練馬桜台聖書フォーラム

三位一体 レジュメ(6) 2025年 2/8

2025.02.13

カテゴリー:お知らせ, 三位一体, 学び

三位一体についての学びレジュメ(6)2025年2/8

 

神に双数形は使われず、4以上の位格もない

 

2007年フルクテンバウム博士セミナー

『三位一体とは何か』についての学び
THE TRINITY

(テキスト) 


ご購入はこちらから(CD)(テキスト)(MP3・PDF

 

レジュメもくじ

前回のレジュメ

 

フルクテンバウム博士のメッセージを
中川健一牧師がわかり易く通訳してくださった
セミナーの内容を基に作成しています。

以下
青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句です
セミナーでは新改訳3を使用しています)
ここでは原則 口語訳聖書 旧約聖書1955年改訳 新約聖書1954年改訳 日本聖書協会 を使用しています)
新改訳3」とは聖書 新改訳 ©1970,1978,2003 新日本聖書刊行会
「新共同訳」とは聖書 新共同訳©共同訳聖書実行委員会

「新改訳2017」とは聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 からの引用です
黒色の文章がセミナーの説明文
緑色の文章はHP編者による補足説明
紫色の聖句は参考聖句
(英語訳は基本American Standard Version  ASVです)
茶色の文章Dr. Arnold G. Fruchtenbaum『A MESSIANIC BIBLE STUDY FROM ARIEL MINISTRIES』MBS050 THE TRINITY翻訳メモからの補足説明です

 

興味のある箇所はリンク先もご覧になってみてください。

 

紙の聖書「新改訳2017」こちらをどうぞ

 

 

三位一体

イントロダクション
定義 アリウス主義 サベリウス主義 ソッツッーニ主義 ユニテリアン主義 三神論
Ⅰ.神の位格の複数性
A.旧約聖書において
1.エロヒムという複数形の名詞
2.エロヒムに使われる動詞が複数形になっている箇所
3.エロヒムが二位格に適用されている箇所
4.ヤハウェが二位格に適用されている箇所
5.アドナイという複数形の名詞
6.複数形の代名詞
7.複数形の形容詞
8.主の御使い
9.神の子
10.神人という概念
11.聖霊
B.新約聖書において
Ⅱ.神の位格の単一性
A.旧約聖書において
1.われわれに似るように、われわれのかたちに
2.複数形の名詞と単数形の動詞
3.エルとエロヒムの同時使用
4.集合体としての単一性(申命記6:4)
a.エハッド b.ヤヒッド

5.ヤハウェ自身の宣言
B.新約聖書において
Ⅲ.三位一体
A.旧約聖書において

 

 

セミナーテキスト7ページ(8/13)

Ⅲ.三位一体の神
THE TRINITY 

 

三位一体という概念について

 

 

A.旧約聖書において
The Trinity of the Godhead in the Old Testament

 

前回まで
聖書の神さまは
複数性 plurality を持って存在していると同時に
統一された一体性であるa unity of only one God
という2つの要素があると学んだ

では聖書がいう神の複数性とは3なのか
或いはそれ以外なのか
聖書を開いて確認していく
三位格のみが神と言われ 一つの聖書の箇所に
3以上の位格が登場しないことをみていく

同時に2人登場している箇所が幾つかあった
今からは3であって3以上ではないことを
聖書で確認していく

 

 

ヘブル語の文法

普通の言語では単数形か複数形かどちらか
ところがヘブル語は単数形複数形以外に
双数形(そうすうけい)というのがある
双:二つという意味 双子の双
双数形
つまり二つの数を表わす言い方がある
自然界で二つがペアで存在しているものを表現する時
その双数形の男性名詞は必ず語尾がイムになる
例)
アイム
いつでも2つのものがペアで現れると
それを双数形で表現する
両目:エナイム
両頬:ペナイム
両耳:オズナイム
両手:ヤダイム
両足:レグライム

なぜヘブル語双数形の話をしているか
今まで見たように
聖書は神が複数の形で存在していると言える
もし神が2つの形で存在しているとしたら
この双数形が使えるはずだが
エロヒム(神エルの複数形)という言葉が
双数形で使われているケースはない

よって文法的にエロヒムということば
或いは今まで見てきた聖書の神は
少なくとも3或いはそれ以上でないとおかしいということになる
しかしこれから見ていくように
3まではあるが3以上は無い

 

 

 

1.イザヤ42:1

Isaiah 42:1

この第一の例における3つの位格に注目してほしい。

旧約聖書における三位一体の神
イザ 42:1 見よ。わたしのささえるわたしのしもべ
わたしの心の喜ぶわたしが選んだ者。
わたしは彼の上にわたしの霊を授け、
彼は国々に公義をもたらす。
(新改訳3)

話している人は
わたしという代名詞で表現される神

この文脈で
① わたし  I 父なる神
 わたしのしもべ  my servant
メシアのこと神の子
 わたしの霊  my Spirit 聖霊のこと
ここでは明らかに3つの位格が登場している
今までは3以下
2つの位格が同じ文脈で登場するというのはあった

3まではあるがそれより上はでてこない

 

 

 

 

 

 2.イザヤ書61:1
Isaiah 61:1

第二の例では主ヤハウェ、主の霊、話し手を指す代名詞のわたしの3つの位格のみが言及されている。

旧約聖書における三位一体の神
イザ 61:1 神である主の霊が、わたしの上にある。
【主】わたしに油をそそぎ、
貧しい者に良い知らせを伝え、
心の傷ついた者をいやすために、
わたしを遣わされた。
捕らわれ人には解放を、囚人には釈放を告げ、
(新改訳3)
Isa 61:1 The Spirit of the Lord Jehovah is upon me; because Jehovah has anointed me to preach good tidings unto the meek; he has sent me to bind up the broken-hearted, to proclaim liberty to the captives, and the opening of the prison to them that are bound;
ここでも3つの人格が登場する

①これを話している人
わたしの上にある。
わたし me という言葉を使っている人
この文脈ではこのわたしと言っている人は
神の御子でありメシア

【主】はわたしに油をそそぎ
【主】とはヤハウェ Jehovah のことで
この文脈では父なる神

主の霊 
ヤハウェの霊が登場するこれが聖霊

ここでも三位格が登場しているが
4以上にはなっていない
 3まで

 

 

 

 

 

3.イザヤ63:7~14

Isaiah 63:7∼14

 第三の例は出エジプト記の要約を扱ったイザヤ63:7~14の文脈に見られる。

最初は見ただけではわからないが
明確に3つの位格が登場するので
それを今から指摘する

旧約聖書における三位一体の神
イザ 63:7 私は、
【主】の恵みと、【主】の奇しいみわざをほめ歌おう。
【主】が私たちに報いてくださった
すべての事について、
そのあわれみと、豊かな恵みによって
報いてくださったイスラエルの家への
豊かないつくしみについて。

7節
【主】の恵みと、【主】の奇しいみわざ
【主】が私たちに報いてくださった
この【主】ヤハウェ Jehovah とは父なる神

 

63:8 主は仰せられた。
「まことに彼らはわたしの民、
偽りのない子たちだ」と。
こうして、主は彼らの救い主になられた。
63:9 彼らが苦しむときには、いつも主も苦しみ、
ご自身の使いが彼らを救った。
その愛とあわれみによって主は彼らを贖い、
昔からずっと、彼らを背負い、抱いて来られた。
Isa 63:9 In all their affliction he was afflicted, and the angel of his presence saved them:  in his love and in his pity he redeemed them; and he bare them, and carried them all the days of old.

9節
ご自身の使いという言葉は御子なる神のこと

the angel of his presence (ASV)
そのみ前の使(口語訳)
御前に仕える御使い(新共同訳)

ご自身の使い(新改訳3)
主の臨在の御使い(新改訳2017)

彼は【主】の使いと同じであり、【主】自身の御名を持っている。
9節では彼らを救い、彼らを贖う責任があったのはこの御使いであったことに注目してほしい。

 

63:10 しかし、彼らは逆らい、
主の聖なる御霊を痛ませたので、
主は彼らの敵となり、みずから彼らと戦われた。

63:11 そのとき、主の民は、
いにしえのモーセの日を思い出した。
「羊の群れの牧者たちとともに、
彼らを海から上らせた方は、
どこにおられるのか。
その中に主の聖なる御霊を置かれた方は、
どこにおられるのか。
63:12 その輝かしい御腕をモーセの右に進ませ、
彼らの前で水を分け、永遠の名を成し、
63:13 荒野の中を行く馬のように、
つまずくことなく彼らに深みの底を
歩ませた方は、どこにおられるのか。
63:14 家畜が谷に下るように、
【主】の御霊が彼らをいこわせた。」

このようにして、あなたは、あなたの民を導き、
あなたの輝かしい御名をあげられたのです。
(新改訳3)
聖霊に関してこの文脈で3回出てくる

10節
主の聖なる御霊 his holy Spirit を痛ませたので、
11節
その中に主の聖なる御霊 his holy Spirit を置かれた方は、
14節
【主】の御霊 the Spirit of Jehovah が彼らをいこわせた。」

 

ここでも3つの位格が登場するが
それ以上ではない

 

 

 

 

 

セミナーテキスト8ページ

4.イザヤ48:16

Isaiah 48:16

 

一番素晴らしい箇所を最後までとっておいた
それがこの場所
旧約聖書で三位一体を教えている一番いい聖句はどれですかと言った時に
私はイザヤ書48:16と答えることにしている
このことを知るために
誰がこれを話しているか
文脈で理解しなければならない
12節からそれがはじまる

イザ 48:12 わたしに聞け。ヤコブよ
わたしが呼び出したイスラエルよ。

わたしがそれだ。
わたしは初めであり、また、終わりである。

12節
このわたしと言っている人は
わたしがそれだ。
わたしは初めであり、また、終わりである。
と言っている
I am he, I am the first, I also am the last.
というのはがご自分のことを言う時の言葉遣い


48:13 まことに、わたしの手が地の基を定め、
わたしの右の手が天を引き延ばした
わたしがそれらに呼びかけると、

それらはこぞって立ち上がる。

13節
この方は
地の基を定め、
天を引き延ばした。
つまり天地創造の神であることがわかる

 

48:14 あなたがた、みな集まって聞け。
だれがこれらの事を告げたのか。
【主】に愛される者が、
主の喜ばれる事をバビロンにしむける。
主の御腕はカルデヤ人に向かう。
Isa  48:14 Assemble yourselves, all ye, and hear; who among them has declared these things?  He whom Jehovah loves shall perform his pleasure on Babylon, and his arm shall be on the Chaldeans.
48:15 語ったのは、ただわたしであって、
わたしは彼を召した。
わたしは彼をこさせた。
彼はその道に栄える。

14節15節
この方わたしは将来のことを預言し
その預言を成就させる力のある方

ということがわかる

そこまで見てくると
この話し手「わたし」と言っている方は
神ご自身であることがよくわかる
(【主】に愛される者とは御子のことだと思い込んでいました。いやイスラエルの民のことを指すのではないか等フォーラムで議論されましたが、なんとペルシアのクロス王であるという解釈もありました。)


48:16 わたしに近づいて、これを聞け。

わたしは初めから、隠れた所で語らなかった。
それが起こった時から、わたしはそこにいた。」
今、神である主を、
その御霊とともに遣わされた。
(新改訳3)

Isa 48:16 Come ye near unto me, hear ye this; from the beginning I have not spoken in secret; from the time that it was, there am I:  and now the Lord Jehovah hath sent me, and his Spirit.
ここで話している本人
わたし I  me と言っているお方は天地創造の神
この話をしている本人は
ほかの2つの位格と自分を区別している

神である主は私を、~遣わされた。
と言っているので
神である主the Lord Jehovah 父なる神
その御霊 his Spirit 聖霊
つまりここで語っているお方は子なる神
(私:御子は神であるので本来ならひらがなで「わたし」と表記されそうですが「」内のわたしとは別の位格であることをあらわすために漢字表記となったのでしょうか。)

 

これを見ると子なる神が語り
父なる神が子なる神を聖霊とともに遣わした
と証言している

見事に三位一体の神が
イザヤ書のこの48章に表現されている

 

 

 

旧約聖書を通して神が複数性を持っているが
その数は3までで4以上にはならないとわかる
旧約聖書は三位一体の神を表現している

新約の場合は旧約よりもはるかに明確に
三位一体が教えられている

 

 

 

 

 

三位一体(7)2025年2/22へ
Ⅲ.三位一体の神
B.新約聖書において

 

練馬桜台聖書フォーラム

代表 :南 知之

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