終末論のクライマックス レジュメ(7)2021年4/24
患難期前に反キリストは信者に啓示される
イスラエルは患難期中間に知る
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フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下、青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句です。
(但し、ここでは新改訳2017を使用しています)
紫色の聖句は2回目の聖句または参考聖句です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
緑色の文章はHP編者による補足説明です。
オレンジ色の文章はDr.Arnold G. Fruchtenbaum 『The Footsteps of the Messiah: A Study of the Sequence of Prophetic Events』改訂第三版の第二附録より、林兄からの情報による補足説明です。感謝!
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
反キリストの興隆と滅亡
THE RISE AND FALL OF THE ANTICHRIST
はじめに
Ⅰ. 反キリストの呼び名
Ⅱ.反キリストの起源
Ⅲ.反キリストの啓示
Ⅳ.反キリストと大患難時代の始まり
Ⅴ.反キリストの興隆
Ⅵ.反キリストの死と復活
Ⅶ.荒らす憎むべきもの
Ⅷ.獣の刻印
Ⅸ.反キリストの滅亡
セミナーテキストの13ページ
Ⅲ.反キリストの啓示
THE REVELATION OF THE ANTICHRIST
第2テサロニケ2章
Ⅱテサ 2:1 さて兄弟たち。
私たちの主イエス・キリストの来臨と、私たちが主のみもとに集められることに関して、あなたがたにお願いします。
2:2 霊によってであれ、ことばによってであれ、私たちから出たかのような手紙によってであれ、主の日がすでに来たかのように言われるのを聞いても、すぐに落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしないでください。
2:3 どんな手段によっても、だれにもだまされてはいけません。
まず背教が起こり、不法の者、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないのです。
2:4 不法の者は、すべて神と呼ばれるもの、礼拝されるものに対抗して自分を高く上げ、ついには自分こそ神であると宣言して、神の宮に座ることになります。
2:5 私がまだあなたがたのところにいたとき、これらのことをよく話していたのを覚えていませんか。
2:6 不法の者がその定められた時に現れるようにと、今はその者を引き止めているものがあることを、あなたがたは知っています。
2:7 不法の秘密はすでに働いています。
ただし、秘密であるのは、今引き止めている者が取り除かれる時までのことです。
2:8 その時になると、不法の者が現れますが、主イエスは彼を御口の息をもって殺し、来臨の輝きをもって滅ぼされます。
2:9 不法の者は、サタンの働きによって到来し、あらゆる力、偽りのしるしと不思議、2:10 また、あらゆる悪の欺きをもって、滅びる者たちに臨みます。
彼らが滅びるのは、自分を救う真理を愛をもって受け入れなかったからです。
2:11 それで神は、惑わす力を送られ、彼らは偽りを信じるようになります。
2:12 それは、真理を信じないで、不義を喜んでいたすべての者が、さばかれるようになるためです。
2:13 しかし、主に愛されている兄弟たち。
私たちはあなたがたのことについて、いつも神に感謝しなければなりません。
神が、御霊による聖別と、真理に対する信仰によって、あなたがたを初穂として救いに選ばれたからです。
2:14 そのために神は、私たちの福音によってあなたがたを召し、私たちの主イエス・キリストの栄光にあずからせてくださいました。
2:15 ですから兄弟たち。堅く立って、語ったことばであれ手紙であれ、私たちから学んだ教えをしっかりと守りなさい。
2:16 どうか、私たちの主イエス・キリストと、私たちの父なる神、すなわち、私たちを愛し、永遠の慰めとすばらしい望みを恵みによって与えてくださった方ご自身が、2:17 あなたがたの心を慰め、強めて、あらゆる良いわざとことばに進ませてくださいますように。
反キリストがあらわれた時にこの人だと認識できる2種類の啓示が書かれています。
①大患難時代の前に
その時代に生きている信者に対して与えられるもの
②大患難時代の中間に
イスラエル人に対して示される啓示
パウロの開拓伝道は、そこにしばらくとどまり神の計画の全貌を教え、それから次の所に移動します。
しかし迫害の為にパウロはテサロニケの町を途中で去ることになりました。
テサロニケの教会員たちはパウロに教理的な質問をいろいろ書き送りました。
その内容がテサロニケの手紙第1と第2です。
第1テサロニケ4章5章で言ったことを再度取り上げているのが第2テサロニケ2章です。
第1テサロニケ4章、5章と
第2テサロニケ2章とは相関関係にある
第1テサロニケ4章の最後でパウロは携挙に関する質問に答えています。
既に死んだ信者が携挙の時にどういう祝福に与るのか
或いは祝福を受けることができないのか
という問題についてパウロは答えを送りました。
第一テサロニケ人への手紙
4章:携挙がテーマ
Ⅰテサ 4:1 最後に兄弟たち。主イエスにあってお願いし、また勧めます。
あなたがたは、神に喜ばれるためにどのように歩むべきかを私たちから学び、現にそう歩んでいるのですから、ますますそうしてください。
4:2 私たちが主イエスによって、どのような命令をあなたがたに与えたか、あなたがたは知っています。
4:3 神のみこころは、あなたがたが聖なる者となることです。
あなたがたが淫らな行いを避け、4:4 一人ひとりがわきまえて、自分のからだを聖なる尊いものとして保ち、4:5 神を知らない異邦人のように情欲におぼれず、4:6 また、そのようなことで、兄弟を踏みつけたり欺いたりしないことです。
私たちが前もってあなたがたに話し、厳しく警告しておいたように、主はこれらすべてのことについて罰を与える方だからです。
4:7 神が私たちを召されたのは、汚れたことを行わせるためではなく、聖さにあずからせるためです。
4:8 ですから、この警告を拒む者は、人を拒むのではなく、あなたがたにご自分の聖霊を与えてくださる神を拒むのです。
4:9 兄弟愛については、あなたがたに書き送る必要がありません。
あなたがたこそ、互いに愛し合うことを神から教えられた人たちで、4:10 マケドニア全土のすべての兄弟たちに対して、それを実行しているからです。
兄弟たち、あなたがたに勧めます。
ますます豊かにそれを行いなさい。
4:11 また、私たちが命じたように、落ち着いた生活をし、自分の仕事に励み、自分の手で働くことを名誉としなさい。
4:12 外の人々に対して品位をもって歩み、だれの世話にもならずに生活するためです。
4:13 眠っている人たちについては、兄弟たち、あなたがたに知らずにいてほしくありません。
あなたがたが、望みのない他の人々のように悲しまないためです。
4:14 イエスが死んで復活された、と私たちが信じているなら、神はまた同じように、イエスにあって眠った人たちを、イエスとともに連れて来られるはずです。
4:15 私たちは主のことばによって、あなたがたに伝えます。
生きている私たちは、主の来臨まで残っているなら、眠った人たちより先になることは決してありません。
4:16 すなわち、号令と御使いのかしらの声と神のラッパの響きとともに、主ご自身が天から下って来られます。
そしてまず、キリストにある死者がよみがえり、4:17 それから、生き残っている私たちが、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられ、空中で主と会うのです。
こうして私たちは、いつまでも主とともにいることになります。
4:18 ですから、これらのことばをもって互いに励まし合いなさい。
5章1~11節:パウロは「主の日」について語っています
主の日
旧約新約をとおして大患難時代を表す最も普通の言葉
主の日=大患難時代
こんにち患難時代とか大患難時代という言葉を私たちは使いますが
聖書では「主の日」という言い方が最も頻繁に用いられます。
1テサロニケ5:1~11
Ⅰテサ 5:1 兄弟たち。
その時と時期については、あなたがたに書き送る必要はありません。
5:2 主の日は、盗人が夜やって来るように来ることを、あなたがた自身よく知っているからです。
5:3 人々が「平和だ、安全だ」と言っているとき、妊婦に産みの苦しみが臨むように、突然の破滅が彼らを襲います。
それを逃れることは決してできません。
5:4 しかし、兄弟たち。
あなたがたは暗闇の中にいないので、その日が盗人のようにあなたがたを襲うことはありません。
5:5 あなたがたはみな、光の子ども、昼の子どもなのです。
私たちは夜の者、闇の者ではありません。
5:6 ですから、ほかの者たちのように眠っていないで、目を覚まし、身を慎んでいましょう。
5:7 眠る者は夜眠り、酔う者は夜酔うのです。
5:8 しかし、私たちは昼の者なので、信仰と愛の胸当てを着け、救いの望みというかぶとをかぶり、身を慎んでいましょう。
5:9 神は、私たちが御怒りを受けるようにではなく、主イエス・キリストによる救いを得るように定めてくださったからです。
5:10 主が私たちのために死んでくださったのは、私たちが、目を覚ましていても眠っていても、主とともに生きるようになるためです。
5:11 ですからあなたがたは、現に行っているとおり、互いに励まし合い、互いを高め合いなさい。
「主の日」が信者を突如襲うことはない
不信者を襲うけれども、信者を襲うことはないと言うのです。
主の日:大患難時代
メシア的王国が建設される前に起こる神の裁き
教会時代の聖徒たちがこの患難を通過することはないとわかります。
その教えのあと第2テサロニケに入るのですが、そこでテサロニケのクリスチャンたちがにせ教師たちの誤った教えによって動揺しているさまが描かれています。
にせ教師たちが信者に主の日がまもなく来る、或いはもう来ている、と教えていました。
パウロの教え:
クリスチャン或いは教会時代の信徒は主の日つまり大患難時代に遭遇しない
にせ教師たちの教え:
既に大患難時代に入っている
信徒が動揺したのでパウロは第2テサロニケでその問題を取り上げています。
まず総論的な話をしてから各論に入っていることに注目してください。
2テサロニケ2:1~3
Ⅱテサ 2:1 さて兄弟たち。
私たちの主イエス・キリストの来臨と、私たちが主のみもとに集められることに関して、あなたがたにお願いします。
2:1 Now we beseech you, brethren, touching the coming of our Lord Jesus Christ, and our gathering together unto him;
聖書預言、特に再臨に関することについての言及があります。
2:2 霊によってであれ、ことばによってであれ、私たちから出たかのような手紙によってであれ、主の日がすでに来たかのように言われるのを聞いても、すぐに落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしないでください。
2:2 to the end that ye be not quickly shaken from your mind, not yet be troubled, either by spirit, or by word, or by epistle as from us, as that the day of the Lord is just at hand;
各論に入っていきます。
彼らは落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしていますが
パウロの教えを思い出し、しっかり立たなければいけないと勧めています。
心を騒がしている原因3つ
霊によって:この場合の霊とは堕落した霊でしょう
ことばによって:にせ教師たちが教えていた言葉でしょう
或いはパウロが書いたかのように出回っている手紙でしょう
しかしパウロはそういう手紙を書いたことはないのです
2:3 どんな手段によっても、だれにもだまされてはいけません。
まず背教が起こり、不法の者、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないのです。
2:3 let no man beguile you in any wise; for it will not be, except the falling away come first, and the man of sin be revealed, the son of perdition,
主の日が来る前に反キリストが現れなければならないとパウロは思い出させています。
ギリシャ語を読むと
主の日がまもなく来る
主の日がすでに来ている
この両方の解釈が可能で、にせ教師たちはその内容を教えていました。
テサロニケのクリスチャンが動揺している理由:
最初の手紙(第1テサロニケ)でパウロが主の日は彼らを襲うことがないと教えていた、その教えと違うからです。
にせ教師たちの教えが間違っている理由が書かれています。
二つのことが起こらなければ主の日は来ないからです。
①背教(のちに携挙に修正)が起こらなければいけない
「背教」departureという言葉の内容を吟味
アポスタシアapostasia:
ギリシャ語で、単に出発する、離れていくという意味もあるこの言葉自体は中立的な言葉ですから、文脈によっていい意味か悪い意味かを判定しなければなりません。
ほとんどの場合、このアポスタシアという言葉は道徳的倫理的基準から離れていくという否定的な意味あいで使われるのです。
1)もしパウロが普通の使い方つまり否定的な意味で使ったとしたら、将来起こる教会の背教のことを意味している
2)二つ目の可能性は、物理的に一つの場所から次の場所に移動するという意味
どちらの意味でとるかは第1テサロニケ第2テサロニケの文脈によって判断しなければいけません。
第1テサロニケ:教会が地上から離れて天に上げられる、つまり携挙が主要テーマ
第2テサロニケ:第1テサロニケで取り上げた携挙というテーマについて再び語っている解釈も可能性がある
第1テサロニケでは教会の携挙は主の日の前に起こるとパウロは教えていました。
ですから、教会の背教ととることも教会の携挙ととることも可能です。
私はどちらかと言うと教会の背教説を採用しますが
未だ決定的にそうだという結論を出したわけでもないのです。2015年現在
Q&A61(2019年) Q&A85(2021年)
博士は「背教」ではなく「携挙」であると解釈を修正したそうです。
②「不法の人」the man of sin 或いは
「滅びの子」の出現
まとめ
大患難時代が始まる前に必ず反キリストが明らかにされる。
聖徒は誰が反キリストであるか認識できるようになる、とここでパウロは教えています。
その時に教会が携挙され、地上にいないかどうかはわかりません。
反キリストを最初に認識するのは
もし教会が地上にいれば、教会時代の聖徒
教会が天にあげられていれば、携挙後に信仰に入る人たち
理解する為の例)
1948年以前の歴史
私たちは、大患難時代が来る前に教会が携挙されるということを知っています。
同時に、イスラエルという国が建国されなければ、回復されなければいけないということも知っていました。
しかし、1948年以前は教会の携挙とイスラエル国家の建設のどちらが先に来るかはわかりませんでした。
結果的にはイスラエルが国家となるほうが先に成就しました。
同じことで、つまり、反キリストが啓示されるのが携挙の前なのか後なのかはこの段階では未だわからないということです。
もし、携挙よりも先に反キリストの啓示があれば
教会時代の聖徒たちがそれを認識し
もし携挙のあとに反キリストの啓示があれば
それは携挙後に信じた聖徒たちが認識するのです。
Ⅱテサ2:3のapostasiaが「携挙」ならば、後者(教会が天にあげられたあとに信じる者たち)が反キリストを最初に認識する者になります。
確定した情報
いずれにしても反キリストの1番目の啓示は大患難時代の前に信者に啓示される
どのようにして反キリストだとわかるのか
それは未だここには啓示されていません。
のちほど、ヘブル語の名前が数字の価値をもっているという話をしますが、その方法かもしれません。
或いは反キリストとイスラエルが契約を結ぼうとしているという情報をキャッチして、知るのかもしれない。
しかし、いずれかの方法で私たち信者は反キリストがあらわれた時に、あの人物だということがわかるようになります。(反キリストはローマ人を起源とする異邦人の女性から人間の父親はなしに誕生)
「荒らす憎むべきもの」という言葉はもう少し先に行ってから取り上げたいと思います。
荒らす忌むべきもの、荒らす忌まわしいもの、憎むべき荒廃をもたらすもの(ダニ12:11)
8節にいくと不法の人の啓示があると言われます。
Ⅱテサ 2:8 その時になると、不法の者が現れますが、主イエスは彼を御口の息をもって殺し、来臨の輝きをもって滅ぼされます。
2番目の啓示
大患難時代の中間にイスラエルはこの人物が反キリストだと明らかに知るようになります。
まとめ
反キリストが2番目に啓示されるのはイスラエルに対してであり
イスラエルは自分たちが契約を結んだ者が反キリストであることを大患難時代の中間に知るようになる
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10 反キリストとは、どういう人物か
11 平和と安全の時期とは、いつのことか
14 携挙されるのは、どういう人か
15 携挙の聖書的根拠は何か
16 携挙の時期は、いつか
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反キリストの興隆と滅亡
Ⅳ反キリストと大患難時代の始まり