千年王国レジュメ(17)2018年5/26
詩篇83:1〜4
イシュマエルの子孫とエサウの子孫の、今に至るまで流れるイスラエルへの果てしない憎しみを、神さまはどう見ているのか
千年王国におけるアラブ諸国についての預言、まずレバロン、ヨルダンについて
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フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下、青色の聖句はテキストでみていく聖句です。
紫色の聖句は2回目にでてきた聖句または参考聖句です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
緑色の聖句や文章は補足説明で
茶色の文章はフルクテンバウム博士著『The Footsteps of The Messiah』第20章からの補足説明です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
「千年王国The Millennium」と「メシア的王国The Messianic Kingdom」の意味は全く同じです。
異邦人とはユダヤ人以外の人のことをさします。
The Gentiles in the Messianic Kingdom
セミナーテキスト51ページ
C.アラブ諸国
The Arab States
前回はイスラエル人とアラブ人の敵対関係が
イシュマエルとエサウという二人の人物から流れていることをみました。
民数記20章
兄エサウが族長の祝福をもらったかのように見えることがあります。
しかし、エサウは約束の地を去り、ネゲブの方(南方)に移動、定住、征服し増え広がりました。
その地をエドム(死海の東側で死海南端より南方)と言います。
エサウという名と同じ意味です。
エサウの子孫たちは町々をたて、王たちを輩出し、民数記20章では帝国をつくりあげています。
弟ヤコブ(イスラエル)とその一家は飢饉を逃れるためエジプトに下りました。
ヤコブの12人の息子たちが亡くなって以降の世代はエジプトで奴隷となります。
エジプトを去ったのち40年間の荒野の放浪生活が続きます。
民数記20章でその放浪期間が終わり、約束されていた土地を征服する段階に近づきます。
約束の地に一番行進しやすいルートはエドムの地を通過することでした。
モーセはエドムの王に手紙を書き、二つの根拠で通行許可を求めます。
第1の根拠
民 20:14
民 20:14さて、モーセはカデシュからエドムの王のもとに使者たちを送った。
「あなたの兄弟、イスラエルはこう申します。
イスラエルと中東諸民族との間には血縁関係が幾つか存在し、その最も近いのがエドムです。
エドムとイスラエルは双子の兄弟(兄エサウと弟ヤコブ)からでてきた子孫たちです。
そこでモーセは、その血縁関係の故にエドムはイスラエルに同情心を示すべきであると考えました。
第2の根拠
あなたは私たちに降りかかったすべての困難をご存じです。」
エドム人たちはユダヤ人の歴史、エジプトへの寄留、奴隷生活、40年間の荒野の放浪を知っていました。
それならば兄弟であるイスラエルに同情心を示してくれてもいいはずだ、というのがモーセの立場です。
民 20:20
民 20:20 しかし、エドムは、「通ってはならない」と言って、強力な大軍勢を率いて彼らを迎え撃つために出て来た。
しかしそうはいきませんでした。
そこでモーセはエドムの地を通過しない200マイルに及ぶ迂回を取らざるを得なくなりました。
300km以上の迂回路を、つぶやきを専門とする200万人のユダヤ人がモーセのあとをついていくのです(苦笑)
定住して以降、士師記を見ると、イシュマエル人やエドム人がイスラエル人に度々攻撃をしかけています。
以上を背景にようやく詩篇83篇の意味が開かれてきます。
これはそのまま現代のイスラエル国家にも適用されるような内容です。
詩篇83:1〜8
詩 83:1 神よ。沈黙を続けないでください。
黙っていないでください。
神よ。じっとしていないでください。
83:2 今、あなたの敵どもが立ち騒ぎ、
あなたを憎む者どもが頭をもたげています。
83:3 彼らは、あなたの民に対して
悪賢いはかりごとを巡らし、
あなたのかくまわれる者たちに
悪だくみをしています。
83:4 彼らは言っています。
「さあ、彼らの国を消し去って、
イスラエルの名が
もはや覚えられないようにしよう。」
They have said, Come, and let us cut them off from being a nation;
That the name of Israel may be no more in remembrance.
83:5 彼らは心を一つにして悪だくみをし、
あなたに逆らって、契約を結んでいます。
83:6 それは、エドムの天幕の者たちとイシュマエル人、
モアブとハガル人、
83:7 ゲバルとアモン、それにアマレク、
ツロの住民といっしょにペリシテもです。
83:8 アッシリヤもまた、彼らにくみし、
彼らはロトの子らの腕となりました。 セラ
4節の目的のためにイスラエルの敵である国々が共謀して企んでいるという詩篇です。
その目的とはイスラエルという国を消し去って、もはやイスラエルという国が存在したことさえも記憶から消え失せるようなことをしようということです。
過去65年のイスラエル建国の歴史をみても同じです。(2018年5月現在イスラエル建国70周年)
この詩篇83:4に書かれているゴールをアラブ人の国のリーダーたちは自分の言葉に言い換えてイスラエルに脅しをかけてきました。
エジプトのナセル大統領は六日戦争の直前にこのような言葉を繰り返し語りました。
この共謀に参加する民、古代の名前は今のどの国になるのでしょうか?
エドム Edom の天幕の者たち:
エサウ(アラブ人の第2の父となった)の子孫たち
エドムは今のヨルダンの南部地区(後半2.a)
イシュマエル人 Ishmaelites :
アラブ人の先祖イシュマエルの子孫
今のアラブ民族の一番中心にいる人たち
モアブ Moab :
ヨルダンの中央部(後半2.b)
ハガル人 Hagarenes :
エジプト
ゲバル Gebal :
レバノン(後半1.)
アモン Ammon :
ヨルダンの北部地区(後半2.c)
アマレク Amalek :
シナイ半島にいる人たち
ツロ Tyre の住民:
レバノン(後半1.)
ペリシテ Philistia :
ガザ回廊にいる人たち
アッシリヤ Assyria :
イラクの北部とシリアの一部
今だかつてこれほどの規模で国々がイスラエルに対して共謀(4節)を企んだことはありません。
イスラエルの2つの大きな戦争
1948年の独立戦争と
1967年の六日戦争
で敵になった人たちはこの中に含まれていますが全てではありません。
この詩篇は今日に至るまでイスラエルを囲むアラブ諸国の状態を表現していると考えられます。
アラブ諸国の謀議が最強になるのは大患難時代です。
エゼキエル書35:1〜5
エゼ 35:1 次のような【主】のことばが私にあった。
35:2 「人の子よ。顔をセイルの山に向け、これについて預言して、35:3 言え。
神である主はこう仰せられる。
セイルの山よ。
わたしはおまえに立ち向かい、
おまえにわたしは手を伸ばし、
おまえを荒れ果てさせ、荒廃した地とする。
35:4 わたしがおまえの町々を廃墟にし、
おまえを荒れ果てさせるとき、
おまえは、わたしが【主】であることを知ろう。
エドム、ヨルダンの南部地区に神の裁きがくだり、その地は荒廃すると預言されています。
セイルの山は長い山脈であり、エサウの子孫が住み着いたエドムの地からイスラエルを見渡すところにあります。
35:5 おまえはいつまでも敵意を抱き、イスラエル人が災難に会うとき、彼らの最後の刑罰の時、彼らを剣に渡した。
何故エドムがそのさばきを受けるのかという説明です。
エドムはイスラエルに対して絶え間ない憎しみを抱き、ユダヤ人逃亡者をバビロニア人に引き渡しました。
セミナーテキスト52ページ
ここでの強調点は
イスラエルに対する果てしない敵意です。
これは聖書時代から始まった敵対心であり、現在に至るまで続いています。
その敵対心はスラエルを支援する者にまで及ぶことになります。
9.11の時
或るTV局がアラブ諸国の様々なリーダーたちにインタビューをしていました。
皆、二つのことを繰り返し言っていました。
① 自分はこの攻撃には責任はない
② この攻撃がきたのはアメリカがイスラエルを支援するからだ
アラブ国家がアメリカを憎む理由は、アメリカが継続してイスラエルを支援しているからです。
それがアラブ国家のイスラエルに対する継続して続いている敵対心です。
オバデヤ書10〜14節
オバ 1:10 あなた(エドム)の兄弟、ヤコブ(イスラエル)への暴虐のために、
恥があなた(エドム)をおおい、あなたは永遠に絶やされる。
1:11 他国人がエルサレムの財宝を奪い去り、外国人がその門に押し入り、
エルサレムをくじ引きにして取った日、
あなたもまた彼らのうちのひとりのように、
知らぬ顔で立っていた。
1:12 あなたの兄弟の日、その災難の日を、
あなたはただ、ながめているな。
ユダの子らの滅びの日に、
彼らのことで喜ぶな。
その苦難の日に大口を開くな。
1:13 彼らのわざわいの日に、
あなたは、わたしの民の門に、入るな。
そのわざわいの日に、
あなたは、その困難をながめているな。
そのわざわいの日に、
彼らの財宝に手を伸ばすな。
1:14 そののがれる者を断つために、
別れ道に立ちふさがるな。
その苦難の日に、
彼らの生き残った者を引き渡すな。
エドム人たちがイスラエルに対して敵対心を持っていると指摘されています。
ここはバビロニア人によるユダヤ制圧前の別の時ですが、エドムの罪の内容は同じです。
千年王国における国々の地位
聖書は全ての国の将来を預言している本ではありません。
アメリカ:
アメリカの未来に関する預言は一言もありません。
アメリカ人にとってそれは耐え難い現実であり、アメリカの将来がどうなるか聖書に書いていないとは神さまはこの国の重要性をどう考えているのかと怒りを覚えるわけですが、聖書預言の中でアメリカが演じる重要な役割は何もありません。
日本:
日本の将来に関する預言も一言もありません。
千年王国におけるその国の地位を決める2つの原則
① イスラエルとその国との血縁関係
血縁関係が近ければ近いほど責任が伴います。
② その国における反ユダヤ主義の歴史
反ユダヤ主義的傾向が大きければ大きいほど責任が大きくなります。
この2つの原則がどのように適用されていくかをみていきましょう。
最後に平和がきますが、その3つの方法
聖書預言によると、イスラエルとアラブ諸国の間に最終的な平和が実現する方法は3種類あります。
① 占領:
イスラエルがアラブ諸国を占領するということによって
② 破壊:
アラブ諸国が神のさばきにあって破壊されるということによって
③ 回心:
アラブ諸国が回心することによって
1.レバノン
Lebanon
①占領
(聖書に明示的に述べられているわけではありませんが)
エゼキエル47:13〜48:29
エゼ 47:13 神である主はこう仰せられる。あなたがたがイスラエルの十二の部族にこの国を相続地として与える地域は次のとおりである。
47:14 あなたがたはそれを等分に割り当てなければならない。
それはわたしがかつてあなたがたの先祖に与えると誓ったものである。
この地は相続地としてあなたがたのものである。
47:15 その地の境界線は次のとおりである。
北側は、大海からヘテロンの道を経て、ツェダデの入口に至り、47:16 ハマテ、ベロタ、およびダマスコの領土とハマテの領土の間にあるシブライム、さらにハウランの領土に面したハツェル・ハティコンに至る。
47:17 海から始まる境界線はダマスコの境界のハツァル・エナンに至り、北は北のほうへ、ハマテの境界にまで至る。これが北側である。〜以下省略
48:29 以上が、あなたがたがイスラエルの部族ごとに、くじで相続地として分ける土地であり、以上が彼らの割り当て地である。
──神である主の御告げ──
レバノンは常に約束の地(神がイスラエルに相続地として与えると預言された地域)の中にありますが、ダビデやソロモンの時代でさえもここまでイスラエルが所有したことはありません。
しかし、千年王国においてこの地区はイスラエルの領地の一部となり、北の地区に配置される数部族の或る者が今のレバノンの地区に居住するようになります。
千年王国においてレバノンと呼ばれる国はなくなります。
レバノンとイスラエルの間の平和は占領によりおとずれます。
2. ヨルダンと今呼ばれている地区
Jordan
今のヨルダンは古代では3つの部族エドム、モアブ、アモンが住んでいました。
神さまはこの3つの部分が同じ運命をたどるとは言っていませんので、南から北へ一つひとつとりあげます。
a. エドム:
ヨルダン南部
Edom: Southern Jordan
②破壊
エドムつまりヨルダン南部とイスラエルとの平和は完璧な破壊によってきます。
エゼキエル35:6〜9
エゼ 35:6 それゆえ、──わたしは生きている。神である主の御告げ──わたしは必ずおまえを血に渡す。
血はおまえを追う。
おまえは血を憎んだが、血はおまえを追いかける。
35:7 わたしはセイルの山を荒れ果てさせ、廃墟とし、そこを行き来する者を断ち滅ぼす。
35:8 わたしはその山々を死体で満たし、剣で刺し殺された者たちがおまえの丘や谷や、すべての谷川に倒れる。
35:9 わたしはおまえを永遠に荒れ果てさせる。
おまえの町々は回復しない。おまえたちは、わたしが【主】であることを知ろう。
やがて来る荒廃がいかに大規模であるかが預言されます。
エレミヤ49:15〜16
エレ 49:15 見よ。
わたしはあなたを国々の中の小さい者、人にさげすまれる者とするからだ。
49:16 岩の住みかに住む者、丘の頂を占める者よ。
あなたの脅かしが、あなた自身を欺いた。
あなたの心は高慢だ。
あなたが鷲のように巣を高くしても、わたしは、そこから引き降ろす。
──【主】の御告げ──」
千年王国において世界は非常にうるわしい場所となるのですが、エドム、ヨルダン南部だけは永遠に荒廃した地として捨て置かれます。
エレミヤ49:7〜15
エレ 49:7 エドムについて。
万軍の【主】はこう仰せられた。
「テマンには、もう知恵がないのか。
賢い者から分別が消えうせ、
彼らの知恵は朽ちたのか。
49:8 デダンの住民よ。逃げよ、のがれよ。
深く潜め。
わたしがエサウの災難をもたらすからだ。
彼を罰する時だ。
49:9 ぶどうを収穫する者たちが、
あなたのところに来るなら、
彼らは取り残しの実を残さない。
盗人は、夜中に来るなら、
彼らの気のすむまで荒らす。
49:10 わたしがエサウを裸にし、
その隠し所をあらわにし、
身を隠すこともできないようにするからだ。
彼の子孫も兄弟も隣人も
踏みにじられてひとりもいなくなる。
49:11 あなたのみなしごたちを見捨てよ。
わたしが彼らを生きながらえさせる。
あなたのやもめたちは、
わたしに拠り頼まなければならない。」
49:12 まことに【主】はこう仰せられる。
「見よ。あの杯を飲むように定められていない者も、それを飲まなければならない。
あなただけが罰を免れることができようか。
罰を受けずには済まない。
いや、あなたは必ずそれを飲まなければならない。
49:13 わたしは自分にかけて誓ったからだ。
──【主】の御告げ──必ずボツラは恐怖、そしりとなり、廃墟、ののしりとなる。
そのすべての町々は、永遠の廃墟となる。」
49:14 私は【主】から知らせを聞いた。
「使者が国々の間に送られた。
『集まって、エドムに攻め入れ。
戦いに立ち上がれ。』
49:15 見よ。わたしはあなたを国々の中の小さい者、人にさげすまれる者とするからだ。
エドムの血の荒廃、つまりエサウの子孫の滅亡を預言しています。
セミナーテキスト53ページ
エレ49:19〜22
エレ 49:19 「見よ。
獅子がヨルダンの密林から水の絶えず流れる牧場に上って来るように、わたしは一瞬にして彼らをそこから追い出そう。
わたしは、選ばれた人をそこに置く。
なぜなら、だれかわたしのような者があろうか。だれかわたしを呼びつける者があろうか。
だれかわたしの前に立つことのできる牧者があろうか。」
49:20 それゆえ、エドムに対してめぐらされた【主】のはかりごとと、テマンの住民に対して立てられたご計画を聞け。
必ず、群れの小さい者まで引きずって行かれ、
必ず、彼らの牧場はそのことでおびえる。
49:21 彼らの倒れる音で地は震え、
その叫び声が葦の海でも聞こえた。
49:22 見よ。彼は鷲のように舞い上がっては襲い、ボツラの上に翼を広げる。
その日、エドムの勇士の心も、産みの苦しみをする女の心のようになる。
エドムの荒廃は戦争の結果やってくると預言されています。
オバデヤ書5〜9節
オバ 1:5 盗人があなたのところに来れば、
夜、荒らす者が来れば、
あなたは荒らされ、
彼らは気のすむまで盗まないだろうか。
ぶどうを収穫する者が
あなたのところに来るなら、
彼らは取り残しの実を残さないだろうか。
1:6 ああ、エサウは捜し出され、
その宝は見つけ出される。
1:7 あなたの同盟者がみな、あなたを欺き、
あなたを国境まで送り返し、
あなたの親しい友があなたを征服し、
あなたのパンを食べていた者が、
あなたの足の下にわなをしかける。
それでも彼はそれを悟らない。
1:8 その日には、──【主】の御告げ──
わたしは、エドムから知恵ある者たちを、
エサウの山から英知を
消し去らないであろうか。
1:9 テマンよ。あなたの勇士たちはおびえる。
虐殺によって、エサウの山から、
ひとり残らず絶やされよう。
ここでもエドムの完璧な滅びがテーマとなっています。
オバデヤ17〜21節
オバ 1:17 しかし、シオンの山には、
のがれた者がいるようになり、
そこは聖地となる。
ヤコブの家はその領地を所有する。
1:18 ヤコブの家は火となり、
ヨセフの家は炎となり、
エサウの家は刈り株となる。
火と炎はわらに燃えつき、これを焼き尽くし、
エサウの家には生き残る者がいなくなる、と
【主】は告げられた。
1:19 ネゲブの人々はエサウの山を、
低地の人々はペリシテ人の国を占領する。
また彼らはエフライムの平野と、
サマリヤの平野とを占領し、
ベニヤミンはギルアデを占領する。
1:20 イスラエルの子らで、
この塁の捕囚の民は
カナン人の国をツァレファテまで、
セファラデにいるエルサレムの捕囚の民は
南の町々を占領する。
1:21 救う者たちは、
エサウの山をさばくために、シオンの山に上り、
王権は【主】のものとなる。
イスラエルの最終的な回復の時はエドムの破壊の時であると言われます。
御国が成就する時にエサウの子孫は全滅し、ヤコブの子孫がエドムの地を所有するようになると預言されています。
エゼキエル書25:12〜14
エゼ 25:12 神である主はこう仰せられる。
エドムはユダの家に復讐を企て、罪を犯し続け、復讐をした。
25:13 それゆえ、神である主はこう仰せられる。
わたしはエドムに手を伸ばし、そこから人も獣も断ち滅ぼし、そこを廃墟にする。
テマンからデダンに至るまで人々は剣で倒される。
25:14 わたしは、わたしの民イスラエルの手によってエドムに復讐する。
わたしの怒りと憤りのままに彼らがエドムに事を行うとき、エドムは、わたしが復讐するということを知る。
──神である主の御告げ──
ここもエドムが完璧に崩壊するという預言です。
イスラエルが攻めてエドムが敗北します。
人間も動物も完璧に死に絶え、完全な破壊によって平和が実現するようになります。
どうしてこれほど完璧にエドムが崩壊するのでしょうか。
エドム(兄エサウの子孫)はイスラエル(弟ヤコブの子孫)とは双子の兄弟の子孫です。
血縁関係が近いので裁きも厳しいのです。
千年王国においてエドムと呼ばれる国はなくなります。
ヨルダン南部とイスラエルの間の平和は全面的破壊によりおとずれます。
b. モアブ:
ヨルダン中央部
Moab: Central Jordon
③回心
エレミヤ48章
エレ 48:1 モアブについて。イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。
「ああ、悲しいかな、ネボ。これは荒らされた。
キルヤタイムもはずかしめられ、攻め取られた。
そのとりでは、はずかしめられて
打ちのめされた。
48:2 もはやモアブの栄誉はない。
ヘシュボンでは、これに悪事をたくらんでいる。
『行って、あの国民を断ち滅ぼして
無き者にしよう。』
マデメンよ。おまえも黙る。
剣がおまえのあとを追っている。」
48:3 聞け。ホロナイムからの悲鳴。
「破壊だ。大破滅だ」と。
48:4 モアブは打ち破られた。
その叫びはツォアルまで聞こえた。
48:5 ルヒテの坂を泣きながら嘆きが上る。
敵はホロナイムの下り坂では、
いたいたしい破滅の叫びを聞いた。
48:6 逃げて、おまえたちのいのちを救え。
荒野の中の野ろばのようになれ。
48:7 おまえは自分の作った物や
財宝に拠り頼んだので、
おまえまで捕らえられ、
ケモシュはその祭司や首長たちとともに、
捕囚となって出て行く。
48:8 荒らす者がすべての町に入って来る。
一つの町ものがれることができない。
谷は滅びうせ、平地は根絶やしにされる。
【主】が仰せられるからだ。
48:9 モアブに翼を与えて、飛び去らせよ。
その町々は住む者もなくて荒れ果てる。
48:10 【主】のみわざをおろそかにする者は、のろわれよ。その剣をとどめて血を流さないようにする者は、のろわれよ。
48:11 モアブは若い時から安らかであった。
彼はぶどう酒のかすの上にじっとたまっていて、
器から器へあけられたこともなく、
捕囚として連れて行かれたこともなかった。
それゆえ、その味はそのまま残り、
かおりも変わらなかった。
48:12 「それゆえ、見よ、その日が来る。──【主】の御告げ──その日、わたしは、彼に酒蔵の番人を送る。彼らはそれを器から移し、その器をあけ、そのつぼを砕く。
48:13 モアブは、ケモシュのために恥を見る。イスラエルの家が、彼らの拠り頼むベテルのために恥を見たように。」
48:14 どうして、あなたがたは「われわれは勇士、戦いの豪の者」と言えようか。
48:15 モアブは荒らされ、その町々は襲われて、
えり抜きの若者たちも、ほふり場に下って行く。
──その名を万軍の【主】という王の御告げ──
48:16 モアブの災難は近づいた。
そのわざわいは、すみやかに来る。
48:17 その回りの者、その名を知る者はみな、
これのために嘆け。
「どうして力ある杖、美しい笏が砕かれたのか」
と言え。
48:18 ディボンに住む娘よ。
栄光の座からおりて、潤いのない地にすわれ。
モアブを荒らす者が、あなたを襲い、
あなたの要塞を滅ぼしたからだ。
48:19 アロエルに住む女よ。
道のかたわらに立って見張れ。
逃げて来る男、のがれて来る女に尋ねて、
「何が起こったのか」と言え。
48:20 モアブは打ちのめされて、はずかしめられた。
泣きわめき、叫べ。
アルノンで、「モアブは荒らされた」と告げよ。
48:21 さばきは次の平地に来た。ホロン、ヤハツ、メファアテ、
48:22 ディボン、ネボ、ベテ・ディブラタイム、
48:23 キルヤタイム、ベテ・ガムル、ベテ・メオン、
48:24 ケリヨテ、ボツラ、モアブの国の遠近のすべての町々に。
48:25 「モアブの角は切り落とされ、
その腕は砕かれた。──【主】の御告げ──」
48:26 彼を酔わせよ。【主】に対して高ぶったからだ。モアブは、へどを吐き散らし、彼もまた物笑いとなる
48:27 イスラエルは、あなたの物笑いではなかったのか。それとも、あなたが彼のことを語るたびごとに彼に向かって頭を振っていたのは、彼が見つけられた盗人のひとりであったためか。
48:28 モアブの住民よ。
町を見捨てて岩間に住め。
穴の入口のそばに巣を作る鳩のようになれ。
48:29 私たちはモアブの高ぶりを聞いた。
実に高慢だ。
その高慢、その高ぶり、
その誇り、その心の高ぶりを。
48:30 「わたしは、彼の高ぶりを知っている。──【主】の御告げ──その自慢話は正しくない。その行いも正しくない。」
48:31 それゆえ、モアブのために私は泣きわめき、モアブ全体のために私は叫ぶ。キル・ヘレスの人々のために嘆く。
48:32 シブマのぶどうの木よ。
ヤゼルの涙にまさって、私はおまえのために泣く。
おまえのつるは伸びて海を越えた。
ヤゼルの海に達した。
おまえの夏のくだものとぶどうの取り入れを、
荒らす者が襲った。
48:33 「モアブの果樹園とその国から、
喜びと楽しみは取り去られ、私は酒ぶねから酒を絶やした。
喜びの声をあげてぶどうを踏む者もなく、
ぶどう踏みの喜びの声は、
もう喜びの声ではない。」
48:34 ヘシュボンが叫んだため、その声はエルアレとヤハツまで、ツォアルからホロナイムやエグラテ・シェリシヤまで届いた。ニムリムの水さえ、荒廃した地となるからだ。
48:35 「またわたしは、モアブの、──【主】の御告げ──高き所でいけにえをささげ、その神々に香をたく者を取り除く。」
48:36 それゆえ、私の心はモアブのために笛のように鳴り、私の心はキル・ヘレスの人々のために笛のように鳴る。彼らの得た富も消えうせたからだ。
48:37 彼らは頭の毛をみなそり、ひげもみな切り取り、手にもみな傷をつけ、腰に荒布を着けているからだ。
48:38 モアブのすべての屋根の上や、広場には、ただ嘆きだけがある。
「わたしがモアブを、だれにも喜ばれない器のように、砕いたからだ。──【主】の御告げ──」
48:39 どうしてこうも打ちのめされて、泣きわめくのか。どうして、モアブは恥を見、背を見せたのか。モアブは、その回りのすべての者の物笑いとなり、恐れとなってしまった。
48:40 まことに、【主】はこう仰せられる。「見よ。彼は鷲のように飛びかかり、モアブに向かって翼を広げる。
48:41 町々は攻め取られ、要害は取られる。
その日、モアブの勇士の心も、
産みの苦しみをする女の心のようになる。
48:42 モアブは滅ぼされて、民でなくなった。
【主】に対して高ぶったからだ。
48:43 モアブの住民よ。恐れと穴とわなとが、
あなたを襲う。──【主】の御告げ──
48:44 その恐れから逃げた者は、穴に落ち、
穴から上る者は、わなに捕らえられる。
わたしがモアブに、
彼らの刑罰の年を来させるからだ。
──【主】の御告げ──
48:45 ヘシュボンの陰には、
のがれる者たちが力尽きて立ち止まる。
火がヘシュボンから、炎がシホンのうちから出て、
モアブのこめかみと、
騒がしい子らの頭の頂を焼いた。
48:46 ああ。モアブ。
ケモシュの民は滅びた。
あなたの息子はとりこにされ、
娘は捕虜になって連れ去られた。
モアブの崩壊が預言されています。
48:47 しかし終わりの日に、
わたしはモアブの繁栄を元どおりにする。
──【主】の御告げ──」
ここまではモアブへのさばきである。
全的崩壊ではなく一部だけです。
生き延びた者たちが悔い改め、モアブの残れる者たちが戻ってくると預言されています。
千年王国においてモアブと呼ばれる国は存在します。
ヨルダン中央部とイスラエルの間の平和は部分的破壊に続く回心によりおとずれます。
c. アモン:
ヨルダン北部
Ammon: Northern Jordan
③回心
回心をとおしてイスラエルとの平和に到達する人たちです。
エレミヤ49:1〜5
エレ 49:1 アモン人について。【主】はこう仰せられる。
「イスラエルには子がないのか。
世継ぎがないのか。
なぜ、彼らの王がガドを所有し、
その民が町々に住んだのか。
49:2 それゆえ、見よ、その日が来る。
──【主】の御告げ──
その日、わたしは、アモン人のラバに
戦いの雄たけびを聞かせる。
そこは荒れ果てた廃墟となり、
その娘たちは火で焼かれる。
イスラエルがその跡を継ぐ」と
【主】は仰せられる。
49:3 「ヘシュボンよ。泣きわめけ。
アイが荒らされたから。
ラバの娘たちよ。叫べ。荒布をまとえ。
嘆いて囲い場の中を走り回れ。
彼らの王が、その祭司や首長たちとともに、
捕囚として連れて行かれるからだ。
49:4 裏切り娘よ。
あなたの谷には水が流れているからといって、
なぜ、その多くの谷を誇るのか。
あなたは自分の財宝に拠り頼んで、言う。
『だれが、私のところに来よう。』
49:5 見よ。わたしは四方からあなたに
恐怖をもたらす。──万軍の神、主の御告げ──
あなたがたはみな、散らされて、
逃げる者を集める者もいない。
アモン人は部分的崩壊を経験し、その地はイスラエルのものとなります。
エレ 49:6 そうして後、
わたしはアモン人の繁栄を元どおりにする。
──【主】の御告げ──」
千年王国においてアモンと呼ばれる国は存在します。
ヨルダン北部とイスラエルの間の平和は部分的破壊に続く回心によりおとずれます。
まとめ
b .モアブ(ヨルダン中央部)と
c.アモン(ヨルダン北部)も
イスラエルとは血縁関係にあります。
しかしa.エドム(ヨルダン南部)
ほど血縁関係が近いわけではありません。
b.モアブとc.アモンはアブラハムの甥ロトからでた民族です。
創 11:27 これはテラの歴史である。
テラはアブラム、ナホル、ハランを生み、ハランはロトを生んだ。
創 19:36 こうして、ロトのふたりの娘は、父によってみごもった。
19:37 姉は男の子を産んで、その子をモアブと名づけた。
彼は今日のモアブ人の先祖である。
19:38 妹もまた、男の子を産んで、その子をベン・アミと名づけた。
彼は今日のアモン人の先祖である。
ですから、b.モアブとc.アモンはa.エドムの場合よりも責任が軽いとみなされます。
千年王国レジュメ(18)2018年6/2
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