八つの契約 レジュメ(12)2020年4/11
モーセ契約はイスラエルに対する契約
律法の全体性、祝福とのろい、血のあがないについて
2002年フルクテンバウム博士セミナー『聖書の八つの契約』(テキスト)を学んでいます。
ご購入はこちらから(CD9枚組)(MP3版)(テキストのみ)
フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。
以下、青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句です。
(但し、ここでは新改訳2017を載せています)
紫色の聖句は参考聖句です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
緑色の文章はHP編者による補足説明です。
茶色の文章はフルクテンバウム博士著『The Eight Covenants of the Bible』 からの補足説明です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。
Ⅰ.エデン契約-条件付き契約-人類全般と
Ⅱ.アダム契約-無条件契約 -人類全般と
Ⅲ.ノア契約-無条件契約 -人類全般と
Ⅳ.アブラハム契約-無条件契約-イスラエルと
Ⅴ.モーセ契約-条件付き契約 -イスラエルと
Ⅵ.パレスチナ契約-無条件契約-イスラエルと
Ⅶ.ダビデ契約-無条件契約 -イスラエルと
Ⅷ.新しい契約-無条件契約 -イスラエルと
Ⅴ.モーセ契約 1/6
THE MOSAIC COVENANT
アダムとエバに関してユダヤ人たちのディスカッション
ジョークのオチはここでは伏せさせていただきます。
・アダムとエバが何人(なにじん)だったかはよくわかりませんが、一つだけ言えることは中国人ではありません。
なぜなら( )
・アダムとエバの楽園追放後、エバが非常に疑り深い性質になったとユダヤ人は考えています。
エバは「自分が誘惑されたために罪を犯した。そのために神は自分を罰してアダムのために2番目の奥さんをつくるんじゃないか。」といつも心配していたそうです。
そこで( )
・或る日、アダムが仕事から疲れて帰ってくると、奥さんのイブがアダムに訊いたそうです。
「アダム、私のこと愛してる?」
アダムの応答は(「 」)
セミナーテキスト14ページ
Scripture
モーセ契約の聖書の範囲は非常に大きいです。
始まりが出エジプト記の20章
申命記の28章まで続きます。
出エジプト記の後半21章分
レビ記全部、民数記全部、申命記最初の28章
ですから、モーセ契約に関わる聖書の箇所は今日は読まないで先に進めたいと思いますが、皆さん異論はございませんね(笑)
(新改訳聖書2017で234頁分にもなります。)
*出エジプト記20:1~申命記28:68
A. モーセ契約に与る者
The Participants in the Covenant
モーセ契約に与る者は神とイスラエル
出エ19:3~8
出 19:3 モーセが神のみもとに上って行くと、【主】が山から彼を呼んで言われた。
「あなたは、こうヤコブの家に言い、イスラエルの子らに告げよ。
19:4 『あなたがたは、わたしがエジプトにしたこと、また、あなたがたを鷲の翼に乗せて、わたしのもとに連れて来たことを見た。
19:5 今、もしあなたがたが確かにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、あなたがたはあらゆる民族の中にあって、わたしの宝となる。
全世界はわたしのものであるから。
19:6 あなたがたは、わたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。』
これが、イスラエルの子らにあなたが語るべきことばである。」
19:7 モーセは行って、民の長老たちを呼び寄せ、【主】が命じられたこれらのことばをすべて、彼らの前に示した。
19:8 民はみな口をそろえて答えた。
「私たちは【主】の言われたことをすべて行います。」
それでモーセは民のことばを携えて【主】のもとに帰った。
モーセ契約に与る者がでてきます。
これ以降繰り返しくりかえし語られるのは
この契約はイスラエルに与えられたものであって
異邦人に与えられたものではない
あるいは新約時代の教会に与えられたものではないということです。
申命記4:7~8
申 4:7 まことに、私たちの神、【主】は私たちが呼び求めるとき、いつも近くにおられる。
このような神を持つ偉大な国民(くにたみ)がどこにあるだろうか。
4:8 また、今日私があなたがたの前に与えようとしている、このみおしえのすべてのように正しい掟と定めを持つ偉大な国民が、いったいどこにあるだろうか。
モーセ契約によって与えられるこのような素晴らしい掟、律法を持っている偉大な国民はイスラエルしかないと確認されています。
詩篇147:19、20
詩 147:19 主はヤコブにはみことばを
イスラエルにはおきてとさばきを告げられる。
147:20 主はどのような国々にも
このようにはなさらなかった。
さばきについて彼らは知らない。
ハレルヤ。
ここでも神さまは、この律法を与えられたのはイスラエルのみであり、他のどのような国々もその特権に与っていないと明確に宣言されています。
マラキ書4:4
マラ 4:4 あなたがたは、わたしのしもべモーセの律法を覚えよ。
それは、ホレブでイスラエル全体のために、わたしが彼に命じた掟と定めである。
これもイスラエルにのみ律法が与えられたと記してあります。
ですから繰り返しますが
モーセ契約:
イスラエルに与えられたものであり
異邦人あるいは新約の教会に与えられたものではない
モーセ契約の内容は
いわゆる「モーセの律法」と呼ばれているものです。
出エジプト24:1~11
出 24:1 主はモーセに言われた。
「あなたとアロン、ナダブとアビフ、それにイスラエルの長老七十人は、【主】のもとへ上って来て、遠く離れて伏し拝め。
24:2 モーセだけが【主】のもとに近づけ。
ほかの者は近づいてはならない。
民はモーセと一緒に上って来てはならない。」
24:3 モーセは来て、【主】のすべてのことばと、すべての定めをことごとく民に告げた。
すると、民はみな声を一つにして答えた。
「【主】の言われたことはすべて行います。」
24:4 モーセは【主】のすべてのことばを書き記した。
モーセは翌朝早く、山のふもとに祭壇を築き、また、イスラエルの十二部族にしたがって十二の石の柱を立てた。
24:5 それから彼はイスラエルの若者たちを遣わしたので、彼らは全焼のささげ物を献げ、また、交わりのいけにえとして雄牛を【主】に献げた。
24:6 モーセはその血の半分を取って鉢に入れ、残りの半分を祭壇に振りかけた。
24:7 そして契約の書を取り、民に読んで聞かせた。
彼らは言った。
「【主】の言われたことはすべて行います。聞き従います。」
24:8 モーセはその血を取って、 民に振りかけ、 そして言った。
「見よ。これは、これらすべてのことばに基づいて、【主】があなたがたと結ばれる契約の血である。 」
24:9 それからモーセとアロン、 ナダブとアビフ、 それにイスラエルの長老七十人は登って行った。
24:10 彼らはイスラエルの神を見た。
御足の下にはサファイアの敷石のようなものがあり、透き通っていて大空そのもののようであった。
24:11 神はイスラエルの子らのおもだった者たちに、手を下されなかった。
彼らは神ご自身を見て、 食べたり飲んだりした。
この契約がサインされます。
シャカイナグローリーthe Shechinah Glory、神の栄光のあらわれによってこの契約が締結されたということがわかります。
この契約は実は私たちが学んできた2種類の契約の中の条件付き契約にあたるものです。
セミナーテキスト14ページ
The Provisions of the Covenant
B. モーセ契約の中心的条項
1.The Totality of the Law
*モーセの律法は613の命令があると言われています。
モーセの律法と呼ばれるものの命令を一つひとつリストアップしていくと613になるという意味です。
今から613を言いますから、ノートに書いてください。
はい、1番目・・・(笑)
モーセの律法の内容
モーセの律法をよく十戒とイコールだと考える人がいますがそうではなく、モーセの律法と言う時は613全部を含んでいます。
よくクリスチャンたちがモーセの律法と言う時に頭の中には十戒しかないわけですが、613あるということを覚えてください。
613の中で
365
「~してはいけない」という否定的な命令
残りの248
「これをおこなうべきである」という積極的な戒め
2.The Blessings and Judgments of the Law
2番目に注目したいのは
これらは条件付き契約の規定ですから
*この規定に従うならば祝福を受け
不従順であるならば呪いを招くという規定
例)
出エジプト記15:26
出 15:26 そして言われた。
「もし、あなたの神、【主】の御声にあなたが確かに聞き従い、主の目にかなうことを行い、また、その命令に耳を傾け、その掟をことごとく守るなら、わたしがエジプトで下したような病気は何一つあなたの上に下さない。
わたしは【主】、あなたを癒やす者だからである。」
出エジプト記19:3~8
出 19:3 モーセが神のみもとに上って行くと、【主】が山から彼を呼んで言われた。
「あなたは、こうヤコブの家に言い、イスラエルの子らに告げよ。
9:4 『あなたがたは、わたしがエジプトにしたこと、また、あなたがたを鷲の翼に乗せて、わたしのもとに連れて来たことを見た。
19:5 今、もしあなたがたが確かにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、あなたがたはあらゆる民族の中にあって、わたしの宝となる。
全世界はわたしのものであるから。
19:6 あなたがたは、わたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。』
これが、イスラエルの子らにあなたが語るべきことばである。」
19:7 モーセは行って、民の長老たちを呼び寄せ、【主】が命じられたこれらのことばをすべて、彼らの前に示した。
19:8 民はみな口をそろえて答えた。
「私たちは【主】の言われたことをすべて行います。」
それでモーセは民のことばを携えて【主】のもとに帰った。
セミナーテキスト15ページ
C.契約の中心的要素
3.The Blood Sacrifice Added
3番目に注目したいのは
血を流す犠牲の捧げものが非常に強調されていることです。
モーセ契約あるいはモーセの律法には
この血の犠牲という考え方が最初から最後まで満ち満ちています。
そのベースになっている聖句が
レビ記17:11
レビ 17:11 実に、肉のいのちは血の中にある。
わたしは、祭壇の上であなたがたのたましいのために宥(なだ)めを行うよう、これをあなたがたに与えた。
いのちとして宥(なだ)めを行うのは血である。
Leviticus 17:11: For the life of the flesh is in the blood; and I have given it to you upon the altar to make atonement for your souls: for it is the blood that makes atonement by reason of the life.
レビ記1章~7章には5つの違ったささげ物が書かれてありますが、そのうちの4つまでが血を流すささげ物です。
レビ7:37~38
レビ 7:37 以上は、全焼のささげ物、穀物のささげ物、罪のきよめのささげ物、代償のささげ物、任職のためのささげ物と交わりのいけにえについてのおしえである。
7:38 これは、主がシナイの荒野でイスラエルの子らに、【主】にささげ物を献げるように命じた日に、【主】がシナイ山でモーセに命じられたものである。
ヘブル人への手紙10:1~4
ヘブル 10:1 律法には来たるべき良きものの影はあっても、その実物はありません。
ですから律法は、年ごとに絶えず献げられる同じいけにえによって神に近づく人々を、完全にすることができません。
10:2 それができたのなら、礼拝する人たちは一度できよめられて、もはや罪を意識することがなくなるので、いけにえを献げることは終わったはずです。
10:3 ところがむしろ、これらのいけにえによって罪が年ごとに思い出されるのです。
10:4 雄牛と雄やぎの血は罪を除くことができないからです。
血のささげもの、動物の犠牲の血は、私たちの罪を除く力はないと教えています。
*ヘブル語の「贖い」という言葉:
罪を覆うことthe covering of sinという意味であり
罪を取り除くことthe removal of sinという意味はありません
While the blood of animals covered the sins of the Old Testament saints, it never took those sins away.
(ヘブライ語のキペルという動詞に覆うという意味はないように思えるが、という質問がフォーラム参加者からありました。)
旧約時代に聖徒たちがささげる動物の犠牲の血は彼らの罪を覆うことはしましたが、取り除く力はなかったわけです。
メシアが流される罪のない血だけが最終的に罪人の罪を除くことができます。
血の犠牲の意味
血の犠牲を流すとは、救われる手段ではないのです。
旧約時代のイスラエルは、偶像礼拝を拒否しイスラエルの神を信頼する「信仰によって」救われたのです。
血の犠牲:
神さまとの交わりを回復するための手段
として与えられた方法
救いの方法
救われるのはイスラエルの神に対する「信仰による」という原則は旧約聖書も新約聖書も同じです。
旧約時代の信仰内容
救われるためにモーセの律法の時代に生きているユダヤ人たちはイスラエルの神に信頼を置くということ。
新約時代の信仰内容
では今生きている私はどのようにして救われるべきかということです。
以下をどうぞ
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福音の三要素
コリント人への手紙第一 15:3〜4
私(使徒パウロ)があなたがたに最も大切なこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。
キリストは、
(旧約)聖書に書いてあるとおりに、
私たちの罪のために死なれたこと、
また、葬られたこと、
また、(旧約)聖書に書いてあるとおりに、
三日目によみがえられたこと、
キリストの十字架以降、今、全ての人(ユダヤ人も異邦人も)が信ずべき福音の内容とはこの3つのことです。
① キリストは私たちの罪のために死なれたこと
② 墓に葬られたこと
③ 三日目に復活されたこと
この特別に啓示された福音の内容を理解し、同意し、イエス・キリストこそ自分を救ってくださる唯一のお方であると信じ信頼したなら、神さまの恵みと、信仰によりあなたは救われています。
イエスさまの十字架の血潮により罪赦され、父なる神と和解し神の子とされ、祝福された永遠のいのちをいただきましょう。
ロマ 3:30 神が唯一なら、そうです。
神は、割礼のある者を信仰によって義と認め、割礼のない者も信仰によって義と認めてくださるのです。
3:31 それでは、私たちは信仰によって律法を無効にすることになるのでしょうか。
決してそんなことはありません。
むしろ、律法を確立することになります。
中川健一牧師によるイエス・キリストの十字架についての無料メッセージ 公式アプリダウンロード
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旧約の時代の人々は神に信頼を置いたなら
モーセの律法に従って生きていくという生き方が
信仰の結果としてでてくるわけです。
モーセの律法に違反したなら血の犠牲をささげることによって神との交わりを回復することができる
これが血の犠牲が与えられた意味です。
(詳しくは中川健一著『ディスペンセーショナリズムQ&A』(書籍のみ1528円)(CD5枚組書籍付き3000円) 21シナイ契約とはどのようなものか をどうぞ。)
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以下はセミナーの内容ではありません。
受難週とイースターのメッセージの紹介
教会暦による2020年の受難日は昨日4/10
(ユダヤ暦でニサンの月十五日 過越の祭り当日
紀元30年4月7日(金曜日))
ヨハネ19:30
ヨハ 19:30 イエスは酸いぶどう酒を受けると、
「完了した」
と言われた。
そして、頭を垂れて霊をお渡しになった。
受難週の無料メッセージは「メシアの生涯」の
(151)勝利の入城~
(173)過越の食事~
(197)十字架上での最初の3時間~
(202)墓の封印と50本以上。
「出エジプト記」シリーズの
(15)最初の過越の祭り、(16)第十の災い、(17)初子の贖いほかも関連個所になります。
中川健一牧師著『日本人に贈る聖書ものがたり(6)メシアの巻(下)』第四部メシアの受難
2020年復活祭(イースター)は明日の日曜日
ルカ24:6a
ルカ 24:6a ここ(墓)にはおられません。
よみがえられたのです。
復活の複雑な時系列は中川健一牧師著『日本人に贈る聖書ものがたり(7)諸国民の巻(上)』第一部メシアの復活 にわかりやすく書かれています。
八つの契約(13) 2020年4/25へ
Ⅴ.モーセ契約(2/6)
B.モーセ契約の中心的条項 つづき(2/3)食物規定、死刑の拡大、割礼