終末論のクライマックス レジュメ(9)2021年5/22
聖徒たちには啓示されていた反キリストが正体をあらわす
世界の政治体制は激変する
2015年フルクテンバウム博士セミナー『終末論のクライマックス』(テキスト) (チャート)を学んでいます。
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フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下、青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句です。
(但し、ここでは新改訳2017を使用しています)
紫色の聖句は2回目の聖句または参考聖句です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
緑色の文章はHP編者による補足説明です。
茶色の文章はDr.Arnold G. Fruchtenbaum 『Messianic Bible Study Series』
010 The Rise and Fall of the Antichrist からの補足説明です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
反キリストの興隆と滅亡
THE RISE AND FALL OF THE ANTICHRIST
はじめに
Ⅰ. 反キリストの呼び名
Ⅱ.反キリストの起源
Ⅲ.反キリストの啓示
Ⅳ.反キリストと大患難時代の始まり
Ⅴ.反キリストの興隆
Ⅵ.反キリストの死と復活
Ⅶ.荒らす憎むべきもの
Ⅷ.獣の刻印
Ⅸ.反キリストの滅亡
セミナーテキストの15ページ
Ⅴ.反キリストの興隆
THE RISE OF THE ANTICHRIST
反キリストの力の興隆は二つの聖句で描かれる
ダニエル書
①
ダニ8:23~25
ダニ 8:23 彼らの治世の終わりに、
その背く者たちが行き着くところに至ったとき、
横柄で策にたけた一人の王が立つ。
8:24 彼の力は強くなるが、
自分の力によるのではない。
彼は、驚くべき破壊を行って成功し、
有力者たちと聖なる民を滅ぼす。
8:25 狡猾さによってその手で欺きを成し遂げ、
心は高ぶり、平気で多くの人を滅ぼし、
君の君に向かって立ち上がる。
しかし、人の手によらずに彼は砕かれる。
反キリストの性質について幾つかの情報を得ることができます。
横柄で狡猾なひとりの王(新改訳3)
その顔は猛悪で、彼はなぞを解き、(口語訳)
a king of fierce countenance, and understanding dark sentences(ASV)
なぞを解く力に関して
ダニエル5:12
ダニ 5:12 王がベルテシャツァルと名づけたダニエルのうちに、夢を解き明かし、謎を解き、難問を解くすぐれた霊と知識と聡明さがあることが分かっていますので、今、ダニエルを召して、その解き明かしをさせましょう。」
ダニエル:壁に描かれた不思議な文字を読み解くというなぞを解く力は神さまからきていました。
情報源は神
反キリスト:にせのみ子であり、同じような力を持っていますが、その情報源はサタンです。
8:24 彼の力は強くなるが、
自分の力によるのではない。
彼は、驚くべき破壊を行って成功し、
有力者たちと聖なる民を滅ぼす。
彼:横柄で策にたけた一人の王、反キリスト
彼の力は超自然的な源から来るのですが、その力の源はサタンです。
成功し:狡猾さと欺きにより統治者を偽の安全を感じさせて安心させ、根こそぎにすることにひととき成功する
聖なる民:イスラエル民族
その力で特に彼はイスラエル民族を滅ぼそうとします。
8:25 狡猾さによってその手で欺きを成し遂げ、
心は高ぶり、平気で多くの人を滅ぼし、
君の君に向かって立ち上がる。
しかし、人の手によらずに彼は砕かれる。
彼は悪巧みと欺きをもった存在だと表現され
心は高ぶり:自分自身を神と宣言することに導く
君の君:メシア
まことの神、まことのメシアに向かって戦いを挑むと書かれています。
②
ダニ11:36~39
ダニ 11:36 この王は思いのままにふるまい、すべての神よりも自分を高く上げて大いなるものとし、神々の神に向かって驚くべきことを語る。
彼は栄えるが、ついには神の憤りで滅ぼし尽くされる。
定められていることがなされるからである。
11:37 彼は先祖の神々を心にかけず、女たちの慕うものも、どんな神々も心にかけない。
すべてにまさって自分を大いなるものとするからだ。
11:38 その代わりに彼は砦の神をあがめ、金、銀、宝石、宝物をもって、彼の先祖たちが知らなかった神をあがめる。
セミナーテキストの16ページ
11:39 彼は異国の神の助けによって城壁のある砦を取り、彼が認める者には栄誉を増し加え、多くのものを治めさせて、代価として国土を分け与える。
ここにも反キリストの性質の幾つかが表現されています。
ダニ 11:36 この王は思いのままにふるまい、
この王は自らの意志に従って行動を起こします。
すべての神よりも自分を高く上げて大いなるものとし、
非常に高慢ですね。すべての神よりも自分が高い、大いなるものであるとします。
自身を神格化する。
神々の神に向かって驚くべきことを語る。
まことの神に対しても傲慢な言葉を語ります。
ダニ 7:25 いと高き方に逆らうことばを吐き、
いと高き方の聖徒たちを悩ます。
彼は時と法則を変えようとする。
聖徒たちは、一時と二時と半時の間、
彼の手に委ねられる。
彼は栄えるが、ついには神の憤りで滅ぼし尽くされる。
定められていることがなされるからである。
11:37 彼は先祖の神々を心にかけず、女たちの慕うものも、どんな神々も心にかけない。
すべてにまさって自分を大いなるものとするからだ。
英語の聖書では婦人の愛を求めないという表現になっています。
Neither shall he regard the gods of his fathers, nor the desire of women, nor regard any god;(ASV)
反キリストはホモセクシャルではないかとここから時々言われるわけですが、それはほとんどあり得ないと思います。
地上の例)
ラバはラバを産むことができない
ラバが欲しければ馬とロバを交配させる必要がある
創世記6章で、悪霊どもが人間の娘と結婚してネフィリムという世代が産まれたと説明しました。
ネフィリムはネフィリムを産むことはできません。
反キリストはサタンとサタンの力により人間の女が産んだもので、いわばネフィリムのような性質を持ち、反キリストは反キリストを産むことはできません。
女の愛を求めないとは反キリストがそういう性質を持っていることを示していると解釈されます。
男にとって自然なものである女への愛を求めず、女を無視する非人間的な者となる。
女性へのサタンの敵意はサタンの子孫(反キリスト)をとおして働いている。
反キリストが神々や神に対して背きの言葉を語るとは、彼が無神論者だというのではありません。
彼は先祖たちがあがめたこともない神をあがめるようになると言うのです。
11:38 その代わりに彼は砦の神をあがめ、金、銀、宝石、宝物をもって、彼の先祖たちが知らなかった神をあがめる。
砦の神:サタン
反キリストが礼拝する相手とは悪魔、サタンです。
彼のポリシーは、力は正義
38,39節で反キリストは完全にサタンの支配下にはいる。
(悪魔崇拝というよりはにせの三位一体)
11:39 彼は異国の神の助けによって城壁のある砦を取り、彼が認める者には栄誉を増し加え、多くのものを治めさせて、代価として国土を分け与える。
反キリストがサタンを崇めるので
サタンは彼に征服者としての力を与え
彼はその力によって勝利者となっていきます。
反キリストは最強の防御を手にすることができ、完全に無敵に見える。
彼の権力に従う者たちは増え、彼は自分が征服した領土を忠誠を誓う者たちへ割譲し、彼を神と告白させる。
第二テサロニケ2:8~9にも同じことが書かれています。
Ⅱテサ 2:8 その時になると、不法の者が現れますが、主イエスは彼を御口の息をもって殺し、来臨の輝きをもって滅ぼされます。
2:9 不法の者は、サタンの働きによって到来し、あらゆる力、偽りのしるしと不思議、
反キリストはサタンによって力を受けると書かれています。
大患難時代に世界大戦が3度起こります。
1
最初の世界大戦
黙示録6:1~2
黙 6:1 また私は、子羊が七つの封印の一つを解くのを見た。
そして、四つの生き物の一つが、雷のような声で「来なさい」と言うのを聞いた。
6:2 私は見た。
すると見よ、白い馬がいた。
それに乗っている者は弓を持っていた。
彼は冠を与えられ、勝利の上にさらに勝利を得るために出て行った。
彼:反キリスト
その時に反キリストが力を蓄えますが、未だ世界を征服するほどにはなっていません。
第一の封印 6:1~2 反キリストの征服
第二の封印 6:3~4 大患難時代の第一次世界大戦
黙6:3 子羊が第二の封印を解いたとき、私は、第二の生き物が「来なさい」と言うのを聞いた。
6:4 すると別の、火のように赤い馬が出て来た。
それに乗っている者は、地から平和を奪い取ることが許された。
人々が互いに殺し合うようになるためである。
また、彼に大きな剣が与えられた。
A.政治的支配
Political Control
2
2番目の世界戦争が大患難期の中間に起こります。
ダニエル書11:40~45
ダニ 11:40 終わりの時に、南の王が彼と戦いを交える。
北の王は戦車、騎兵、および大船団を率いて南の王を襲撃し、国々に侵入し、洪水のように通り過ぎる。
11:41 彼は麗しい国に攻め入り、多くの者が倒れる。
しかし、エドムとモアブ、またアンモン人のおもだった人々は、彼の手から逃げる。
11:42 彼は国々に手を伸ばす。
エジプトの地もその手を免れることはない。
11:43 彼は金や銀の秘蔵物と、エジプトのすべての宝物を手に入れ、ルブ人とクシュ人が彼につき従う。
11:44 しかし、東と北からの知らせが彼をおびえさせる。
彼は多くのものを絶滅させようとして、激しく怒って戦いに出て行く。
11:45 彼は、海と聖なる麗しい山との間に、本営の天幕を張る。
しかし、だれも助ける者はなく、ついに彼は終わりを迎える。
この聖句については最後に再度
反キリストが遂に世界を征服する力を手に入れます。
3
3番目の世界戦争がハルマゲドンの戦いです。(大患難期最後)
次回以降未定
第四の帝国
4つの異邦人の帝国が起こり
第四の帝国が5つの段階を通過すると言いました。
ここには3、4、5の段階がでてきます。
・・・・・
第四の帝国の
第1段階:統一段階
ローマ帝国
第2段階:二分割段階
東西勢力均衡(今に至る)
第3段階:世界統一政府段階
世界統一政府(将来、患難期前)
第4段階:十分割段階
10の国(患難期前から中間期まで)
第5段階:反キリスト段階
絶対主義的帝国(患難期後半)
・・・・・
第3段階:世界統一政府段階
ダニエル書7:23~24
ダニ 7:23 彼はこう言った。
『第四の獣は地に起こる第四の国。
第四の帝国
これは、ほかのすべての国と異なり、
第1段階(ローマ帝国)
全土を食い尽くし、
これを踏みつけ、かみ砕く。
第3段階(世界統一政府)
第四の異邦人の帝国が世界を支配し、統一政府を樹立するということです。
これは将来起こる、何らかの形の統一政府を意味しています。
未だ起こっていません。
或る人は、これは既に起こっている、何故ならばローマは当時知られていた世界を征服したからだと言います。
ギリシャ帝国:インドのインダス川流域まで
ローマ帝国はそれほど東までには到達していない
ペルシャ帝国:中東に起こる
そこもローマは征服していない
ローマは今の英国を征服したが、スコットランドまでは行っていない
ハドリアヌスの長城 Hadrian’s Wall :現スコットランド人たちは常にローマを攻撃していた
ですから当時知られている世界を全てローマが支配したというのは、歴史上正確な発言ではありません。
しかし、ここで論じられている第四の異邦人の帝国は将来の或る時点で世界を征服し統一政府を樹立するようになります。
統一政府の樹立も崩壊も
共に大患難時代の前に起こる
第4段階:十分割段階
ダニ 7:24 十本の角は、この国から立つ十人の王。
第4段階:十分割段階
彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。
彼は先の者たちと異なり、
三人の王を打ち倒す。
第5段階:反キリスト段階
次の段階が表現されます。
この第四の帝国は次の段階で統一政府が崩壊し、10の帝国に分裂します。
この10の帝国はヨーロッパだけでなく、全世界に広がる10の帝国です。
これはいわば北アメリカが第1の帝国、南アメリカが第2、ヨーロッパが第3、アジアが第4というような形で・・・世界が10の帝国に分割されるわけです。
(2021年現在はそれとは異なるイメージが湧きます)
世界統一政府は
10人の王によって支配される10の王国に分割する
10の帝国に分裂する状態は
患難時代が始まる前にスタートし
中間期まで続く
大患難時代の前半3年半では
10の帝国プラスイスラエルが
地上に存在する
第5段階:反キリスト段階
十人の王たちが支配していましたが
次の段階になると異なった人物が登場します。
大患難時代の中間期に反キリストが力を得
10人の王たちに戦いを挑みます。
反キリストはその10人の中の3人を殺し
残りの7人を自分に従えさせるように動きます。
ダニ11:40 終わりの時に、南の王が彼と戦いを交える。
北の王は戦車、騎兵、および大船団を率いて南の王を襲撃し、国々に侵入し、洪水のように通り過ぎる。
11:41 彼は麗しい国に攻め入り、多くの者が倒れる。
しかし、エドムとモアブ、またアンモン人のおもだった人々は、彼の手から逃げる。
11:42 彼は国々に手を伸ばす。
エジプトの地もその手を免れることはない。
11:43 彼は金や銀の秘蔵物と、エジプトのすべての宝物を手に入れ、ルブ人とクシュ人が彼につき従う。
11:44 しかし、東と北からの知らせが彼をおびえさせる。
彼は多くのものを絶滅させようとして、激しく怒って戦いに出て行く。
11:45 彼は、海と聖なる麗しい山との間に、本営の天幕を張る。
しかし、だれも助ける者はなく、ついに彼は終わりを迎える。
3人の王を殺すというのはどの王なのかがわかります。
40節
南の王:南の王とは聖書ではエジプト
北の王:ダニエル書で北の王というと必ずシリア
44節
東:聖書で東というとメソポタミア
この3人の王が殺され
残りの7人が反キリストの権威に服するようになった時に反キリストを中心とした統一国が誕生します。
その段階でにせの王の王、主の主が誕生するのです。
それが反キリストのことです。
黙 17:17 それは、神のことばが成る時まで、神はみこころが実現するように王たちの心を動かし、彼らが一つ思いとなって、自分たちの支配権を獣に委ねるようにされたからです。
7人の王たちが反キリストの権威に従うことで
反キリストは最高の政治的支配を得
ヨルダンを除いた世界統一体の支配者になる
これが患難期の第二の政治的システム
中川健一牧師著『終末論Q&A』(書籍のみ)(CD12枚組書籍付き)(電子書籍)も是非どうぞ。
08 世界統一政府は、どのようにしてできるのか
09 10の王国の出現は、いつ起こるのか
27 反キリストは死んで復活するのか
終末論のクライマックス(10)2021年6/5へ
反キリストの興隆と滅亡
Ⅴ.反キリストの興隆
B.宗教的支配
Ⅵ.反キリストの死と復活