するということではない
旧約聖書:6箇所
全てが詩的書 poetical books
ヨブ記、詩篇、箴言という文学書に
ヨブ28:22
ヨブ 28:22 滅びの淵 Destruction も、死も言う。
「私たちはそのうわさを
この耳で聞いたことがある。」
ヨブ31:12
ヨブ 31:12 実に、それは滅びの淵まで unto Destruction 焼き尽くす火だ。
私の収穫をことごとく根こぎにする。
詩88:11
詩 88:11 あなたの恵みが墓の中で宣べられましょうか、
あなたの真実が滅びの中で。In Destruction?
新約聖書:1箇所
黙9:11
黙 9:11 〜彼の名はヘブル語でアバドン Abaddon といい、ギリシヤ語でアポリュオン Apollyon という。
b. 推論(4つあり) The Deductions
③アバドン
(1)上の聖句の中の3つでは、シオールという言葉と対句になっています。
対句
ヨブ26:6
ヨブ 26:6 よみも神の前では裸であり、
滅びの淵もおおわれない。
Sheol is naked before God, And Abaddon hath no covering.(ASV)
直訳:シオールも神の前では裸であり
アバドンもおおわれない。
日本語訳と随分印象が違う
シオールとアバドンが対句としてでてくる
つまり同じ意味だということ
箴言15:11
箴 15:11a よみと滅びの淵とは【主】の前にある。〜
Sheol and Abaddon are before Jehovah;
直訳:シオールとアバドンとは【主】の前にある。
ここでも対句になっている
箴言27:20
箴 27:20a よみと滅びの淵は飽くことがなく、〜
Sheol and Abaddon are never satisfied;
直訳:シオールとアバドンは飽くことがなく、〜
対句になっていて、同じ意味だということ
③アバドン
(2)このアバドンという言葉は、否定的にしか用いられません。
①シオールと②ハデスは、罪人にとっては否定的な場所
信者にとっては平安の場
アバドンは苦しみの場所なので、積極的な意味を全く持たない否定的言葉
③アバドン
(3)シオール(ハデス)の中の不信者の場所
テクニカルターム 専門用語
③アバドン
(4)或る悪霊の固有名詞です。
黙9:1〜11
1〜11節は大患難時代の或る非常に重要な裁き(第五のラッパ=第一のわざわいのさばき)について語っている
黙 9:1 第五の御使いがラッパを吹き鳴らした。
すると、私は一つの星が天から地上に落ちるのを見た。
その星には底知れぬ穴 the pit of the abyss を開くかぎが与えられた。
ヨハネは星が天から落ちてくるのを見ている
星: 聖書で象徴的に使われた場合は天使
いい天使も堕天使も共に星という言葉で表現する
この星は堕天使
神さまはこの堕落した天使にアビス(底知れぬ所)を開く鍵を与える
その結果アビスに捉えられていた悪霊どもが出て
5か月間人々を苦しめる
9:2 その星が、底知れぬ穴 the pit of the abyss を開くと、穴から大きな炉の煙のような煙が立ち上り、太陽も空も、この穴の煙によって暗くなった。
9:3 その煙の中から、いなごが地上に出て来た。
彼らには、地のさそりの持つような力が与えられた。
9:4 そして彼らは、地の草やすべての青草や、すべての木には害を加えないで、ただ、額に神の印を押されていない人間にだけ害を加えるように言い渡された。
9:5 しかし、人間を殺すことは許されず、ただ五か月の間苦しめることだけが許された。
その与えた苦痛は、さそりが人を刺したときのような苦痛であった。
9:6 その期間には、人々は死を求めるが、どうしても見いだせず、死を願うが、死が彼らから逃げて行くのである。
9:7 そのいなごの形は、出陣の用意の整った馬に似ていた。
頭に金の冠のようなものを着け、顔は人間の顔のようであった。
9:8 また女の髪のような毛があり、歯は、獅子の歯のようであった。
9:9 また、鉄の胸当てのような胸当てを着け、その翼の音は、多くの馬に引かれた戦車が、戦いに馳せつけるときの響きのようであった。
9:10 そのうえ彼らは、さそりのような尾と針とを持っており、尾には、五か月間人間に害を加える力があった。
9:11 彼らは、底知れぬ所の御使い the angel of the abyss を王にいただいている。
彼の名はヘブル語でアバドンといい、ギリシヤ語でアポリュオンという。
アビスを開きそこにいた悪霊どもを解き放つ役割の悪霊をアバドン
ギリシア語でアポリュオンと言う
新約聖書の黙示録の使い方では
アバドンは場所というより悪霊の固有名詞になっている
チャートで確認
③アバドン
狭い意味でのハデスは苦しみの場所
アバドンはそれと同じ場所
④よみの穴
新改訳2017聖書:滅びの穴
新改訳3聖書:よみの穴
新共同訳聖書:滅亡
口語訳聖書:墓
文語訳聖書:墓
(ヨブ33:18)
ほか
4.よみの穴(The Pit)
英語では特定の或る穴のこと
この言葉は文字通り地面に掘られた穴を指す場合もある
例)
創世記のヨセフ 創世記37章
エレミヤが穴に投げ込まれたとき エレミヤ記38章
それ以外には死者の霊魂が行く場所を描写的に描く言葉として「よみの穴」が使われる
ハデス、アバドン:固有名詞
よみの穴:描写的言葉
まるで穴の中に落ち込むような所
a. 聖書(23箇所) The Scriptures
旧約聖書のみにでてくる 見えない場所の名前
半分ほどが文学書にでてくる(ヨブ記、詩篇、箴言)
イザヤ書で2回
殆どがエゼキエル書
b. 推論(4つあり) The Deductions
④よみの穴
(1)アバドン同様、常に否定的に用いられます。
一つも肯定的なものはない
④よみの穴
(2)方向性は、常に下に向かっています。
上に向かっている例は一度もない
④よみの穴
(3)信者は「よみの穴」に落ち込まないので感謝することができます。
信者は「よみの穴」に落ち込むことはないので大変感謝し喜ぶことができる
④よみの穴
(4)シオール(ハデス)の中の不信者の場所
3.アバドンと同じ場所
違いはアバドンは固有名詞、専門用語
よみの穴はその場所を描写的に表現している言葉
チャートで確認
②ハデス(狭義)
③アバドン(固有名詞)
④よみの穴(描写的言葉)
全部同じ場所のこと
⑤アビス
新改訳2017聖書:底知れぬ所
深み
(言葉の右上に*がついている場合は聖書巻末の「注」に「あるいは『底知れぬ所』」との表記あり)
新改訳3聖書:底知れぬ所 地の奥底
新共同訳聖書:底なしの淵
口語訳聖書:底知れぬ所
文語訳聖書:底なき所 底なき
アビスは固有名詞
今までとは違った部屋になっている
5.アビス (The Abyss)
ギリシア語のアブソス
よって新約聖書にしか見出ない
基本的な意味は
「底なしの場所」
「地下の世界」といったニュアンスがある
死んだ人の霊魂が行く場所ではない
悪霊たちが行く場所は2つあり、そのうちの一つ
a. 聖書(9箇所) The Scriptures
ルカ8:31
ルカ 8:31 悪霊どもはイエスに、底知れぬ所に行け、とはお命じになりませんようにと願った。
歴史的文書の中の唯一の使用例
ロマ書10:7
ロマ 10:7 また、「だれが地の奥底に下るだろうか、と言ってはいけない。」それはキリストを死者の中から引き上げることです。
書簡では1箇所
セミナーテキスト19ページ
残りは全て黙示録にでてくる
黙9:1
黙 9:1 第五の御使いがラッパを吹き鳴らした。
すると、私は一つの星が天から地上に落ちるのを見た。
その星には底知れぬ穴を開くかぎが与えられた。
黙9:2
黙 9:2 その星が、底知れぬ穴を開くと、穴から大きな炉の煙のような煙が立ち上り、太陽も空も、この穴の煙によって暗くなった。
黙9:11
黙 9:11 彼らは、底知れぬ所の御使いを王にいただいている。
彼の名はヘブル語でアバドンといい、ギリシヤ語でアポリュオンという。
黙11:7
黙 11:7 そして彼ら(ふたりの証人)があかしを終えると、底知れぬ所から上って来る獣(反キリスト)が、彼らと戦って勝ち、彼らを殺す。
黙17:8
黙 17:8 あなたの見た獣(反キリスト)は、昔いたが、今はいません。
しかし、やがて底知れぬ所から上って来ます。
そして彼は、ついには滅びます。
地上に住む者たちで、世の初めからいのちの書に名を書きしるされていない者は、その獣が、昔はいたが、今はおらず、やがて現れるのを見て驚きます。
黙20:1
黙 20:1 また私は、御使いが底知れぬ所のかぎと大きな鎖とを手に持って、天から下って来るのを見た。
黙20:3
黙 20:3 底知れぬ所に投げ込んで、そこを閉じ、その上に封印して、千年の終わるまでは、それが諸国の民を惑わすことのないようにした。
サタンは、そのあとでしばらくの間、解き放されなければならない。
b. 推論(3つあり) The Deductions
⑤アビス
(1)常に方向が下向きです。
⑤アビス
(2)堕天使の留まる場所
*反キリストだけが例外的にそこに留まります。
基本的に悪霊たちの場所
反キリストとは悪魔によって人間の女から誕生する者
人間的な要素を持っているがサタンの力に依っている反キリストもアビスに閉じ込められる
⑤アビス
(3)シオール(ハデス)の中の堕天使のための場所
人間の魂は行かない
堕天使が一時的に閉じ込められる場所
悪霊は或る人の中についていてそこから追い出され、アビスに投げ込まれることがあるが、或る時間が経つとそこから出てくることもある
ルカ8:31
ルカ 8:31 悪霊どもはイエスに、底知れぬ所に行け、とはお命じになりませんようにと願った。
悪霊がイエスさまに、私たちをアビスに投げ込まないでくださいと懇願している
この底知れぬ所はアビス
普通悪霊どもは追い出されたらアビスに行くのですが、皆さんご存知のようにこの場合悪霊どもはどこに入りましたか?
豚の中ですね。
例外的な処置が施されたのです。
アビスに閉じ込められている悪霊どもがさきほど見た黙示録9章で一時解放され、悪霊どもによるさらなる苦しみが始まる
黙示録20:1〜3
黙 20:1 また私は、御使いが底知れぬ所のかぎと大きな鎖とを手に持って、天から下って来るのを見た。
20:2 彼は、悪魔でありサタンである竜、あの古い蛇を捕らえ、これを千年の間縛って、20:3 底知れぬ所に投げ込んで、そこを閉じ、その上に封印して、千年の終わるまでは、それが諸国の民を惑わすことのないようにした。
サタンは、そのあとでしばらくの間、解き放されなければならない。
サタンもまたそこアビスに閉じ込められる
一千年後に解放され、最後の反乱を起こす
アビスは悪霊たちを閉じ込める場所だが、それは一時的なもの
チャートで確認
⑤アビス
先ほどまでの②ハデス
③アバドン
④よみの穴の場所と
⑤アビスとは
エリアが明らかに違う
ここは(堕天使を一時的に閉じ込める場所)
一時的というのがキーワード
⑤アビス
新改訳聖書:底知れぬ所
新共同訳聖書:底なしの淵
口語訳聖書:底知れぬ所
テクニカルターム専門用語なので「アビス」と理解した方がいいですね。
死後の世界レジュメ(12) 2019年2/23
Ⅲ.死後の場所 A..見えない場所(13の用語がある) 6.タータラス 7.地獄 へ