終末論のクライマックス レジュメ(8)2021年5/8
患難期へ入るきっかけとなる7年の契約が結ばれる為に必要な大前提2つのうち1つは既に成就している
時計は六十九週で止まり、十字架以降2千年経っている
2015年フルクテンバウム博士セミナー『終末論のクライマックス』(テキスト) (チャート)を学んでいます。
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フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下、青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句です。
(但し、ここでは新改訳2017を使用しています)
紫色の聖句は2回目の聖句または参考聖句です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
緑色の文章はHP編者による補足説明です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
反キリストの興隆と滅亡
THE RISE AND FALL OF THE ANTICHRIST
はじめに
Ⅰ. 反キリストの呼び名
Ⅱ.反キリストの起源
Ⅲ.反キリストの啓示
Ⅳ.反キリストと大患難時代の始まり
Ⅴ.反キリストの興隆
Ⅵ.反キリストの死と復活
Ⅶ.荒らす憎むべきもの
Ⅷ.獣の刻印
Ⅸ.反キリストの滅亡
セミナーテキストの14ページ
Ⅳ.反キリストと大患難時代の始まり
THE ANTICHRIST AND THE START OF THE TRIBULATION
24、25節
ダニ 9:24 あなた(ダニエル)の民(イスラエル人)とあなたの聖なる都(エルサレム)について、
七十週(490年)が定められている。
それは、背きをやめさせ、
罪を終わらせ、
咎の宥めを行い、
永遠の義をもたらし、
幻と預言を確証し、
至聖所に油注ぎを行うためである。
9:25 それゆえ、知れ。悟れ。
エルサレムを復興し、
再建せよとの命令が出てから、
油注がれた者、君主が来るまでが七週。
そして苦しみの期間である六十二週の間に、
広場と堀が造り直される。
27節
ダニ9:27
ダニ 9:27 彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、
半週の間、いけにえとささげ物をやめさせる。
忌まわしいものの翼の上に、荒らす者が現れる。
そしてついには、定められた破滅が、荒らす者の上に降りかかる。」(新改訳2017)
Dan 9:27 And he shall make a firm covenant with many for one week: and in the midst of the week he shall cause the sacrifice and the oblation to cease; and upon the wing of abominations shall come one that maketh desolate; and even unto the full end, and that determined, shall wrath be poured out upon the desolate.(ASV)
「七十週の預言」の最後の七十週目
最後の7年間が大患難時代の7年のことです。
問うべき質問
Q:この最後の7年、つまり大患難時代が始まる引き金を引く一つの出来事は何なのか?
A:それがダニエル9:27が教えている内容
彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、とあります。
彼 代名詞
彼が誰かはその前の26節をみなければなりません。
26節
ダニ9:26
ダニ 9:26 その六十二週の後、
油注がれた者は断たれ、彼には何も残らない。
次に来る君主の民が、都と聖所を破壊する。
その終わりには洪水が伴い、
戦いの終わりまで荒廃が定められている。
次に来る君主(新改訳2017)
やがて来たるべき君主(新改訳3)が彼です。
つまり、反キリストとイスラエルが7年の契約を結ぶという出来事が大患難時代の始まりになります。
その契約が結ばれるまでは大患難時代が始まることはないのです。
その契約が結ばれる前に必要な二つの出来事
①このような契約を結ぶためのイスラエルの代表である政府が誕生していなければならない
つまりイスラエル国が誕生しているということが第一の条件です。
それは1948年以降可能になりました。
②反キリストはこの時点で政治的に高い地位にあり権力を持っている
そうでなければイスラエルという国が反キリストと契約を結ぶことはないからです。
これは未だ起こっていません。
この契約は多くの者(イスラエル人)と結ばれている契約です。
全ての者ではないのです。
イスラエルには信者(イエスを信じるユダヤ人)がいて、この契約を受け入れない人たちがいるということです。
7年の中間にこの契約は破棄されます。
ダニ9:27b
半週の間(後半3年半)、いけにえとささげ物をやめさせる。
その結果、イスラエルの上に荒廃が起こります。
ダニエル書9章:
人間の視点から見た契約内容の描写
この契約は当初予定したほど長くは続かず、途中で破棄されます。
イザヤ書28章:
同じ契約に関して神の視点からどうなるかということを表現
14節
神さまはこの契約を結ぶ者をどう見ているかが書かれています。
イザ 28:14 それゆえ、嘲る者たちよ、【主】のことばを聞け。
エルサレムでこの民を治める者たちよ。
あざける者たち或いは物笑いの種にする者たち(新改訳3)と書かれています。
神の視点から見て、彼らが嘲る者と言われているわけです。
15節
イザ 28:15 あなたがたがこう言ったからだ。
「われわれは死と契約を結び、
よみと同盟を結んでいる。
たとえ、洪水が押し寄せても、
それはわれわれには届かない。
われわれは、まやかしを避け所とし、
偽りに身を隠してきたのだから。」
何故イスラエルの指導者たちが反キリストと契約を結ぶ必要があると考えたのかの理由が記されています。
聖書では旧新約ともに象徴的な言葉がよく使われます。
聖書の象徴的言葉がユニークなのは、その言葉が95%程度同じ意味を表現しているということです。
残りの5%が特定の象徴的言葉が別の意味で、一つ以上の意味をもって用いられます。
重要:旧新約通して同じ象徴的言葉が95%は同じ意味をもっている
例)
以下の言葉が象徴的に用いられた場合に指すもの
石:メシア
山:王、或いは王国、或いは権威
雲:神の栄光
星:堕落した天使も含めて天使たち
洪水:敵の軍事的侵略
洪水が押し寄せ(新改訳2017)
にわか水があふれ、(新改訳3)
これが象徴的に敵の侵入を指している言葉です。
「安全」がイスラエルの外交政策の中で最も重要な言葉です。
イスラエルは建国以来、国防の為に4回の大きな戦いを戦ってきました。
(独立戦争1948年、スエズ戦争1956、六日戦争1967、ヨム・キプール(贖罪日)戦争1973)
・・・もイスラエルの安全保障の為でした。
将来もそのような状況が起こるのですが、その時に敵の侵入を防ぐ唯一の希望は反キリストと同盟関係に入ることだとイスラエルの指導者たちは考えるようになるわけです。
よく誤解されていること:
ユダヤ人たちは反キリストをメシアだと信じるようになるというのですが
それは聖書のどこにも預言されていません。
(反キリストは異邦人ですからメシアではあり得ません)
イスラエルは、神を信頼するより反キリストが彼らに与えた守りの約束を信じて契約を結びました。
しかし神さまは、おまえたちがそう考えるのは実に愚かなことだ、と語っているのです。
これは天との契約ではなくて、地獄との契約である。よみとの同盟
いのちとの契約ではなく、死と契約を結んでいるのだ。
ダニエル9:27で学んだ内容がイザヤ28章のこの文脈で起こってきているわけです。
多くの者がその契約を結びますが、全員がその契約に参加しているわけではありません。
一つの石に信頼を置くユダヤ人とありますが、その石とはメシアです。
16節
イザ 28:16 それゆえ、【神】である主はこう言われる。
「見よ、わたしはシオンに
一つの石を礎として据える。
これは試みを経た石、
堅く据えられた礎の、尊い要石。
これに信頼する者は慌てふためくことがない。
17節
28:17 わたしは公正を測り縄とし、
義を重りとする。
雹はまやかしの避け所を一掃し、
水は隠れ家を押し流す。
ダニエル9:27ではこの契約は途中で結果的に破棄されるようになります。
ダニ 9:27 彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、
半週の間(3年間半)、いけにえとささげ物をやめさせる。
忌まわしいものの翼の上に、荒らす者が現れる。
そしてついには、定められた破滅が、荒らす者の上に降りかかる。」
イザヤ書28:18、19で同じことがおこっています。
18節
イザ 28:18 あなたがたの、死との契約は解消され、
よみとの同盟は成り立たない。
みなぎる天罰が押し寄せると、(にわか水があふれ、越えて来ると、(新改訳3))
あなたがたはそれに踏みにじられる。
ここで契約が途中で破棄されます。
19節
28:19 それは押し寄せるたびに、
あなたがたを捕らえる。
しかも朝ごとに押し寄せる。昼にも夜にも。
この知らせを悟るなら、ただ恐怖あるのみ。
その結果、軍事的に非常に苦境に立たされ、困難に遭遇するという預言です。
20節
イザ 28:20 まことに、寝床は身を伸ばすには短すぎ、
覆い(毛布(新改訳3))も身をくるむには狭すぎる。」
イスラエルは安全保障のために反キリストと契約を結んだのですが、その結果起こるのは安全ではなく不安、危険です。
この非常に居心地の悪い状態が二つの言葉で表現されています。
・身を伸ばそうとするのですが彼らが寝ているベッドは短すぎると言うのです。
・寒さを防ぐために毛布を身体にかけるのですが、その毛布が小さ過ぎて寒さから身を守ることができなくなると言うのです。
(・・・・・内はフルクテンバウム博士の体験談)
・・・・・
私の身長ですと最初の経験は一度もなく、いつでも寝床で身を伸ばせます。
5週間に渡るイスラエル旅行を長年してきました。
バスケットボールチームの選手が初期の頃聖地旅行に参加(サンアントニオ・スパーズ)去年、優勝
彼の身長は2m10㎝位
身を伸ばすとベッドが足りないので床に寝た、と
二つ目のこの毛布の問題はありました。
ヘブライ大学で学生だった頃1967年1月、六日戦争が起こる半年ほど前のこと
当時、現在のイスラエルの中心にヨルダンの国境が伸びてきていた
ネゲブ砂漠でフィールドワーク
昼間は暑く、夜とても寒い地方
ヨルダンの国境に近かったので、軍隊が駐留するキャンプに夜寝た
その毛布が小さ過ぎて
鼻を暖かくしようとすると足が冷え
足をあっためると鼻が冷えてくる
あのバカげた毛布が私の身体を全部カバーしてくれないので寝たら起きということを一晩中繰り返した
これは不愉快な経験ですが
・・・・・
20節は、安全でない、危険な状態を表現しているのです。
21節22節
イザ 28:21 実に、【主】は起き上がられる。
ペラツィムの山での時のように。
主は奮い立たれる。
ギブオンの谷での時のように。
みわざを行われるが、
そのみわざは不可思議。
働きをされるが、その働きは意外。
28:22 だから今、あなたがたは嘲ってはならない。
あなたがたを縛るかせが、
きつく締まることのないように。
私は万軍の【神】、主から、
全世界に下る定められた全滅について
聞いているのだ。
聖書は、大患難時代に関して異なった呼び方をしています。
二つ大患難時代を表す言葉がでてきます。
①
そのみわざは不可思議。(新改訳2017)
そのみわざは異なっている。(新改訳3)
his (Jehovah’s) strange work(ASV) 不思議なわざという言葉
その行いは類のないものである。(口語訳)
その御業は未知のもの。(新共同訳)
His awesome work,(NKJV)
his mysterious work.(TEV)
②
その働きは意外。(新改訳2017)
その働きは比類がない。(新改訳3)
his strange act.(ASV)
そのわざは異なったものである。(口語訳)
その働きは敵意あるもの。(新共同訳)
His unusual act.(NKJV)
神様の国民を滅ぼすという、常識では考えられないようなことをします。(リビングバイブル)
何故こういう言い方になるのか
22節の最後の言葉
神が全世界に下る定められた全滅(新改訳2017)
全世界に下る決定的な全滅(新改訳3)の言葉を発する故にそれはstrange work です。
つまり
地上でイスラエルが反キリストと契約を結んだ時に
天において神は決定的な全滅を宣告されているのです。
これは黙示録5章と6章にでてくる7つの封印のさばきと同じです。
その封印が解かれるに従って地上においては破壊的な出来事が次から次へと起こり、人々が殺戮されていきます。
大患難時代が進む中で3/4の地域が破壊され、人口もほぼそれと同じ位が死滅します。
そのような患難は
イスラエルが7年間の契約を反キリストと結んだところから始まります。
今回の内容は患難期前の出来事レジュメ(8)とダブります。
中川健一牧師著『終末論Q&A』(書籍のみ)(CD12枚組書籍付き)(電子書籍)も是非どうぞ。
06 ユダヤ人のエルサレム支配には、どういう意味があるのか
10 反キリストとは、どういう人物か
12 7年の契約が、なぜそんなに重要なのか
22 患難期は、いつ始まるのか
終末論のクライマックス(9)2021年5/22へ
反キリストの興隆と滅亡
Ⅴ.反キリストの興隆
A.政治的支配