練馬桜台聖書フォーラム

八つの契約 レジュメ(10)2020年 2/22

2020.02.24

カテゴリー:八つの契約, 学び

八つの契約 レジュメ(10)2020年2/22

 

「約束の時代」の土台がアブラハム契約

マリアが、イエスの誕生はアブラハム契約の成就であるという認識をもっていたとは!

 

 2002年フルクテンバウム博士セミナー聖書の八つの契約テキスト)を学んでいます。
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レジュメもくじ

前回のレジュメ(9)

 

 

フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。

以下、青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句です。
(但し、ここでは新改訳2017を載せています)
紫色の聖句は参考聖句です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。

緑色の聖句や文章はHP編者による補足説明です。
茶色の文章Dr.Arnold G.Fruchtenbaum『The Eight Covenants of the Bible』
からの補足説明です。
ロイヤルブルー色の文章はフルクテンバウム博士著『イスラエル学-組織神学の失われた環-』中川健一監訳/佐野剛史訳(書籍)電子書籍)からの補足説明です。

興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。

 

Ⅰ.エデン契約条件付き契約人類全般
Ⅱ.アダム契約無条件契約 
人類全般
Ⅲ.ノア契約
無条件契約   人類全般
Ⅳ.アブラハム契約
無条件契約-イスラエル
Ⅴ.モーセ契約
条件付き契約 イスラエル
Ⅵ.パレスチナ契約
無条件契約イスラエル
Ⅶ.ダビデ契約
無条件契約  イスラエル
Ⅷ.新しい契約
無条件契約  イスラエル

 

 

 

Ⅳ.アブラハム契約 3/4
THE ABRAHAMIC COVENANT

 

 

セミナーテキスト13ページ

F. アブラハム契約のディスペンセーション

The Status of the Covenant

  

 

*アブラハム契約は約束の時代

the Dispensation of Promise
の土台です。
アブラハムからモーセまでの時代のこと

 

人類は無条件契約であるアダム契約ノア契約の規定を引き継いでいますが、そこにアブラハム契約のディスペンセーション(約束の時代)が入ってきます。

 

アブラハムはユダヤ人の代表として契約を結んでいますから、
アブラハム契約の内容ユダヤ人にのみ適用されます。

  

 

*アブラハム契約は無条件契約

その条項は今日でも未だ成就されず、将来成就する要因が沢山含まれています。


*アブラハム契約は今も有効
旧約新約を通してアブラハム契約の原則がいき続けていることを私たちは読み取ることができます。

 

最終的な成就は御国の時代
この例のいくつかは以下の聖句に含まれます。

 

  

 

 

 出エジプト記2:23~25
出 2:23 それから何年もたって、エジプトの王は死んだ。
イスラエルの子らは重い労働にうめき、泣き叫んだ。
重い労働による彼らの叫びは神に届いた。
2:24 神は彼らの嘆きを聞き、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こされた。
2:25 神はイスラエルの子らをご覧になった。
神は彼らをみこころに留められた。
神さまがユダヤ人をエジプトから解放する土台になっているのがアブラハム契約だと記されています。

 

 

 

出エジプト記4:24~26
出 4:24 さて、途中、一夜を明かす場所でのことだった。
【主】はモーセに会い、彼を殺そうとされた。
4:25 そのとき、ツィポラは火打石を取って、自分の息子の包皮を切り取り、モーセの両足に付けて言った。
「まことに、あなたは私には血の花婿です。」
4:26 すると、主はモーセを放された。
彼女はそのとき、割礼のゆえに「血の花婿」と言ったのである。
モーセがエジプトに行く途中で命が奪われそうになっています。

アブラハム契約に理由があると書かれています。
出エジプト記4章で、モーセは神さまの命令に従ってエジプトからイスラエル人を解放するためにエジプトに向かっています。
けれども途中で神さまがモーセを疫病で打たれ、モーセは瀕死の状態に陥り一歩も動けなくなります。
何故それが起こったのか、またモーセがどのように救われたのかが記されています。
彼の妻のチッポラ(ツィポラ)はミディアン人で、ミディアン人は割礼を実行していなかったのです。
最初の息子が生まれた時、モーセはアブラハム契約に従い割礼を施しています。
奥さんは割礼が気に入らなかったので2番目の子どもには割礼を施しませんでした。

創世記17章
創17:9 また神はアブラハムに仰せられた。
「あなたは、わたしの契約を守らなければならない。
あなたも、あなたの後の子孫も、代々にわたって。
17:10 次のことが、わたしとあなたがたとの間で、またあなたの後の子孫との間で、あなたがたが守るべきわたしの契約である。
あなたがたの中の男子はみな、割礼を受けなさい。
17:11 あなたがたは自分の包皮の肉を切り捨てなさい。
それが、わたしとあなたがたとの間の契約のしるしとなる。
17:12 あなたがたの中の男子はみな、代々にわたり、生まれて八日目に割礼を受けなければならない。
家で生まれたしもべも、異国人から金で買い取られた、あなたの子孫ではない者もそうである。
17:13 あなたの家で生まれたしもべも、金で買い取った者も、必ず割礼を受けなければならない。
わたしの契約は、永遠の契約として、あなたがたの肉に記されなければならない。
17:14 包皮の肉を切り捨てられていない無割礼の男、そのような者は、自分の民から断ち切られなければならない。
わたしの契約を破ったからである。」


17:22 神はアブラハムと語り終えると、彼のもとから上って行かれた。
17:23 そこでアブラハムは、その子イシュマエル、彼の家で生まれたすべてのしもべ、また、金で買い取ったすべての者、すなわち、アブラハムの家のすべての男子を集め、神が彼に告げられたとおり、その日のうちに、彼らの包皮の肉を切り捨てた。
17:24 アブラハムが包皮の肉を切り捨てられたときは、九十九歳であった。
17:25 その子イシュマエルは、包皮の肉に割礼を受けたとき、十三歳であった。
17:26 アブラハムとその子イシュマエルは、その日のうちに割礼を受けた。
17:27 彼の家の男たちはみな、家で生まれた奴隷も、異国人から金で買い取った者も、彼と一緒に割礼を受けた。
割礼を受けない者はその民から取り去られてしまうと書かれています。
無条件契約であっても条件がないわけではなく、その条件を破るなら裁きもあります。

今もアブラハム契約のしるしとしての割礼(モーセの律法に基づいた割礼ではなく)はユダヤ人男性の義務です。
しかし、その条件はアブラハム契約が成就する条件ではありません
アブラハム契約の神の約束の成就は無条件です。

モーセは自分の息子に割礼を施さないことにおいてアブラハム契約に不忠実に生きていたわけです。

出エジプト記2章
神さまはアブラハム契約の故にエジプトからイスラエル人を解放すると言われているが

出エジプト記4章
モーセがその契約に忠実でないので、神が忠実でない者をその契約を成就するために用いることはできない
モーセは出エジプトの指導者としての資格を失うところでした。

モーセは瀕死の状態になった時に、2番目の子どもに割礼を施さなかった奥さんが介入しモーセの命が助かります。
その段階で割礼を施すことにより不従順からアブラハムが逃れ、その結果神は再びアブラハムを用いることができる状態になりました。

 

 


出エジプト記6:2~8
出 6:2 神はモーセに語り、彼に仰せられた。
6:3 わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに全能の神として現れたが、【主】という名では、彼らにわたしを知らせなかった。
6:4 わたしはまた、カナンの地、彼らがとどまった寄留の地を彼らに与えるという契約を彼らと立てた。
6:5 今わたしは、エジプトが奴隷として仕えさせているイスラエルの子らの嘆きを聞き、わたしの契約を思い起こした。
6:6 それゆえ、イスラエルの子らに言え。
『わたしは【主】である。
わたしはあなたがたをエジプトの苦役から導き出す。
あなたがたを重い労働から救い出し、伸ばされた腕と大いなるさばきによって贖う。
6:7 わたしはあなたがたを取ってわたしの民とし、わたしはあなたがたの神となる。
あなたがたは、わたしがあなたがたの神、【主】であり、あなたがたをエジプトでの苦役から導き出す者であることを知る。
6:8 わたしは、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓ったその地にあなたがたを連れて行き、そこをあなたがたの所有地として与える。
わたしは【主】である。』」

アブラハム契約が出エジプトを可能にする土台となっています。

 

 


出エジプト32:11~14
出 32:11 しかしモーセは、自分の神、【主】に嘆願して言った。
「【主】よ。
あなたが偉大な力と力強い御手をもって、エジプトの地から導き出されたご自分の民に向かって、どうして御怒りを燃やされるのですか。
32:12 どうしてエジプト人に、『神は、彼らを山地で殺し、地の面から絶ち滅ぼすために、悪意をもって彼らを連れ出したのだ』と言わせてよいでしょうか。
どうか、あなたの燃える怒りを収め、ご自身の民へのわざわいを思い直してください。
32:13 あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエルを思い起こしてください。
あなたはご自分にかけて彼らに誓い、そして彼らに、『わたしはあなたがたの子孫を空の星のように増し加え、わたしが約束したこの地すべてをあなたがたの子孫に与え、彼らは永久にこれをゆずりとして受け継ぐ』と言われました。」
32:14 すると【主】は、その民に下すと言ったわざわいを思い直された。
金の子牛事件ののち、神さまはイスラエル人たちを抹殺せず、或る者を残しておかれた理由がこの32章です。

 

 


申命記34:4
申 34:4 そして【主】は彼に言われた。
「わたしがアブラハム、イサク、ヤコブに『あなたの子孫に与える』と誓った地はこれである。
わたしはこれをあなたの目に見せたが、あなたがそこへ渡って行くことはできない。」
アブラハム契約がスラエルに約束の地を与える土台です。
神さまがモーセに語られた最後の言葉です。

 

 

 


2列王記13:22~23
Ⅱ列王 13:22 アラムの王ハザエルは、エホアハズの生きている間中、イスラエル人を虐げたが、13:23 【主】は、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約のゆえに、彼らを恵み、あわれみ、顧みて、彼らをぼし尽くすことは望まず、今日まで、御顔を背けて彼らを捨てることはなさらなかった。
イスラエル民族、ユダヤ人たちは不従順でしたが完全にはびなかった説明しています。

 

 

1歴代誌16:15~19
Ⅰ歴代 16:15 心に留めよ。主の契約をとこしえに。
命じられたみことばを、千代までも。
16:16 それは、アブラハムと結んだ契約。
イサクへの誓い。
16:17 主はそれをヤコブへの定めとして立てられた。

イスラエルへの、永遠の契約として。
16:18 そのとき主は言われた。
「わたしは、あなたにカナンの地を与える。
あなたがたへのゆずりの地として。」
16:19 そのころ、あなたがたの数は少なく、

実にわずかで、そこでは寄留者であった。
これもまたアブラハム契約が土地をイスラエル人に与えることの土台であることに言及しています。

 

 

 

同じことが2歴代誌20:7~8
Ⅱ歴代 20:7 私たちの神よ。
あなたは、この地の住民をあなたの民イスラエルの前から追い払い、とこしえにあなたの友アブラハムの裔にお与えになったのではありませんか。
20:8 彼らはそこに住み、あなたのため、御名のために、そこに聖所を建てて言いました。

 

 

 

ネヘミヤ9:7~8
ネヘ 9:7 あなたこそ神である【主】です。
あなたはアブラムを選んで
カルデア人のウルから連れ出し、
その名をアブラハムとされました。
9:8 彼の心が御前に忠実であるのを見て、
あなたは彼と契約を結び
カナン人、ヒッタイト人、アモリ人、ペリジ人、
エブス人、ギルガシ人の地を
彼の子孫に与えるとされました。

そしてその約束を果たされました。
あなたは正しい方だからです。

 

 

 

詩篇105:7~12
詩 105:7 この方こそ 私たちの神 【主】。
そのさばきは全地にわたる。
105:8 主はご自分の契約を とこしえに覚えておられる。
命じられたみことばを 千代までも。
105:9 それはアブラハムと結んだ契約
イサクへの誓い

105:10 主はそれを ヤコブへの定めとして立てられた。
イスラエルへの 永遠の契約として。

105:11 そのとき主は言われた。
「わたしはあなたにカナンの地を与える。
あなたがたへのゆずりの地として。」

105:12 そのころ 彼らの数は少なく
実にわずかで そこでは寄留者であった。


 

 

ルカ1:54~55
ルカ 1:54 主はあわれみを忘れずに、
そのしもべイスラエルを助けてくださいました。
1:55 私たちの父祖たちに語られたとおり、
アブラハムとその子孫に対するあわれみを
いつまでも忘れずに。」
ここでは子孫という言葉が完全に一人の人物を指す意味で用いられています。

メシアが来られたのもアブラハム契約のゆえです。

 

 

  

ルカ1:68~73
ルカ 1:68 「ほむべきかな、イスラエルの神、主。
主はその御民を顧みて、贖いをなし、
1:69 救いの角を私たちのために、
しもべダビデの家に立てられた。
1:70 古くから、その聖なる預言者たちの口を通して
語られたとおりに。
1:71 この救いは、私たちの敵からの、
私たちを憎むすべての者の手からの救いである。
1:72 主は私たちの父祖たちにあわれみを施し、
ご自分の聖なる契約を覚えておられた。
1:73 私たちの父アブラハムに誓われた誓いを。
イスラエルを贖うメシアの働きがどのようなものであるかを示す土台になる聖句です。

イスラエルに贖いをもたらすためにメシアが来られたのもアブラハム契約の故です。

 

 

 

ガラテヤ書3:15~18
ガラ 3:15 兄弟たちよ、人間の例で説明しましょう。
人間の契約でも、いったん結ばれたら、だれもそれを無効にしたり、それにつけ加えたりはしません。
3:16 約束は、アブラハムとその子孫に告げられました。
神は、「子孫たちに」と言って多数を指すことなく、一人を指して「あなたの子孫に」と言っておられます。
それはキリストのことです。
3:17 私の言おうとしていることは、こうです。
先に神によって結ばれた契約を、その後四百三十年たってできた律法が無効にし、その約束を破棄することはありません。
3:18 相続がもし律法によるなら、もはやそれは約束によるのではありません。
しかし、神は約束を通して、アブラハムに相続の恵みを下さったのです。
モーセ契約とアブラハム契約の違いが対比されます。
モーセ契約はメシアが来るまでの一時的な契約ですが、アブラハム契約は永遠の契約(永遠に有効)であると教えています。

 

 

 

ヘブル人への手紙6:13~20
ヘブル 6:13 神は、アブラハムに約束する際、ご自分より大いなるものにかけて誓うことができなかったので、ご自分にかけて誓い、
6:14 「確かにわたしは、あなたを大いに祝福し、あなたを大いに増やす」と言われました。
6:15 このようにして、アブラハムは忍耐の末に約束のものを得たのです。
6:16 確かに、人間は自分より大いなるものにかけて誓います。
そして、誓いはすべての論争を終わらせる保証となります。
6:17 そこで神は、約束の相続者たちに、ご自分の計画が変わらないことをさらにはっきり示そうと思い、誓いをもって保証されました。
6:18 それは、前に置かれている希望を捕らえようとして逃れて来た私たちが、約束と誓いという変わらない二つのものによって、力強い励ましを受けるためです。
その二つについて、神が偽ることはあり得ません。
6:19 私たちが持っているこの希望は、安全で確かな、たましいの錨のようなものであり、また幕の内側にまで入って行くものです。
6:20 イエスは、私たちのために先駆けとしてそこに入り、メルキゼデクの例に倣って、とこしえに大祭司となられたのです。
私たち自身の救いが確実であることを保証している聖句です。

というのは私たちの救いは無条件契約の上にのっている救いだからです。
ヘブル書の著者は、自らの救いの確証をアブラハム契約から引き出しています。
これがわかれば、一度救われた者が救いを失うことがあるかどうかという議論に時間を浪費する必要はなくなります。

 

 

************

***内は千年王国レジュメ(8)と同じ内容です。

 

マタイの福音書22:23~33
マタ 22:23 その日、復活はないと言っているサドカイ人たちが、イエスのところに来て質問した。
22:24 「先生。モーセは、『もしある人が、子がないままで死んだなら、その弟は兄の妻と結婚して、兄のために子孫を起こさなければならない』と言いました。
22:25 ところで、私たちの間に七人の兄弟がいました。
長男は結婚しましたが死にました。子がいなかったので、その妻を弟に残しました。
22:26 次男も三男も、そして七人までも同じようになりました。
22:27 そして最後に、その妻も死にました。
22:28 では復活の際、彼女は七人のうちのだれの妻になるのでしょうか。
彼らはみな、彼女を妻にしたのですが。」
22:29 イエスは彼らに答えられた。
「あなたがたは聖書も神の力も知らないので、思い違いをしています。
22:30 復活の時には人はめとることも嫁ぐこともなく、天の御使いたちのようです。
22:31 死人の復活については、神があなたがたにこう語られたのを読んだことがないのですか。
22:32 『わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。』神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神です。」
22:33 群衆はこれを聞いて、イエスの教えに驚嘆した。
非常に興味深い箇所で、イエスサドカイ人たちが議論をしています。

パリサイ人(律法学者、教師、ラビ、例:パウロ)とサドカイ人(祭司階級)との間には神学的な意見の違いがかなりありました。

パリサイ人たち:
死者の復活を信じていた

サドカイ人たち:
死者の復活を信じていなかった

当時の論争を見ると、サドカイ人たちはパリサイ人たちに非常にまぬけな質問をし、その議論に勝つことがよくありました。
いつもやっているように非常に狡猾な質問をサドカイ人たちがイエスに投げかけます。
イエスさまの所に来て「私たちは神学的にどうも理解できない難しい問題があるのですが、何かヒントがあれば教えてください。」と言うわけです。

或る夫婦がいて7人の子どもが生まれた
長男が結婚して子を残さないで死んだ
モーセの律法によれば子を残さないで死んだ時は、弟が結婚して子を残す
そこで、2番目の息子がその未亡人と結婚した
ところが2番目も死んだので、モーセの律法に従って3番目が結婚し、子を残さないで死んだ
結果として7人の息子たちが同じ女性と結婚し、7人とも子どもがないままで死んだ
その婦人も死んだ
もし復活があると言うならば、復活した時にこの婦人は7人の誰の妻になるのかという質問

もしサドカイ人たちが私にその質問をしたとしたら私はイエスさまとは違った答えをすると思います。
私は警官を呼んで~(ジョークは割愛させていただきます)

イエスさまの答え
まず、イエスさまがしていない事:
旧約聖書の死者の復活に関する重要な聖句3箇所をイエスさまは引用していないのです。

イザヤ書26:19をイエスさまは引用していません。
イザ 26:19 あなたの死人は生き返り、
私の屍は、よみがえります。
覚めよ、喜び歌え。土のちりの中にとどまる者よ。
まことに、あなたの露は光の露。
地は死者の霊を生き返らせます。

ヨブ記19:25~26も引用していません。
ヨブ 19:25 私は知っている。
私を贖う方は生きておられ、
ついには、土のちりの上に立たれることを。
19:26 私の皮がこのように剝ぎ取られた後に、
私は私の肉から神を見る。

ダニエル書12:2
ダニ 12:2 ちりの大地の中に眠っている者のうち、
多くの者が目を覚ます。
ある者は永遠のいのちに、
ある者は恥辱と、永遠の嫌悪に。

イエスさまがサドカイ人たちにこういう重要な、死者の復活を教えている聖句を引用しなかった理由

 

パリサイ人とサドカイ人のもう一つの相違

パリサイ人たち
旧約聖書のどの箇所からでも教理を導き出せると考えていた

サドカイ人たち:
神学的な議論はモーセの五書つまり旧約聖書の最初の5つの本(創・出・レビ・民・申命記)からでなければいけないと信じていた
もちろん、教理を解説する例話として預言書を使うことは可能です。
けれども、教理そのもののベースはモーセの五書からこなければいけない。

ところがモーセの五書の中には死者の復活を教えている箇所がないのです。
ですからサドカイ人たちは死者の復活はないと考えていたわけです。

 

イザヤ書、ヨブ記、ダニエル書はモーセの五書ではないので、パリサイ人には有効であってもサドカイ人には何の意味ももたないわけです。

 

そこで、イエスさまは出エジプト記3:6を引用されました。
出 3:6 さらに仰せられた。
わたしはあなたの父祖の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。
モーセ
は顔を隠した。
を仰ぎ見るのを恐れたからである。
さまはモーセに、わたしはアブラハム、イサク、ヤコブの神である。とおっしゃいました。

これはアブラハム契約に言及した引用です。

しかし、13アブラハム契約の条項をリストアップしましたがその中に復活の約束は含まれていませんでした。

復活の約束とは、実は神さまがこの条項を与えている原則の中に見つけることができます。

 

神さまが或る個人に例えば土地を与えると約束をしたとします。
その約束が成就しないうちにその人が死んだなら、神さまはその人を再び生き返らせ、その約束を成就する責任を神ご自身が負っているということです。

神さまの約束とは、その約束を受け取るべき人に対して成就しなければいけないという性質があります。

ですからヘブル書11によれば、アブラハムイサクをささげた時にアブラハムはイサクがよみがえると信じたわけです。

ヘブル11:17 信仰によって、アブラハムは試みを受けたときにイサクを献げました。
約束を受けていた彼が、自分のただひとりの子を献げようとしたのです。
11:18 神はアブラハムに「イサクにあって、あなたの子孫が起こされる」と言われましたが、11:19 彼は、神には人を死者の中からよみがえらせることもできると考えました。
それで彼は、比喩的に言えば、イサクを死者の中から取り戻したのです。

イサクを殺しても神は再びその命を取り戻してくださるとアブラハムは信じたのです。

神さまはイサクをよみがえらせると約束しないのに、アブラハムはどうしてそれを知ったのでしょうか。

アブラハムは、神さまは契約を守る神であることを知っていました。

イサクにあるいはアブラハムに与えられていた契約の或る条項は未だ成就していませんでした。
もしイサクを殺したとしても、神はイサクをよみがえらせて未だ成就していない約束を必ず成就されるはずだとアブラハムは信じたわけです。

 

神さまはアブラハムに、イサクに、ヤコブに対して、あなたとあなたの子孫にこの土地を約束するとおっしゃいました。
けれどもこの3人とも約束の地はほとんど何も所有することのないままで死んでしまいました。
未だ成就していない部分を成就する為に、神さまはアブラハム、イサク、ヤコブを将来必ずよみがえらせ、千年王国において約束の地を所有するようになり、
この部分が必ず成就されるわけです。

 

 


マタイ8:11~12
マタ 8:11 あなたがたに言いますが、多くの人が東からも西からも来て、天の御国でアブラハム、イサク、ヤコブと一緒に食卓に着きます。
8:12 しかし、御国の子らは外の暗闇に放り出されます。
そこで泣いて歯ぎしりするのです。」

アブラハム、イサク、ヤコブと一緒に食卓に着くと書かれています。

この預言は、メシア的王国(千年王国)でアブラハム、イサク、ヤコブが遂に約束の土地を所有する存在になっています。

 

************

 

アブラハム契約とは旧約聖書の聖徒たちが将来必ずよみがえることを約束する土台にもなっているのです。

 

 


使徒行伝26:~もそのことを記しています。
使 26:6 そして今、神が私たちの父祖たちに与えられた約束に望みを抱いているために、私はここに立って、さばかれているのです。
26:7 私たちの十二部族は、夜も昼も熱心に神に仕えながら、その約束のものを得たいと望んでいます。
王よ。
私はこの望みを抱いているために、ユダヤ人から訴えられているのです。
26:8 神が死者をよみがえらせるということを、あなたがたは、なぜ信じがたいこととお考えになるのでしょうか。
これアブラハム契約が復活の土台になっています。

 

 


レビ記26:40~42
レビ 26:40 彼ら(イスラエルの子ら)は、自分たちの咎と先祖の咎を、つまり、わたしの信頼を裏切って、わたしに逆らって歩んだことを告白するが、26:41 このわたしが彼らに逆らって歩み、彼らを敵の国へ送り込むのである。
もしそのとき、彼らの無割礼の心がへりくだるなら、そのとき自分たちの咎の償いをすることになる。
26:42 わたしはヤコブとのわたしの契約を思い起こす。またイサクとのわたしの契約を、さらにはアブラハムとのわたしの契約をも思い起こす。
わたしはそのを思い起こす。
再びこのアブラハム契約が、イスラエルが最終的にこの土を所有するようになるというベースになっています。

神さまがイスラエル民族を再び約束の土地にもたらすと言われたのは、アブラハム契約の成就という意味でそのことが実現するということです。

 

 

 

以上の聖句はアブラハム契約が、出エジプト、土地を彼らに与えること、不従順にもかかわらずユダヤ人が生き残ること、メシアの到来、死からの復活、そしてイスラエルの最終的な贖いと回復 の土台であることに言及しています。
アブラハム契約は人類の歴史をつらぬいて今日に至るまで有効であると聖句から結論づけることができます。

 

 

  


(詳しくは中川健一著『ディスペンセーショナリズムQ&A』書籍のみ1528円)(CD5枚組書籍付き3000円) 20アブラハム契約とはどのようなものか をどうぞ。)

 

八つの契約(11) 2020年3/14
Ⅳ.アブラハム契約(4/4) Q&A一部

1.出4:25は第二子?
2.「血の花婿」とは?
3.割礼はなぜ八日目?
4.八日目でなくても神は受け入れる?
5.「御国の子ら」とは?
6.「御国の時代」とは?
7.イサクを捧げなかったら?
8.アブラムが示された地に行かなかったら?
9.イエス以前の異邦人の救いは?
10.福音を聞かずに死んだ人の救いは?(福音の三要素)
11.創26:5 無条件契約が条件契約のようにみえるが?
12.  イサク、ヤコブ以外の子孫は異邦人?
13.アブラハム契約は救い?
14.イスラエルを祝福する者は祝福されるとは?
15.封印の意味は?
16.イスラエル人以外の割礼は?
17.割礼をみると条件契約のようにみえるが?
18.創22:19 戻ったのはアブラハム一人?
19.なぜアブラハムが選ばれた?

練馬桜台聖書フォーラム

代表 :南 知之

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