天使論、サタン論、悪霊論レジュメ
(34)改め
悪霊論(11)2023年10/28
悪霊調査員にならないように
オカルトは試してみるのも、見るだけでも、悪霊支配につながり危険
2010年フルクテンバウム博士セミナー『天使論、サタン論、悪霊論』(テキスト) を学んでいます。
ご購入はこちらから(CD8枚組)(MP3版)(テキストのみ)
(DVD8枚組は販売終了)
フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下
青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句です。
(但し、ここでは口語訳聖書 旧約聖書1955年改訳 新約聖書1954年改訳 日本聖書協会 を使用しています)
「新改訳3」とは聖書 新改訳 ©1970,1978,2003 新日本聖書刊行会
「新改訳2017」とは聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 からの引用です。
紫色の聖句はセミナーでは言及されなかったがテキストにある参考聖句
(英語訳は基本American Standard Version ASVです。)
黒色の文章がセミナーの説明文
緑色の文章はHP編者による補足説明
茶色の文章はDr.Arnold G. Fruchtenbaum 『A Messianic Bible Study from Ariel Ministries』
MBS082 Demonology : The Doctrine of Demons からの補足説明です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
紙の聖書「新改訳2017」はこちらをどうぞ
ハマスの息子について
FOX NEWSインタビュー Son of Hamas leaders breaks silence: They must be stopped
モサブ・ハッサン・ユーセフ(イスラム原理主義組織「ハマス」創設者の息子)/クリスチャンコモンズ
「深い傷をいやす言葉」
「葛藤の末に見つけたもの」
「本当に求めていたもの」
書籍『ハマスの息子』モサブ・ハッサン・ユーセフ 幻冬舎(在庫切れ)
悪霊論
イントロダクション
Ⅰ.悪霊の存在
Ⅱ.悪霊の呼び名
Ⅲ.悪霊の人格
Ⅳ.悪霊の起源
Ⅴ.悪霊の数
Ⅵ.悪霊の組織
Ⅶ.悪霊の特徴
Ⅷ.悪霊の活動
Ⅸ.悪霊の支配
Ⅹ.悪霊と信者
Ⅺ.悪霊の将来の活動
Ⅻ.悪霊の運命
Ⅸ.悪霊の支配
DEMONIC CONTROL
セミナーテキスト17ページ(67/75)
B.悪霊の支配の兆候
The Symptoms of Demonic Control
悪霊の支配にある人がどういう兆候を見せるのか
兆候があるだけでその人が悪霊の支配にあるという意味ではない
兆候がいくつもあり総合すると悪霊の支配の可能性があるなあというバランスのとれた見方をする必要がある
今日悪霊の活動はないという極端な主張と、全てについて悪霊のせいにするという両極端は避けるべきである。
悪霊の支配の兆候は13ある。
1.肉体的な病気
Physical Disease
マタイ9:32~33
マタ 9:32 彼らが出て行くと、人々は悪霊につかれて口のきけない人をイエスのところに連れてきた。
9:33 すると、悪霊は追い出されて、口のきけない人が物を言うようになった。
群衆は驚いて、
「このようなことがイスラエルの中で見られたことは、これまで一度もなかった」
と言った。
しかし使徒5:16は全ての肉体的病気が悪霊によるものなわけではないと言っている
使 5:16 またエルサレム附近の町々からも、大ぜいの人が、病人や汚れた霊に苦しめられている人たちを引き連れて、集まってきたが、その全部の者が、ひとり残らずいやされた。
悪霊に支配された人と、悪霊からでなく肉体的な病気に苦しめられる人を区別している。
ほとんどの場合肉体的な病気は悪霊の支配の兆候ではない
よって悪霊による病気なのか別の原因によるものなのかを区別して考える必要がある
2.精神的な錯乱
Mental Derangement
マタイ17:15
マタ 17:15 「主よ、わたしの子をあわれんでください。
てんかんで苦しんでおります。
何度も何度も火の中や水の中に倒れるのです。
しかしダニエル4章(聖句は最後に)にあるようにすべての精神的な錯乱が悪霊によるものなわけではないのは明らか
3.強いうつ状態
Deep Depression
その人のそばに行くと黒雲が漂っているような感じを直接感じることができる位の強いうつ状態。
多くの人がうつの期間を経験する。
仕事や試験での失敗からのうつ、自分自身からのことは悪霊によるうつではない。
しかし、歩いて部屋に入ってただちにうつの暗闇を感じるなら、それは悪霊によるうつの兆候である。
4.自責の念
Self-Reproach
悪霊は人に、尊敬される価値がないと嘘をつくのを好む。
5.自殺願望
Suicide
時に悪霊は自分たちが住んでいる個人を殺そうとする。
自殺傾向のある人は悪霊に支配されているかもしれないが、それ自体は証拠ではない。
6.受動的な姿勢
Passivity
何に対しても受動的な姿勢をとる
自分の周りで起きているあらゆることに影響されないように見える人は悪霊に支配されているかもしれない。
セミナーテキスト18ページ
7.不道徳
Immorality
悪霊は「汚れた」霊である。
汚れという特徴によって、彼らは支配する者を汚れた行為に導く。
8.苦々しさ
Bitterness
全てのことやすべての人、神、世などに対する変わらぬ苦々しさの態度は、悪霊の支配の兆候となり得る。
9.薬物中毒
Drug Abuse
目を開けていても何も見えていない。
薬物中毒は受動的態度が特徴であり、それも悪霊の支配の兆候となり得る。
10.霊能者のような力
Psychic Power
悪霊の問題を持っていた少女の場合、いつも何かを先に知っていたようだった。
ドアベルが鳴ったとすると彼女はいつもそれが誰だかわかった。
11.動物のような傾向性
Animal-Like Tendencies
私の奉仕の中では実際に悪霊の追い出しの実例が2回しかない
一人の女性はチキン一匹を食べるのにすごく速い
1分位で全部食べちゃう
強い動物が弱い獲物にとびかかるような雰囲気だった
12.聖書を読むと、落ち着きをなくす。
Restlessness During Bible Reading
だからといって悪霊に内側からコントロールされているとすぐに判断してはダメ
そうしないとこの(セミナー参加者の)うちの半分は悪霊に…冗談
悪霊に内側からコントロールされていると聖書朗読やメッセージを聞く時に非常に落ち着きをなくす
悪霊たちは神のみことばを聞くのは楽しくない。
それは彼らを追い払おうとし興奮させるものである。
もし人が聖書を開く前にはまったく静かであるようなのに、聖書を読みだすと非常に興奮し始めるのであれば、これも悪霊の兆候であり得る。
13.多重人格
Multiple Personalities
悪霊は他者の特徴を捉える方法を持っている。
或る時に一人の悪霊が話し、別の時に別の悪霊が話すので、人格が突然変わるのである。
1つ2つ3つ位の兆候があるからといってその人が悪霊に支配されていると言ってはならない
これらの兆候を持っているかもしれないと人を悪霊化していると仮定する「悪霊調査員」にならないように注意すべきである。
もっと深いものがある
他にもその兆候のように見えるものの原因になっているものがある
同じ兆候でも別の理由のこともある。
これらの兆候が多数あるいはすべてある時に初めて、ある人に悪霊がいると結論できるのである。
マルコ5章を開いてこの兆候が複数でたくさん現れているケースを見てみよう
マルコ5:1~20
マル 5:1 こうして彼らは海の向こう岸、ゲラサ人の地に着いた。
5:2 それから、イエスが舟からあがられるとすぐに、けがれた霊につかれた人が墓場から出てきて、イエスに出会った。
5:3 この人は墓場をすみかとしており、もはやだれも、鎖でさえも彼をつなぎとめて置けなかった。
5:4 彼はたびたび足かせや鎖でつながれたが、鎖を引きちぎり、足かせを砕くので、だれも彼を押えつけることができなかったからである。
5:5 そして、夜昼たえまなく墓場や山で叫びつづけて、石で自分のからだを傷つけていた。
5:6 ところが、この人がイエスを遠くから見て、走り寄って拝し、5:7 大声で叫んで言った、
「いと高き神の子イエスよ、あなたはわたしとなんの係わりがあるのです。
神に誓ってお願いします。
どうぞ、わたしを苦しめないでください」。
5:8 それは、イエスが、
「けがれた霊よ、この人から出て行け」
と言われたからである。
5:9 また彼に、
「なんという名前か」
と尋ねられると、
「レギオンと言います。
大ぜいなのですから」
と答えた。
5:10 そして、自分たちをこの土地から追い出さないようにと、しきりに願いつづけた。
5:11 さて、そこの山の中腹に、豚の大群が飼ってあった。
5:12 霊はイエスに願って言った、
「わたしどもを、豚にはいらせてください。
その中へ送ってください」。
5:13 イエスがお許しになったので、けがれた霊どもは出て行って、豚の中へはいり込んだ。
すると、その群れは二千匹ばかりであったが、がけから海へなだれを打って駆け下り、海の中でおぼれ死んでしまった。
5:14 豚を飼う者たちが逃げ出して、町や村にふれまわったので、人々は何事が起ったのかと見にきた。
5:15 そして、イエスのところにきて、悪霊につかれた人が着物を着て、正気になってすわっており、それがレギオンを宿していた者であるのを見て、恐れた。
5:16 また、それを見た人たちは、悪霊につかれた人の身に起った事と豚のこととを、彼らに話して聞かせた。
5:17 そこで、人々はイエスに、この地方から出て行っていただきたいと、頼みはじめた。
5:18 イエスが舟に乗ろうとされると、悪霊につかれていた人がお供をしたいと願い出た。
5:19 しかし、イエスはお許しにならないで、彼に言われた、
「あなたの家族のもとに帰って、主がどんなに大きなことをしてくださったか、またどんなにあわれんでくださったか、それを知らせなさい」。
5:20 そこで、彼は立ち去り、そして自分にイエスがしてくださったことを、ことごとくデカポリスの地方に言いひろめ出したので、人々はみな驚き怪しんだ。
悪霊の支配の状況を最も詳しく解説している箇所
ここには8つの要因が表現されている
①2節 汚れた霊につかれた人
悪霊が内に住んでいたということ
②3節4節 異常な肉体的力を持っている
③5節 怒りに満ちている
④6節~7節 多重人格
⑤7節 霊的な事への反発
⑥7節 過剰に敏感で感覚が鋭い
⑦9節 声の変化
⑧13節 オカルト的な悪霊の移動が行われている
その男が1~2の兆候を持っていたからではなく、多数の兆候を持っていたことが、彼には悪霊がいたことを確実にした。
再度警告の言葉
福音書の時代は悪霊が特に活発に働いた時代
今はあの福音書の時代ほどに顕著に悪霊の働きが見受けられるわけではない
C.悪霊の支配の原因
The Causes of Demonic Control
何でしょう
「何がある人々に悪霊が内住するようにさせるのか?」
悪霊の要素が描かれる様々な章句から、4つのあり得る原因を推論することができる。
(1.両親から受け継いだ。)
(Inheritance)
セミナーテキスト18頁C.1.訂正
モーセの律法の時代
出エジプト34:6~7
この2行は削除してください
神が三代、四代に報いた特別な罪とは、特に他の神々と偶像への礼拝であった。
偶像礼拝の背後には、悪霊礼拝の様相がある。
あらゆるオカルトの形態は、本質的には偶像礼拝の形態である。
それは真の神よりも他の神への尊敬を含んでいるからである。
これはモーセの律法が生きていた時代に契約の民イスラエルに適用される教えで
今の私たちに適用されるものではない
モーセの律法はイスラエルに関してだけ当てはまるものであり、異邦人や今日の教会には適用されない。
さらに人が一度主を受け入れ新生したならば、罪のあらゆる束縛は直ちに断ち切られ、人はかつての世代間の罪を断ち切りながら歩き回る必要はない。
私たちが新生する時、私たちは完全に救われており、それはあらゆる世代的罪からの救いも含んでいるのである。
信者の生活における罪を扱う適切な方法は、ローマ6章のようで、私たちは信じた途端自分の罪の性質と古い人がメシアとともに十字架につけられ、罪への束縛が断ち切られたことを認識しなければならない。
いまや私たちは自分のからだが罪の道具として使われないことを決断すべきである。
これが新約聖書の型であり私たちが従うべきものである。
セミナーテキスト19ページ
2.試してみた結果、支配される。
Experimentation
オカルト的なことを試してみた結果支配されるようになることがある
一コリ 10:14 それだから、愛する者たちよ。偶像礼拝を避けなさい。
10:15 賢明なあなたがたに訴える。
わたしの言うことを、自ら判断してみるがよい。
10:16 わたしたちが祝福する祝福の杯、それはキリストの血にあずかることではないか。
わたしたちがさくパン、それはキリストのからだにあずかることではないか。
10:17 パンが一つであるから、わたしたちは多くいても、一つのからだなのである。
みんなの者が一つのパンを共にいただくからである。
10:18 肉によるイスラエルを見るがよい。
供え物を食べる人たちは、祭壇にあずかるのではないか。
10:19 すると、なんと言ったらよいか。
偶像にささげる供え物は、何か意味があるのか。
また、偶像は何かほんとうにあるものか。
10:20 そうではない。
人々が供える物は、悪霊ども、すなわち、神ならぬ者に供えるのである。
わたしは、あなたがたが悪霊の仲間になることを望まない。
10:21 主の杯と悪霊どもの杯とを、同時に飲むことはできない。
主の食卓と悪霊どもの食卓とに、同時にあずかることはできない。
10:22 それとも、わたしたちは主のねたみを起そうとするのか。
わたしたちは、主よりも強いのだろうか。
神はオカルト世界とのどんな接触も禁じていて、この禁止には厳格に従わなければならない。
人がオカルト世界のことを試し始めたら、もちろんそれ自体が悪霊の支配下にあり、それにより人々が悪霊の支配に陥る方法でもあるのだ。
3.影響を受けた。
Transference
マルコ5:13
マル 5:13 イエスがお許しになったので、けがれた霊どもは出て行って、豚の中へはいり込んだ。
すると、その群れは二千匹ばかりであったが、がけから海へなだれを打って駆け下り、海の中でおぼれ死んでしまった。
オカルト的なものに接触した為にその影響を受けたということがある
人がまったく直接にオカルトを行っていない時でさえ、単にそれを観察することによって触れたり或いはそれがおこなわれる時にいることで、悪霊が移入することがある。
この移入で悪霊の支配となる。
4.告白していない罪がある。
Unconfessed Sin
エペソ4:27
エペ 4:27 また、悪魔に機会を与えてはいけない。
告白していない罪がある場合に悪霊の影響を受けやすい
この章句で、信者は悪霊に上陸拠点を与えないように警告されている。
エペソ4:27の文脈は告白していない罪であり、これはある人が悪霊の支配に陥る手段は、告白していない罪によってであることを意味している。
天使論、サタン論、悪霊論(34)改め悪霊論(12)2023年11/18へ
悪霊論
Ⅸ.悪霊の支配 つづき
D.悪霊の支配かどうかのテスト
E.悪霊の支配からの解放
F.悪霊の追い出し
B.悪霊の支配の兆候 2.精神的な錯乱 聖句
ダニ 4:1 ネブカデネザル王は全世界に住む諸民、諸族、諸国語の者に告げる。
どうか、あなたがたに平安が増すように。
4:2 いと高き神はわたしにしるしと奇跡とを行われた。
わたしはこれを知らせたいと思う。
4:3 ああ、そのしるしの大いなること、
ああ、その奇跡のすばらしいこと、
その国は永遠の国、
その主権は世々に及ぶ。
4:4 われネブカデネザルはわが家に安らかにおり、わが宮にあって栄えていたが、4:5 わたしは一つの夢を見て、そのために恐れた。
すなわち床にあって、その事を思いめぐらし、わが脳中の幻のために心を悩ました。
4:6 そこでわたしは命令を下し、バビロンの知者をことごとくわが前に召し寄せて、その夢の解き明かしを示させようとした。
4:7 すると、博士、法術士、カルデヤびと、占い師たちがきたので、わたしはその夢を彼らに語ったが、彼らはその解き明かしを示すことができなかった。
4:8 最後にダニエルがわたしの前にきた、――彼の名はわが神の名にちなんで、ベルテシャザルととなえられ、彼のうちには聖なる神の霊がやどっていた――わたしは彼にその夢を語って言った、
4:9「博士の長ベルテシャザルよ、わたしは知っている。
聖なる神の霊があなたのうちにやどっているから、どんな秘密もあなたにはむずかしいことはない。
ここにわたしが見た夢がある。
その解き明かしをわたしに告げなさい。
4:10 わたしが床にあって見た脳中の幻はこれである。
わたしが見たのに、地の中央に一本の木があって、そのたけが高かったが、4:11 その木は成長して強くなり、天に達するほどの高さになって、地の果までも見えわたり、4:12 その葉は美しく、その実は豊かで、すべての者がその中から食物を獲、また野の獣はその陰にやどり、空の鳥はその枝にすみ、すべての肉なる者はこれによって養われた。
4:13 わたしが床にあって見た脳中の幻の中に、ひとりの警護者、ひとりの聖者の天から下るのを見たが、4:14 彼は声高く呼ばわって、こう言った、
『この木を切り倒し、その枝を切りはらい、その葉をゆり落し、その実を打ち散らし、獣をその下から逃げ去らせ、鳥をその枝から飛び去らせよ。
4:15 ただしその根の切り株を地に残し、それに鉄と青銅のなわをかけて、野の若草の中におき、天からくだる露にぬれさせ、また地の草の中で、獣と共にその分にあずからせよ。
4:16 またその心は変って人間の心のようでなく、獣の心が与えられて、七つの時を過ごさせよ。
4:17 この宣言は警護者たちの命令によるもの、この決定は聖者たちの言葉によるもので、いと高き者が、人間の国を治めて、自分の意のままにこれを人に与え、また人のうちの最も卑しい者を、その上に立てられるという事を、すべての者に知らせるためである』と。
4:18 われネブカデネザル王はこの夢を見た。
ベルテシャザルよ、あなたはその解き明かしをわたしに告げなさい。
わが国の知者たちは、いずれもその解き明かしを、わたしに示すことができなかったけれども、あなたにはそれができる。
あなたのうちには、聖なる神の霊がやどっているからだ」。
4:19 その時、その名をベルテシャザルととなえるダニエルは、しばらくのあいだ驚き、思い悩んだので、王は彼に告げて言った、
「ベルテシャザルよ、あなたはこの夢と、その解き明かしのために、悩むには及ばない」
ベルテシャザルは答えて言った、
「わが主よ、どうか、この夢は、あなたを憎む者にかかわるように。
この解き明かしは、あなたの敵に臨むように。
4:20 あなたが見られた木、すなわちその成長して強くなり、天に達するほどの高さになって、地の果までも見えわたり、4:21 その葉は美しく、その実は豊かで、すべての者がその中から食物を獲、また野の獣がその陰にやどり、空の鳥がその枝に住んだ木、4:22 王よ、それはすなわちあなたです。
あなたは成長して強くなり、天に達するほどに大きくなり、あなたの主権は地の果にまで及びました。
4:23 ところが、王はひとりの警護者、ひとりの聖者が、天から下って、こう言うのを見られました、
『この木を切り倒して、これを滅ぼせ。
ただしその根の切り株を地に残し、それに鉄と青銅のなわをかけて、野の若草の中におき、天からくだる露にぬれさせ、また野の獣と共にその分にあずからせて、七つの時を過ごさせよ』と。
4:24 王よ、その解き明かしはこうです。
すなわちこれはいと高き者の命令であって、わが主なる王に臨まんとするものです。
4:25 すなわちあなたは追われて世の人を離れ、野の獣と共におり、牛のように草を食い、天からくだる露にぬれるでしょう。
こうして七つの時が過ぎて、ついにあなたは、いと高き者が人間の国を治めて、自分の意のままに、これを人に与えられることを知るに至るでしょう。
4:26 また彼らはその木の根の切り株を残しおけと命じたので、あなたが、天はまことの支配者であるということを知った後、あなたの国はあなたに確保されるでしょう。
4:27 それゆえ王よ、あなたはわたしの勧告をいれ、義を行って罪を離れ、しえたげられる者をあわれんで、不義を離れなさい。
そうすれば、あるいはあなたの繁栄が、長く続くかもしれません」。
4:28 この事は皆ネブカデネザル王に臨んだ。
4:29 十二か月を経て後、王がバビロンの王
の屋上を歩いていたとき、4:30 王は自ら言った、
「この大いなるバビロンは、わたしの大いなる力をもって建てた王城であって、わが威光を輝かすものではないか」。
4:31 その言葉がなお王の口にあるうちに、天から声がくだって言った、
「ネブカデネザル王よ、あなたに告げる。
国はあなたを離れ去った。
4:32 あなたは、追われて世の人を離れ、野の獣と共におり、牛のように草を食い、こうして七つの時を経て、ついにあなたは、いと高き者が人間の国を治めて、自分の意のままに、これを人に与えられることを知るに至るだろう」。
4:33 この言葉は、ただちにネブカデネザルに成就した。
彼は追われて世の人を離れ、牛のように草を食い、その身は天からくだる露にぬれ、ついにその毛は、わしの羽のようになり、そのつめは鳥のつめのようになった。
4:34 こうしてその期間が満ちた後、われネブカデネザルは、目をあげて天を仰ぎ見ると、わたしの理性が自分に帰ったので、わたしはいと高き者をほめ、その永遠に生ける者をさんびし、かつあがめた。
その主権は永遠の主権
その国は世々かぎりなく、
4:35 地に住む民はすべて無き者のように思われ、
天の衆群にも、
地に住む民にも、
彼はその意のままに事を行われる。
だれも彼の手をおさえて
「あなたは何をするのか」
と言いうる者はない。
4:36 この時わたしの理性は自分に帰り、またわが国の光栄のために、わが尊厳と光輝とが、わたしに帰った。
わが大臣、わが貴族らもきて、わたしに求め、わたしは国の上に堅く立って、前にもまさって大いなる者となった。
4:37 そこでわれネブカデネザルは今、天の王をほめたたえ、かつあがめたてまつる。
そのみわざはことごとく真実で、その道は正しく、高ぶり歩む者を低くされる。