千年王国レジュメ(6)2017年11/25
イスラエルの帰還は「土地の契約」に基づいている
帰還は2段階
天地創造レベルの奇跡
イスラエルの歴史のピークは「出エジプトの出来事」から「イスラエルの最終帰還」にとってかわる
2種類のイスラエル人が帰還する
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フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下、赤色の聖句は土地の契約の聖句です。
青色の聖句はテキストでみていく聖句です。
ロイヤル・ブルー色の文章は2002年同セミナー『八つの契約』からの補足説明です。
茶色の文章はDr. A.G.Fruchtenbaum『The Footsteps of the Messiah』翻訳メモ第19章メシア的王国におけるイスラエル からの要約抜粋です。
緑色の文章は補足説明です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
「千年王国The Millennium」と「メシア的王国The Messianic Kingdom」の意味は全く同じです。
Ⅳ.メシア的王国におけるイスラエル
Israel in the Messianic Kingdom
A.イスラエルの最終的回復の4つの側面
The Four facets of the Final Restoration of Israel
セミナーテキスト20ページ
2.イスラエルの帰還
The Regathering of Israel
(1) 土台:土地の契約
The Basis: The Land Covenant
申命記29:1〜30:20
約束の地に入る直前までの40年間の荒野での体験の要約
約束の地に入る前にこれから起こることを警告するため別の契約を結ぶ必要がでてきた
彼らは警告された
しかし彼らは警告されたことを行った結果、土地から追放され異邦人の国々で迫害に耐えることになる
条項1:モーセは預言的に、イスラエルがモーセの律法に従わなくなり、その結果世界中に散らされると語った(29:2~30:1)(成就した)
条項2:イスラエルは悔い改める(30:2)(条項2以降は成就していない 将来成就する)
30:3 あなたの神、【主】は、あなたの繁栄を元どおりにし、あなたをあわれみ、あなたの神、【主】がそこへ散らしたすべての国々の民の中から、あなたを再び、集める。
Deu30:3 that then Jehovah your God will turn your captivity, and have compassion upon you, and will return and gather you from all the peoples, whither Jehovah your God has scattered you.
条項3:メシアが戻ってこられる(30:3)
30:4 たとい、あなたが、天の果てに追いやられていても、あなたの神、【主】は、そこからあなたを集め、そこからあなたを連れ戻す。
条項4:イスラエルは再び集められる(30:3~4)
30:5 あなたの神、【主】は、あなたの先祖たちが所有していた地にあなたを連れて行き、あなたはそれを所有する。
主は、あなたを栄えさせ、あなたの先祖たちよりもその数を多くされる。
条項5:イスラエルは約束の地を所有する(30:5)
30:6 あなたの神、【主】は、あなたの心と、あなたの子孫の心を包む皮を切り捨てて、あなたが心を尽くし、精神を尽くし、あなたの神、【主】を愛し、それであなたが生きるようにされる。
条項6:イスラエルは霊的に再生される(30:6)
罰は異邦人に向けられるようになる
条項7:イスラエルは完全な祝福、「御国の時代」(再臨以降のこと)の祝福を受ける(30:8~10)
疑問:
・申命記(モーセ五書)に書かれているので、この契約はモーセ契約(シナイ契約)ではないのですか?
・この契約がモーセ契約でないならば何故別の契約をここでたてる必要があるのですか?
答え:
・モーセ契約とは別の契約であるとモーセが書いています。
申 29:1 これは、モアブの地で、【主】がモーセに命じて、イスラエル人と結ばせた契約のことばである。
ホレブで彼らと結ばれた契約とは別である。
神がイスラエル人とモアブの地で結んだ契約
(「パレスチナ契約」として知られていましたが、その名前のと由来と、今日アラブ人を連想する名前になっているので、「土地の契約」と呼びたいと思います。)
は、ホレブ(シナイ山を含んだ山脈)で結んだ契約=シナイ契約(モーセ契約)(一時的で条件付)とは明確に区別される新しい別の契約(永遠で無条件)です。
申命記27章でモーセ契約(出エ20〜)の再更新の儀式が行われ、
28章までは新しい世代に向けてモーセ契約を再度確認させている
しかし、29、30章は全く別の区別された独立の契約であると教えられ、その内容はこれに従えばこうなるという条件が述べられているのではなく、将来どうなるという預言的な契約条項がリストアップされているだけ
土地の契約はアブラハム契約の土地に関する側面が拡大したもの
土地の契約の内容:
イスラエルの民はヨシュアに導かれて約束の地に入りますが、その約束の地で罪を犯し続けます。
その不信仰に対して矯正、戒めのため様々な神のさばきがくだります。
例)
士師たちの時代に異民族による抑圧
アッシリア捕囚
バビロン捕囚
最後が全世界への離散
モーセのような預言者があらわれると言われていた、そのキリストを拒否した結果、約束の地から追放され、全世界への離散が起こります。
申命記18章で、モーセは既にこう語っていました。
申命記18:15〜18
申 18:15 あなたの神、【主】は、あなた(イスラエル)のうちから、あなたの同胞の中から、私(モーセ)のようなひとりの預言者 a prophet from the midst of thee, of thy brethren, like unto me; をあなたのために起こされる。
彼に聞き従わなければならない。
18:16 これはあなたが、ホレブであの集まりの日に、あなたの神、【主】に求めたそのことによるものである。
あなたは、
「私の神、【主】の声を二度と聞きたくありません。
またこの大きな火をもう見たくありません。
私は死にたくありません」
と言った。
18:17 それで【主】は私に言われた。
「彼らの言ったことはもっともだ。
18:18 わたしは彼ら(イスラエル)の同胞のうちから、彼らのためにあなた(モーセ)のようなひとりの預言者を起こそう。
わたしは彼の口にわたしのことばを授けよう。
彼は、わたしが命じることをみな、彼らに告げる。
申命記29章は、ユダヤ人たちが全世界に離散する状況ののちの預言です。
しかし30章でモーセは約束を追加します。
申命記30:1〜4
申 30:1 私があなたの前に置いた祝福とのろい、これらすべてのことが、あなたに臨み、あなたの神、【主】があなたをそこへ追い散らしたすべての国々の中で、あなたがこれらのことを心に留め、30:2 あなたの神、【主】に立ち返り、きょう、私があなたに命じるとおりに、あなたも、あなたの子どもたちも、心を尽くし、精神を尽くして御声に聞き従うなら、30:3 あなたの神、【主】は、あなたの繁栄を元どおりにし、あなたをあわれみ、あなたの神、【主】がそこへ散らしたすべての国々の民の中から、あなたを再び、集める。
30:4 たとい、あなたが、天の果てに追いやられていても、あなたの神、【主】は、そこからあなたを集め、そこからあなたを連れ戻す。
ユダヤ人が世界のどこに離散していても約束の地に連れ戻すという約束が与えられます。
民族的新生ののち、世界各地からイスラエル人の最終的な帰還が起こります。
「すべての国々の民の中から、」「天の果てに追いやられていても」(この言葉を記憶しておいてください。最後に再度取り上げます。)
***************
最終的帰還と近代のイスラエル国家と混同しないようにしてください。
聖書はユダヤ人が世界から2段階で帰還すると教えています。
1番目の帰還:
世界中から不信仰の状態で帰還します。
それは大患難が、神のさばきがくだる準備としての帰還です。
その預言の成就が現代のイスラエル国家です。
その預言の中にはこういう要素が含まれています。
エゼキエル20:33〜38
エゼ 20:33 わたしは生きている、──神である主の御告げ──わたしは憤りを注ぎ、力強い手と伸ばした腕をもって、必ずあなたがたを治める。
20:34 わたしは、力強い手と伸ばした腕、注ぎ出る憤りをもって、あなたがたを国々の民の中から連れ出し、その散らされている国々からあなたがたを集める。
20:35 わたしはあなたがたを国々の民の荒野に連れて行き、そこで、顔と顔とを合わせて、あなたがたをさばく。
20:36 わたしがあなたがたの先祖をエジプトの地の荒野でさばいたように、あなたがたをさばく。
──神である主の御告げ── 20:37 わたしはまた、あなたがたにむちの下を通らせ、あなたがたと契約を結び、20:38 あなたがたのうちから、わたしにそむく反逆者を、えり分ける。
わたしは彼らをその寄留している地から連れ出すが、彼らはイスラエルの地に入ることはできない。
このとき、あなたがたは、わたしが【主】であることを知ろう。
エゼキエル22:17〜22
エゼ 22:17 次のような【主】のことばが私にあった。
22:18 「人の子よ。
イスラエルの家はわたしにとってかなかすとなった。
彼らはみな、炉の中の青銅、すず、鉄、鉛であって、銀のかなかすとなった。
22:19 それゆえ、神である主はこう仰せられる。
あなたがたはみな、かなかすとなったから、今、わたしはあなたがたをエルサレムの中に集める。
22:20 銀、青銅、鉄、鉛、すずが炉の中に集められるのは、火を吹きつけて溶かすためだ。
そのように、わたしは怒りと憤りをもってあなたがたを集め、そこに入れて溶かす。
22:21 わたしはあなたがたをかり集め、あなたがたに向かって激しい怒りの火を吹きつけ、あなたがたを町の中で溶かす。
22:22 銀が炉の中で溶かされるように、あなたがたも町の中で溶かされる。
このとき、あなたがたは、【主】であるわたしがあなたがたの上に憤りを注いだことを知ろう。」
ゼパニヤ書2:1〜2
ゼパ 2:1 恥知らずの国民よ。こぞって集まれ、集まれ。
2:2 昼間、吹き散らされるもみがらのように、
あなたがたがならないうちに。
【主】の燃える怒りが、
まだあなたがたを襲わないうちに。
【主】の怒りの日が、
まだあなたがたを襲わないうちに。
今日私たちが見ていること(不信仰のまま戻っている今のイスラエル)はイスラエルの最終的回復とは違うということです。
今のイスラエル国家は、
預言的には大患難時代の中間まで継続し、
中間に国は崩壊し、再び国の外に散らされるようになります。
期間は3年半でエリアは中東諸国、イスラエルの周辺諸国に限定されます。
その結果、彼らは民族的救いを経験するようになります。
大患難時代の一番終わりに信仰に導かれ、千年王国の祝福を受ける準備として約束の地に回復されます。
***************
申命記30章でモーセが取り上げている帰還は、
最終的な(第2の)帰還のことです。
イスラエルが最終的に約束の地へ帰還するのは土地の契約に基づいています。
そのテーマが預言者たちによって取り上げられ進展していきます。
セミナーテキスト21ページ
(2) 預言の進展
The Prophetic Development
イザヤ11:11〜12:6
イザヤは最終的な帰還、
つまり千年王国の祝福を受ける準備としての(信仰のある)帰還、
2つの帰還のうちの2番目のもの、
を預言しています。
イザ 11:11 その日、主は再び again the second time 御手を伸ばし、
ご自分の民の残りを買い取られる。
残っている者をアッシリヤ、エジプト、
パテロス、クシュ、エラム、
シヌアル、ハマテ、海の島々から買い取られる。
「再び」:2番目の帰還
中東諸国からの帰還です。
11:12 主は、国々のために旗を揚げ、
イスラエルの散らされた者を取り集め、
ユダの追い散らされた者を
地の四隅から集められる。
2番目の世界からの帰還です。
最初の帰還は(1948年〜大患難時代前まで)
今起こっているイスラエル国家の誕生のことです。
11:13 エフライムのねたみは去り、
ユダに敵する者は断ち切られる。
エフライムはユダをねたまず、
ユダもエフライムを敵としない。
11:14 彼らは、西の方、ペリシテ人の肩に飛びかかり、
共に東の人々をかすめ奪う。
彼らはエドムとモアブにも手を伸ばし、
アモン人も彼らに従う。
イスラエルとユダの(間の)敵意は消えます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エフライム(北イスラエル王国の代名詞)のユダへのねたみとはユダの地に神の家が置かれたことへのねたみです。
詩 78:9 エフライムの人々は、
矢をつがえて弓を射る者であったが、
戦いの日には退却した。
78:10 彼らは、神の契約を守らず、
神のおしえに従って歩むことを拒み、
78:11 神の数々のみわざと、
神が見せてくださった多くの奇しいこととを
忘れてしまった。
詩 78:67 それで(主は)、ヨセフの天幕を捨て、
エフライム族(のちの北イスラエル王国)をお選びにならず、
78:68 ユダ族(のちの南ユダ王国)を選び、
主が愛されたシオンの山(エルサレム)を、選ばれた。
その妬みは消え去ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11:15 【主】はエジプトの海の入江を干上がらせ、
また、その焼けつく風の中に
御手を川に向かって振り動かし、
それを打って、七つの水無し川とし、
くつばきのままで歩けるようにする。
11:16 残される御民の残りの者のために
アッシリヤからの大路が備えられる。
イスラエルがエジプトの国から上って来た日に、
イスラエルのために備えられたように。
この最終的な帰還には奇跡が伴います。
スエズ湾は干上がり、ユーフラテス川は7つの小さな川に分かれます。
12:1 その日、あなたは言おう。
「【主】よ。感謝します。
あなたは、私を怒られたのに、
あなたの怒りは去り、
私を慰めてくださいました。」
12:2 見よ。神は私の救い。
私は信頼して恐れることはない。
ヤハ、【主】は、私の力、私のほめ歌。
私のために救いとなられた。
12:3 あなたがたは喜びながら
救いの泉から水を汲む。
12:4 その日、あなたがたは言う。
「主に感謝せよ。
その御名を呼び求めよ。
そのみわざを、国々の民の中に知らせよ。
御名があがめられていることを語り告げよ。
12:5 【主】をほめ歌え。
主はすばらしいことをされた。
これを、全世界に知らせよ。
12:6 シオンに住む者。
大声をあげて、喜び歌え。
イスラエルの聖なる方は、
あなたの中におられる、大いなる方。」
1〜6節でイスラエルの帰還を祝う歌が歌われています。
出エジプトの直後にも歌を歌いました。出15:1~18
イザヤ書27:12〜13
イザ 27:12 その日、
【主】はユーフラテス川からエジプト川までの
穀物の穂を打ち落とされる。
イスラエルの子らよ。
あなたがたは、ひとりひとり拾い上げられる。
ユダヤ人が一人ひとり帰って来て全員が帰るまでそれが続く、つまり全面的な帰還です。
その結果イスラエルに約束されていた約束の地全てにユダヤ人が住むようになる、或いは所有するようになるという約束です。
27:13 その日、大きな角笛が鳴り渡り、
アッシリヤの地に失われていた者や、
エジプトの地に散らされていた者たちが来て、
エルサレムの聖なる山で、【主】を礼拝する。
帰還には大きなトランペットの音が伴うと預言しています。
(記憶しておいてください。最後に取り上げます。)
大患難期中間に近隣諸国に避難したユダヤ人は最も苦しみますが、アッシリヤ(現在のイラク)やエジプトから帰還します。
世界中からの帰還ですが中東諸国からの帰還が強調されています。
セミナーテキスト22ページ
イザヤ書43:5〜7
イザ 43:5 恐れるな。
わたしがあなたとともにいるからだ。
わたしは東から、あなたの子孫を来させ、
西から、あなたを集める。
43:6 わたしは、北に向かって『引き渡せ』と言い、
南に向かって『引き止めるな』と言う。
わたしの子らを遠くから来させ、
わたしの娘らを地の果てから来させよ。
43:7 わたしの名で呼ばれるすべての者は、
わたしの栄光のために、わたしがこれを創造し、
これを形造り、これを造った。
この聖句も世界中からの帰還であることが強調されています。
3つのキーワード:
創造し、形造り、造った。created, formed, made
創世記1章2章の天地創造にこの3つの動詞(同義語)がでてきます。
イスラエルの最終的な帰還は、神の視点から、天地を創造した時と同じような規模の大奇跡であり、神のみがおできになるという内容です。
createdのへブル語バラは主語が神さまのみの動詞だそうです。
エレミヤ16:14〜15
エレ 16:14 それゆえ、見よ、その日が来る。──【主】の御告げ──
その日にはもはや、『イスラエルの子らをエジプトの国から上らせた【主】は生きておられる』とは言わないで、16:15 ただ『イスラエルの子らを北の国や、彼らの散らされたすべての地方から上らせた【主】は生きておられる』と言うようになる。
わたしは彼らの先祖に与えた彼らの土地に彼らを帰らせる。
エレミヤは出エジプトの出来事とイスラエルの最終的帰還とを対比させています。
エレミヤのこの預言は今日に至るまで未だ成就していません。
エレミヤが預言した時代、出エジプトの出来事がイスラエルの歴史の頂点でした。
しかし将来はイスラエルの最終的な帰還がイスラエルの歴史の新しいピークになります。
エレミヤ23:3〜4
エレ 23:3 しかし、わたしは、わたしの群れの残りの者を、わたしが追い散らしたすべての国から集め、もとの牧場に帰らせる。
彼らは多くの子を生んでふえよう。
世界中から帰還したユダヤ人たちは増え広がります。
23:4 わたしは彼らの上に牧者たちを立て、彼らを牧させる。
彼らは二度と恐れることなく、おののくことなく、失われることもない。──【主】の御告げ──
義なる指導者たちがたてられ、正しく民を牧するようになる結果、民は二度と恐れたりおののいたりすることがなくなります。
セミナーテキスト23ページ
エレミヤ23:7〜8
エレ 23:7 それゆえ、見よ、このような日が来る。
──【主】の御告げ──その日には、彼らは、『イスラエルの子らをエジプトの国から上らせた【主】は生きておられる』とはもう言わないで、23:8 『イスラエルの家のすえを北の国や、彼らの散らされたすべての地方から上らせた【主】は生きておられる』と言って、自分たちの土地に住むようになる。」
再びエレミヤは出エジプトの出来事とイスラエルの最終的帰還とを対比させています。
エレミヤ31:7〜10
エレ 31:7 まことに【主】はこう仰せられる。
「ヤコブのために喜び歌え。
国々のかしらのために叫べ。
告げ知らせ、賛美して、言え。
『【主】よ。あなたの民を救ってください。
イスラエルの残りの者を。』
民族的新生を体験します。
「イスラエルの国家的新生」がイスラエルの最終的回復の第一の側面でした。
31:8 見よ。わたしは彼らを北の国から連れ出し、
地の果てから彼らを集める。
その中には目の見えない者も足のなえた者も、
妊婦も産婦も共にいる。
彼らは大集団をなして、ここに帰る。
「イスラエルの帰還」がイスラエルの最終的回復の第二の側面、全てのユダヤ人が帰還します。
健康状態や場所にかからわず帰還させられます。
31:9 彼らは泣きながらやって来る。
わたしは彼らを、慰めながら連れ戻る。
わたしは彼らを、水の流れのほとりに導き、
彼らは平らな道を歩いて、つまずかない。
わたしはイスラエルの父となろう。
エフライムはわたしの長子だから。」
彼らを妨害するものは何もありません。
31:10 諸国の民よ。【主】のことばを聞け。
遠くの島々に告げ知らせて言え。
「イスラエルを散らした者がこれを集め、
牧者が群れを飼うように、これを守る」と。
彼らを離散させた神ご自身が彼らを帰還させるからです。
エゼキエル書11:14〜18
エゼ 11:14 そのとき、私に次のような【主】のことばがあった。
11:15 「人の子よ。あなたの兄弟、あなたの同胞、あなたの身近な親類の者たち、またイスラエルの全家のすべての者に対して、エルサレムの住民は、『【主】から遠く離れよ。
この地は私たちの所有として与えられているのだ』と言った。
11:16 それゆえ言え。
『神である主はこう仰せられる。
わたしは彼らを遠く異邦の民の中へ移し、国々の中に散らした。
しかし、わたしは彼らが行ったその国々で、しばらくの間、彼らの聖所となっていた。』
11:17 それゆえ言え。
『神である主はこう仰せられる。
わたしはあなたがたを、国々の民のうちから集め、あなたがたが散らされていた国々からあなたがたを連れ戻し、イスラエルの地をあなたがたに与える。』
11:18 彼らがそこに来るとき、すべての忌むべきもの、すべての忌みきらうべきものをそこから取り除こう。
イスラエルを離散させた神が、彼らを元の地に回復されます。
その時にイスラエルの土地がきよめられます。
エゼキエル36:24
エゼ 36:24 わたしはあなたがたを諸国の民の間から連れ出し、すべての国々から集め、あなたがたの地に連れて行く。
同じ預言で、彼らは約束の地に持ち運ばれます。
小預言者たちもこの帰還を語っています。
アモス9:14〜15
アモ 9:14 わたしは、
わたしの民イスラエルの繁栄を元どおりにする。
彼らは荒れた町々を建て直して住み、
ぶどう畑を作って、そのぶどう酒を飲み、
果樹園を作って、その実を食べる。
9:15 わたしは彼らを彼らの地に植える。
彼らは、
わたしが彼らに与えたその土地から、
もう、引き抜かれることはない」と
あなたの神、【主】は、仰せられる。
イスラエルは再びその地から追放されることはなくなります。
強調点は「永続性」です。
ゼパニヤ書3:18〜20
ゼパ 3:18 例祭から離れて悲しむ者たちをわたしは集める。
彼らはあなたからのもの。
そしりはシオンへの警告である。
3:19 見よ。その時、
わたしはあなたを苦しめたすべての者を罰し、
足のなえた者を救い、散らされた者を集める。
わたしは彼らの恥を栄誉に変え、
全地でその名をあげさせよう。
3:20 その時、わたしはあなたがたを連れ帰り、
その時、わたしはあなたがたを集める。
わたしがあなたがたの目の前で、
あなたがたの繁栄を元どおりにするとき、
地のすべての民の間で
あなたがたに、名誉と栄誉を与えよう、と
【主】は仰せられる。
ゼパニヤのテーマは裁きですが、(最終的帰還の約束をもって預言書を結んでいます。)
ここでは大患難時代のさばきの結果彼らが信仰に導かれ新生し、その結果最終的な帰還が起こるという順番が預言されています。
帰還を語る旧約聖書最後の預言者はゼカリヤです。
ゼカリヤ書10:8〜12
ゼカ 10:8 わたしは彼らに合図して、彼らを集める。
羊を呼ぶ羊飼いの合図という視点で見ています。
わたしが彼らを贖ったからだ。
彼らは以前のように数がふえる。
10:9 わたしは彼らを国々の民の間にまき散らすが、
彼らは遠くの国々でわたしを思い出し、
その子らとともに生きながらえて帰って来る。
帰還はイスラエルの贖いと新生の結果です。
10:10 わたしは彼らをエジプトの地から連れ帰り、
アッシリヤから彼らを寄せ集める。
わたしはギルアデの地とレバノンへ
彼らを連れて行くが、
そこも彼らには足りなくなる。
10:11 彼らは苦難の海を渡り、
海では波を打つ。
彼らはナイル川のすべての淵をからす。
アッシリヤの誇りは低くされ、
エジプトの杖は離れる。
帰還は全世界からですが、中東諸国からの帰還に強調点があります。
10:12 彼らの力は【主】にあり、
彼らは主の名によって歩き回る。
──【主】の御告げ──
イスラエルの民族的回心の次に最終的な帰還が起こると預言されています。
旧約聖書の預言者によって明らかにされた最終的帰還が新約聖書においてまとめられています。
マタイ24:31
マタ 24:31 人の子は大きなラッパの響きとともに、御使いたちを遣わします。
すると御使いたちは、天の果てから果てまで、四方からその選びの民を集めます。
多くの人がこの聖句を使って携挙は大患難時代の一番最後に起こると説明しようとします。
マタイ24:31が教会の携挙を預言する聖句だという結論を出すために文脈を無視しています。
この文脈はイスラエルを取り扱っています。
マタイ24:15〜16
マタ 24:15 それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)
例えば『荒らす憎むべき者』という言葉がでてきますが、これはエルサレムの神殿に関する言葉です。(大患難期中間)
マタ 24:16 そのときは、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。
ユダヤ人、或いはユダヤという地方に焦点があります。
これはユダヤ人たちがユダヤを逃げなければならない時の預言です。
マタイ24:31
人の子は大きなラッパの響きとともに、御使いたちを遣わします。すると御使いたちは、天の果てから果てまで、四方からその選びの民を集めます。
背景は前出のイザヤ書27:12〜13
イザ 27:12 その日、【主】はユーフラテス川からエジプト川までの穀物の穂を打ち落とされる。イスラエルの子らよ。あなたがたは、ひとりひとり拾い上げられる。27:13 その日、大きな角笛が鳴り渡り、アッシリヤの地に失われていた者や、エジプトの地に散らされていた者たちが来て、エルサレムの聖なる山で、【主】を礼拝する。
最終的なイスラエルの帰還はラッパの響きと共に起こるとイザヤは言っていました。
イザヤは最終的な帰還について預言しているのであり、それ以外のものではありません。
セミナーテキスト24ページ
マルコ13:27
マル 13:27 そのとき、人の子は、御使いたちを送り、地の果てから天の果てまで、四方からその選びの民を集めます。
上のマタイ24:31と並行記事です。
背景は別の旧約箇所、前出申命記30:3〜4
申 30:3 あなたの神、【主】は、あなたの繁栄を元どおりにし、あなたをあわれみ、あなたの神、【主】がそこへ散らしたすべての国々の民の中から、あなたを再び、集める。30:4 たとい、あなたが、天の果てに追いやられていても、あなたの神、【主】は、そこからあなたを集め、そこからあなたを連れ戻す。
マル 13:27 そのとき、人の子(イエスさま)は、御使いたちを送り、地の果てから天の果てまで、四方からその選びの民を集めます。
地の果てから帰還すると同時に天の果てからも帰還すると彼は書いています。
「地の果て」「天の果て」
最終的な帰還には2種類のイスラエル人がいます。
① 地上で生きているイスラエル人
この人たちは大患難時代を生き延びた信仰のあるユダヤ人たちで、千年王国で肉体的からだをもって生きるようになる人たちです。
② 復活したイスラエル人(旧約の聖徒たち)
過去に生きたイスラエル人の信者たちはこの段階で復活し、(栄光のからだをもって)彼らもまた千年王国に入り、そこで生活するようになります。
その結果、神がアブラハム、イサク、ヤコブに個人的に言われた約束、あなたとあなたの子孫に個人的に土地を与えると言われた約束がこの段階で成就します。
これが「土地の契約」に基づいて起こるイスラエルの最終的回復の第2の側面「イスラエルの帰還」です。
中川健一牧師著『終末論Q&A』(書籍のみB5/190頁)(CD12枚組書籍付き)(電子書籍)を是非どうぞ
千年王国レジュメ(7)2017年12/9
Ⅳメシア的王国におけるイスラエル A.イスラエルの最終的回復の4つの側面 3.土地の所有 (1)土台:アブラハムの契約 (2)預言の進展 へ