旧約聖書におけるメシア預言
レジュメ(6)2025年9/13
モーセが他の預言者と違うところは
律法から理解できたメシア預言とはここまで
2007年フルクテンバウム博士セミナー
『旧約聖書におけるメシア預言』
THE MESSIAH OF THE OLD TESTAMENT
By Dr. Arnold Fruchtenbaum
(テキスト)
ご購入はこちらから(CD)(テキスト)
フルクテンバウム博士のメッセージを
中川健一牧師がわかり易く通訳してくださった
セミナーの内容を基に作成しています。
以下
青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句箇所です
(セミナーでは新改訳3を使用しています)
(このHPでの引用聖句は原則 口語訳聖書 旧約聖書1955年改訳 新約聖書1954年改訳 日本聖書協会)
「新改訳3」とは聖書 新改訳 ©1970,1978,2003 新日本聖書刊行会
「新共同訳」とは聖書 新共同訳©共同訳聖書実行委員会j
「新改訳2017」とは聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 からの引用です
黒色の文章がセミナーの説明文
緑色の文章はHP編者による補足説明
紫色の聖句は引用聖句や参考聖句
(英語訳は基本American Standard Version ASV)
濃いオレンジ色の文章はアーノルド・フルクテンバウム博士著/佐野剛史訳『メシア的キリスト論
ー旧約聖書のメシア預言で読み解くイエスの生涯ー』からの抜粋補足説明です。
興味のある箇所はリンク先もご覧になってみてください。
紙の聖書「新改訳2017」はこちらをどうぞ
旧約聖書におけるメシア預言
イントロダクション
Ⅰ.律法
A.「女の子孫」
B.「アブラハム
C.「ユダの子孫」
D.「バラムの預言」
E.「モーセのような預言者」
F.律法のまとめ
Ⅰ.律法
セミナーテキスト6(8/15)ページ
E.「モーセのような預言者」
申命記18:15~19
15節
申 18:15 あなたの神、主はあなたのうちから、あなたの同胞のうちから、わたしのようなひとりの預言者をあなたのために起されるであろう。
あなたがたは彼に聞き従わなければならない。
18~19節
申 18:18 わたしは彼らの同胞のうちから、おまえのようなひとりの預言者を彼らのために起して、わたしの言葉をその口に授けよう。
彼はわたしが命じることを、ことごとく彼らに告げるであろう。
18:19 彼がわたしの名によって、わたしの言葉を語るのに、もしこれに聞き従わない者があるならば、わたしはそれを罰するであろう。
この箇所の預言は
メシアは預言者であるがイザヤやエレミヤのような預言者ではなくモーセのような預言者であると言われている
ではモーセが他の預言者と違って特にこういう特徴があるというのはどういう点か?
モーセと他の預言者の違い
民数記12:5~8
民数記12:5~8に少し返ってみる
民 12:5 主は雲の柱のうちにあって下り、幕屋の入口に立って、アロンとミリアムを呼ばれた。
彼らふたりが進み出ると、 12:6 彼らに言われた、
「あなたがたは、いま、わたしの言葉を聞きなさい。
あなたがたのうちに、もし、預言者があるならば、主なるわたしは幻をもって、これにわたしを知らせ、また夢をもって、これと語るであろう。
12:7 しかし、わたしのしもべモーセとは、そうではない。
彼はわたしの全家に忠信なる者である。
12:8 彼とは、わたしは口ずから語り、明らかに言って、なぞを使わない。
彼はまた主の形を見るのである。
なぜ、あなたがたはわたしのしもべモーセを恐れず非難するのか」。
この箇所は、アロンとミリアムがモーセの妻のことでモーセを罵っている場面である。
そこに神が介入され、モーセが特別な立場にあることが告げられるのである。
ここからわかるのはモーセが他の預言者と違うのは
モーセとは神さまは口と口とで語りまた顔と顔とをあわせてお語りになるということ
神から直接啓示を受けたのは、モーセただ一人だった。
だからメシアもまた神と顔と顔とを合わせまた口と口とでお語りになる。
ここでの強調点はメシアとして現れるお方は特にモーセのような預言者としての性質を持っているということ
モーセとメシアの類似点をもう少し詳しく見てみよう
モーセとメシアの類似点
(1)預言者(民数記12:6~8)
これは終わった(上述)
(2)贖い主(出エジプト3:10)
出 3:10 さあ、わたしは、あなたをパロにつかわして、わたしの民、イスラエルの人々をエジプトから導き出させよう」。
モーセ:物理的肉体的な意味でイスラエルを贖い出した
メシア:初臨においては霊的な贖い主
再臨においては物理的肉体的な贖い主となられる
(3)仲介者(出エジプト19:16~25)
誤 20:18~21
正 19:16~25
出 19:16 三日目の朝となって、かみなりと、いなずまと厚い雲とが、山の上にあり、ラッパの音が、はなはだ高く響いたので、宿営におる民はみな震えた。
19:17 モーセが民を神に会わせるために、宿営から導き出したので、彼らは山のふもとに立った。
19:18 シナイ山は全山煙った。
主が火のなかにあって、その上に下られたからである。
その煙は、かまどの煙のように立ち上り、全山はげしく震えた。
19:19 ラッパの音が、いよいよ高くなったとき、モーセは語り、神は、かみなりをもって、彼に答えられた。
19:20 主はシナイ山の頂に下られた。
そして主がモーセを山の頂に召されたので、モーセは登った。
19:21 主はモーセに言われた、
「下って行って民を戒めなさい。
民が押し破って、主のところにきて、見ようとし、多くのものが死ぬことのないようにするためである。
19:22 主に近づく祭司たちにもまた、その身をきよめさせなさい。
主が彼らを打つことのないようにするためである」。
19:23 モーセは主に言った、
「民はシナイ山に登ることはできないでしょう。
あなたがわたしたちを戒めて『山のまわりに境を設け、それをきよめよ』と言われたからです」。
19:24 主は彼に言われた、
「行け、下れ。
そしてあなたはアロンと共に登ってきなさい。
ただし、祭司たちと民とが、押し破って主のところに登ることのないようにしなさい。
主が彼らを打つことのないようにするためである」。
19:25 モーセは民の所に下って行って彼らに告げた。
モーセ:神とイスラエルの間に立つ仲介者だった
メシア:神と信者の間に立つ仲介者になられる
(4)執り成し手(出エジプト32:7~35)
出 32:7 主はモーセに言われた、
「急いで下りなさい。
あなたがエジプトの国から導きのぼったあなたの民は悪いことをした。
32:8 彼らは早くもわたしが命じた道を離れ、自分のために鋳物の子牛を造り、これを拝み、これに犠牲をささげて、
『イスラエルよ、これはあなたをエジプトの国から導きのぼったあなたの神である』
と言っている」。
32:9 主はまたモーセに言われた、
「わたしはこの民を見た。
これはかたくなな民である。
32:10 それで、わたしをとめるな。
わたしの怒りは彼らにむかって燃え、彼らを滅ぼしつくすであろう。
しかし、わたしはあなたを大いなる国民とするであろう」。
32:11 モーセはその神、主をなだめて言った、
「主よ、大いなる力と強き手をもって、エジプトの国から導き出されたあなたの民にむかって、なぜあなたの怒りが燃えるのでしょうか。
32:12 どうしてエジプトびとに『彼は悪意をもって彼らを導き出し、彼らを山地で殺し、地の面から断ち滅ぼすのだ』と言わせてよいでしょうか。
どうかあなたの激しい怒りをやめ、あなたの民に下そうとされるこの災を思い直し、32:13 あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエルに、あなたが御自身をさして誓い、
『わたしは天の星のように、あなたがたの子孫を増し、わたしが約束したこの地を皆あなたがたの子孫に与えて、長くこれを所有させるであろう』
と彼らに仰せられたことを覚えてください」。
32:14 それで、主はその民に下すと言われた災について思い直された。
32:15 モーセは身を転じて山を下った。
彼の手には、かの二枚のあかしの板があった。
板はその両面に文字があった。
すなわち、この面にも、かの面にも文字があった。
32:16 その板は神の作、その文字は神の文字であって、板に彫ったものである。
32:17 ヨシュアは民の呼ばわる声を聞いて、モーセに言った、
「宿営の中に戦いの声がします」。
32:18 しかし、モーセは言った、
「勝どきの声でなく、敗北の叫び声でもない。
わたしの聞くのは歌の声である」。
32:19 モーセが宿営に近づくと、子牛と踊りとを見たので、彼は怒りに燃え、手からかの板を投げうち、これを山のふもとで砕いた。
32:20 また彼らが造った子牛を取って火に焼き、こなごなに砕き、これを水の上にまいて、イスラエルの人々に飲ませた。
32:21 モーセはアロンに言った、
「この民があなたに何をしたので、あなたは彼らに大いなる罪を犯させたのですか」。
32:22 アロンは言った、
「わが主よ、激しく怒らないでください。
この民の悪いのは、あなたがごぞんじです。
32:23 彼らはわたしに言いました、
『わたしたちに先立って行く神を、わたしたちのために造ってください。
わたしたちをエジプトの国から導きのぼった人、あのモーセは、どうなったのかわからないからです』。
32:24 そこでわたしは
『だれでも、金を持っている者は、それを取りはずしなさい』
と彼らに言いました。
彼らがそれをわたしに渡したので、わたしがこれを火に投げ入れると、この子牛が出てきたのです」。
32:25 モーセは民がほしいままにふるまったのを見た。
アロンは彼らがほしいままにふるまうに任せ、敵の中に物笑いとなったからである。
32:26 モーセは宿営の門に立って言った、
「すべて主につく者はわたしのもとにきなさい」。
レビの子たちはみな彼のもとに集まった。
32:27 そこでモーセは彼らに言った、
「イスラエルの神、主はこう言われる、
『あなたがたは、おのおの腰につるぎを帯び、宿営の中を門から門へ行き巡って、おのおのその兄弟、その友、その隣人を殺せ』」。
32:28 レビの子たちはモーセの言葉どおりにしたので、その日、民のうち、おおよそ三千人が倒れた。
32:29 そこで、モーセは言った、
「あなたがたは、おのおのその子、その兄弟に逆らって、きょう、主に身をささげた。
それで主は、きょう、あなたがたに祝福を与えられるであろう」。
32:30 あくる日、モーセは民に言った、
「あなたがたは大いなる罪を犯した。
それで今、わたしは主のもとに上って行く。
あなたがたの罪を償うことが、できるかも知れない」。
32:31 モーセは主のもとに帰って、そして言った、
「ああ、この民は大いなる罪を犯し、自分のために金の神を造りました。
32:32 今もしあなたが、彼らの罪をゆるされますならば――。
しかし、もしかなわなければ、どうぞあなたが書きしるされたふみから、わたしの名を消し去ってください」。
32:33 主はモーセに言われた、
「すべてわたしに罪を犯した者は、これをわたしのふみから消し去るであろう。
32:34 しかし、今あなたは行って、わたしがあなたに告げたところに民を導きなさい。
見よ、わたしの使はあなたに先立って行くであろう。
ただし刑罰の日に、わたしは彼らの罪を罰するであろう」。
32:35 そして主は民を撃たれた。
彼らが子牛を造ったからである。
それはアロンが造ったのである。
モーセ:イスラエルの民の為にとりなしをした
メシア:今私たち信者のためにとりなしをしている
特にモーセの場合はあの金の子牛を礼拝した後イスラエルの民のためにとりなしをした
それがなければ民は滅びていた
テキストにはないところを加えたい
(5)リーダーあるいは指導者(出エジプト3:10)
出 3:10 さあ、わたしは、あなたをパロにつかわして、わたしの民、イスラエルの人々をエジプトから導き出させよう」。
メシア:今日私たち信じる者信者のためのリーダーだが
再臨においてはイスラエルのリーダーともなられる
結論:
メシアは預言者である。
セミナーテキスト7ページ
F.律法のまとめ
モーセが死んだ時にモーセ五書がそこで書き終わったわけだが
その段階でイスラエルの民はメシアに関してどこまで知っていたのか
イスラエルの民は五つのことを知っていた
そして6番目に一つのことを予感していた
知っていたことと予感していたこととを今から確認しよう
1.「子孫」
メシアが「子孫」あるいは種という言葉で表現されているが
それには三つの内容があった
(1)女の子孫
メシアが誰から出てくる?
人間の女性から出てくるということがここでわかる
メシアは人である。
御使いではない。
また、神というだけでもない。
(2)アブラハムの子孫
アブラハムの子孫という言葉が出てきた
この結果イスラエルの女性からメシアが誕生することがわかる
メシアはユダヤ人であって、異邦人ではない。
(3)ユダ族の子孫
12部族の中のユダ族から誕生するということがわかる
第2番目にこのメシアは神であり人であるということが分かる
エバは堕落した直後にメシア預言を聞いて
メシアは人であり神であるという概念を既に得ていた
エバは、みごもっていた息子のカインがメシアになると思っていた。
3番目にメシアは王として来られるということが分かった
モーセの律法から見てもイスラエルが将来王を持つということは神さまのみこころの中にすでに含まれていた
モーセの律法では王が従わなければいけない幾つかの原則ルールが書かれてある
創世記の預言から言うとこの王は何部族から出てくる?
ユダ部族から出てくることがわかる
ということは神の計画ではダビデがユダ部族から出た最初の王になる予定だった
ところがダビデが王になる年齢にまだなっていない時にイスラエルの民は自分たちに王が必要だと神さまに叫び始めた
そして第一代の王になったのは誰?
サウルで彼はユダ部族ではない
何部族か知ってる?
ベニヤミン族
サウル王は王としては失敗し彼の後に続く王位をつくることができなかった
メシアが登場する時にダビデの家系につながる王でなければいけないということが確立された
4.モーセのような預言者である。(今回)
その内容は神と顔と顔を合わせ口と口とで語る預言者
5.呪いを取り除く方
5番目にメシアはアダムの堕落によって地上に降り注いだ呪いを取り除くお方として登場する
レメクは、息子ノアがメシアになると勘違いしていた。
モーセの律法からユダヤ人たちが理解できたのはここまで
この5つの要因に関してメシア預言の内容を彼らは理解することができた
6.処女降誕を予感させるもの
第6番目はヒントがあるだけ
創世記3:15で
「女の子孫」という言葉が使われた
あれは処女降誕を予感させる言葉で
それの内容が明確になるのがイザヤ書7章に入ってから
それはこの後学ぶ(次回以降)
創 3:15 わたしは恨みをおく、
おまえと女とのあいだに、
おまえのすえと女のすえとの間に。
彼はおまえのかしらを砕き、
おまえは彼のかかとを砕くであろう」。
メシア預言(7)2025年9/27へ
Ⅱ.預言書 A.イザヤ書7:1~21 処女から生まれる
アーノルド・フルクテンバウム博士著/佐野剛史訳
『メシア的キリスト論
ー旧約聖書のメシア預言で読み解くイエスの生涯ー』
ハーベスト・タイム・ミニストリーズ出版部
今回のセミナーの内容はこの本の24~28頁に
に書かれています。
そちらもゼヒお読みください。