三位一体についての学びレジュメ(3)2024年12/28
主の御使いは天使(御使い)とは違うのか
2007年フルクテンバウム博士セミナー
『三位一体とは何か』についての学び
THE TRINITY
(テキスト)
ご購入はこちらから(CD)(テキスト)
レジュメもくじ
フルクテンバウム博士のメッセージを
中川健一牧師がわかり易く通訳してくださった
セミナーの内容を基に作成しています。
以下
青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句です
(セミナーでは新改訳3を使用しています)
(ここでは原則 口語訳聖書 旧約聖書1955年改訳 新約聖書1954年改訳 日本聖書協会 を使用しています)
「新改訳3」とは聖書 新改訳 ©1970,1978,2003 新日本聖書刊行会
「新共同訳」とは聖書 新共同訳©共同訳聖書実行委員会
「新改訳2017」とは聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会 からの引用です
黒色の文章がセミナーの説明文
緑色の文章はHP編者による補足説明
紫色の聖句は参考聖句
(英語訳は基本American Standard Version ASVです)
茶色の文章はDr. Arnold G. Fruchtenbaum『A MESSIANIC BIBLE STUDY FROM ARIEL MINISTRIES』MBS050 THE TRINITY翻訳メモからの補足説明です
興味のある箇所はリンク先もご覧になってみてください。
紙の聖書「新改訳2017」はこちらをどうぞ
三位一体
イントロダクション
定義 アリウス主義 サベリウス主義 ソッツッーニ主義 ユニテリアン主義 三神論
Ⅰ.神の位格の複数性
旧約聖書において
1.エロヒムという複数形の名詞
2.エロヒムに使われる動詞が複数形になっている箇所
3.エロヒムが二位格に適用されている箇所
4.ヤハウェが二位格に適用されている箇所
5.アドナイという複数形の名詞
6.複数形の代名詞
7.複数形の形容詞
8.主の御使い
セミナーテキスト3ページ(4/13)
Ⅰ.神の位格の複数性
THE PLURALITY OF THE GODHEAD
A.旧約聖書において
The Plurality of the Godhead in the Old Testament
神の複数性というのを説明してきた
それとは全く異なった角度から話したい
8番以降はヘブル語文法をベースにした解説(前回)とは違う手法を用いて
聖書の神が複数の形で存在していることを証明したい
8.主の御使い
The Angel of Jehovah
主の使いや神の使いという言葉が聖書の中に出てくる
これは神ご自身を指す言葉
エロヒム Elohim ヘブル語で複数形男性名詞
God もしくはgods 日本語訳は 神 神々 あるいは
ヤハウェ YHVH と呼ばれる方 ヘブル語4文字であらわされる神の御名 固有名詞 Jehovah
日本語訳は 主
が同じ文脈の中で
神の御使い(神の使)
口語訳:神の使
新共同訳:神の御使い
新改訳3:神の使い
新改訳2017:神の使い
ASV: the angel of God
NKJV: the Angel of God
あるいは主の御使い(主の使)
口語訳:主の使
新共同訳:主の御使い
新改訳3:【主】の使い
新改訳2017:【主】の使い
ASV: the angel of Jehovah
NKJV: the Angel of the Lord
(紙の聖書では太字の主と書かれているのを聖書アプリ「J-ばいぶる2017」では【主】と表記しているので、このレジュメでも【主】と表記します。)
という言い方で表現されている
つまり神だということ
・・・・・・・・
このレジュメの最後にでてくる聖句
ヤコブが争った時のこと
ホセア12:4
口語訳:天の使
新共同訳:神の使い
新改訳3:御使い
新改訳2017:御使い
ASV: the angel
NKJV: the Angel
(日本語聖書の訳に対しても、結論としてこれも神ご自身であるということに対しても、頭が混乱します。)
・・・・・・・・
a.この用語の特異性
Examples of Uniquences
(1)創世記16:7~14
女奴隷ハガルが荒野に逃げて行きそこで疲れているところ
創 16:7 主の使は荒野にある泉のほとり、すなわちシュルの道にある泉のほとりで、彼女に会い、16:8 そして言った、
「サライのつかえめハガルよ、あなたはどこからきたのですか、またどこへ行くのですか」。
彼女は言った、
「わたしは女主人サライの顔を避けて逃げているのです」。
16:9 主の使は彼女に言った、
「あなたは女主人のもとに帰って、その手に身を任せなさい」。
16:10 主の使はまた彼女に言った、
「わたしは大いにあなたの子孫を増して、数えきれないほどに多くしましょう」。
16:11 主の使はまた彼女に言った、
「あなたは、みごもっています。
あなたは男の子を産むでしょう。
名をイシマエルと名づけなさい。
主があなたの苦しみを聞かれたのです。
16:12 彼は野ろばのような人となり、
その手はすべての人に逆らい、
すべての人の手は彼に逆らい、
彼はすべての兄弟に敵して住むでしょう」。
16:13 そこで、ハガルは自分に語られた主の名を呼んで、
「あなたはエル・ロイです」
と言った。
彼女が
「ここでも、わたしを見ていられるかたのうしろを拝めたのか」
と言ったことによる。
16:14 それでその井戸は「ベエル・ラハイ・ロイ」と呼ばれた。
これはカデシとベレデの間にある。
この箇所で4回 【主】の使い(新改訳3) the angel of Jehovah という言葉がでてくる
7節 9節 10節 11節
ところが13節
創 16:13 そこで、彼女は自分に語りかけられた【主】の名を「あなたはエル・ロイ」と呼んだ。
(新改訳3)
ここで【主】の名 ヤハウェの名 the name of Jehovah と言っている
つまり4回でてきた主の使いがヤハウェであったということ
セミナーテキスト4ページ
(2)創世記22:9~13
アブラハムがイサクをささげる箇所
創 22:9 彼らが神の示された場所にきたとき、アブラハムはそこに祭壇を築き、たきぎを並べ、その子イサクを縛って祭壇のたきぎの上に載せた。
22:10 そしてアブラハムが手を差し伸べ、刃物を執ってその子を殺そうとした時
22:11 主の使 the angel of Jehovah が天から彼を呼んで言った、
「アブラハムよ、アブラハムよ」。
彼は答えた、
「はい、ここにおります」。
22:12 み使 he が言った、
「わらべを手にかけてはならない。
また何も彼にしてはならない。
あなたの子、あなたのひとり子をさえ、わたしのために惜しまないので、あなたが神 God を恐れる者であることをわたしは今知った」。
22:13 この時アブラハムが目をあげて見ると、うしろに、角をやぶに掛けている一頭の雄羊がいた。
アブラハムは行ってその雄羊を捕え、それをその子のかわりに燔祭としてささげた。
2回主の使い ヤハウェの使い the angel of Jehovah ということばがでてくる
11節と15節
創 22:15 主の使 the angel of Jehovah は再び天からアブラハムを呼んで、
ところ2回同じ箇所で神 God エロヒム 主 Jehovah とも呼ばれている
それが12節 16節
創 22:16 言った、
「主 Jehovah は言われた、
『わたしは自分をさして誓う。
あなたがこの事をし、あなたの子、あなたのひとり子をも惜しまなかったので、
(3)創世記31:11~13
創 31:11 その時、神の使が夢の中でわたしに言った、
『ヤコブよ』。
わたしは答えた、
『ここにおります』。
31:12 神の使は言った、
『目を上げて見てごらん。
群れの上に乗っている雄やぎは皆しまのあるもの、ぶちのもの、霜ふりのものです。
わたしはラバンがあなたにしたことをみな見ています。
31:13 わたしはベテルの神です。
かつてあなたはあそこで柱に油を注いで、わたしに誓いを立てましたが、いま立ってこの地を出て、あなたの生れた国へ帰りなさい』」。
11節
神の使い the angel of God
ところが13節
同じ存在同じ人物がわたしはベテルの神 I am the God of Beth-el エロヒム(神)と自分のことをよんでいる
(4)創世記32:24~30
ヤコブが天使と夜明けまで格闘したという箇所
創 32:24 ヤコブはひとりあとに残ったが、ひとりの人 a man が、夜明けまで彼と組打ちした。
32:25 ところでその人はヤコブに勝てないのを見て、ヤコブのもものつがいにさわったので、ヤコブのもものつがいが、その人と組打ちするあいだにはずれた。
32:26 その人は言った、
「夜が明けるからわたしを去らせてください」。
ヤコブは答えた、
「わたしを祝福してくださらないなら、あなたを去らせません」。
32:27 その人は彼に言った、
「あなたの名はなんと言いますか」。
彼は答えた、
「ヤコブです」。
32:28 その人は言った、
「あなたはもはや名をヤコブと言わず、イスラエルと言いなさい。
あなたが神と人とに with God and with men 、力を争って勝ったからです」。
32:29 ヤコブは尋ねて言った、
「どうかわたしにあなたの名を知らせてください」。
するとその人は、
「なぜあなたはわたしの名をきくのですか」
と言ったが、その所で彼を祝福した。
32:30 そこでヤコブはその所の名をペニエルと名づけて言った、
「わたしは顔と顔をあわせて神 God を見たが、なお生きている」。
24節
この人は最初は人間のかたちをもってあらわれている
この人物とヤコブは格闘する
ところが28節
ヤコブと相撲を取っていたその人が「あなたは神と、~戦って、~」(新改訳3)と言っている
つまりここでヤコブが格闘していた人物は単なる人間ではなくて主のみ使い
30節
ヤコブが私は顔と顔とを合わせて神を見たと
その主のみ使いあるいは人間の形を取って現れた人のことを神と呼んでいる
(5)出エジプト記3:1~5
燃える柴の中から神がモーセに声をかける箇所
出 3:1 モーセは、ミデヤンの祭司で彼のしゅうと、イテロの羊を飼っていた。
彼はその群れを荒野の西側に追って行き、神の山ホレブにやって来た。
3:2 すると【主】の使いが彼に、現れた。
柴の中の火の炎の中であった。
よく見ると、火で燃えていたのに柴は焼け尽きなかった。
3:3 モーセは言った。
「なぜ柴が燃えていかないのか、あちらへ行ってこの大いなる光景を見ることにしよう。」
3:4 【主】は彼が横切って見に来るのをご覧になった。
神は柴の中から彼を呼び、
「モーセ、モーセ」
と仰せられた。
彼は
「はい。ここにおります」
と答えた。
3:5 神は仰せられた。
「ここに近づいてはいけない。
あなたの足のくつを脱げ。
あなたの立っている場所は、聖なる地である。」
(新改訳3)
2節
柴の中から声をかけた人物を【主】の使い the angel of Jehovah と呼んでいる
ところが4節
【主】 Jehovah は彼が横切って見に来るのをご覧になった。
ヤハウェという言葉が使われ
次に神 God は柴の中から彼を呼び、
エロヒムという言葉が使われている
5節 神 he ヘブル語聖書ではここに神または彼にあたる言葉はないそうです。
(6)士師記2:1と出エジプト記19:4
士師記2:1
さて、【主】の使いがギルガルからボキムに上って来て言った。
「わたしはあなたがたをエジプトから上らせて、あなたがたの先祖に誓った地に連れて来て言った。
(新改訳3)
【主】の使い the angel of Jehovah が自分のことをエジプトから連れ出した神だと表現している
出 19:3 モーセは神 God のみもとに上って行った。
【主】 Jehovah は山から彼を呼んで仰せられた。
「あなたは、このように、ヤコブの家に言い、イスラエルの人々に告げよ。
出エジプト記19:4
出 19:4 『あなたがたは、わたしがエジプトびとにした事と、あなたがたを鷲の翼に載せてわたしの所にこさせたことを見た。
出エジプトを行ったのは【主】のわざ
ヤハウェ(Jehovah)のわざであるとなっている
ヤハウェがしたことを士師記2:1では【主】の使いがしたことになっている
イコール
士師記2:1と主エジプト記19:4を比較するとこの二つのうちの一つどちらかの結論しかでない
この二つの箇所は矛盾しているというのか?
あるいは【主】の使いとヤハウェとは同じ存在だというのか?
この二つに一つしか答えはない
今まで見てきた(1)から(5)の例を見ると
【主】の使い the angel of Jehovah とヤハウェ【主】 Jehovah とはイコールであるということがわかる
(7)士師記6:11~24
【主】の使いがギデオンに現れて語りかける箇所
士 6:11 さて【主】の使い the angel of Jehovah が来て、アビエゼル人ヨアシュに属するオフラにある樫の木の下にすわった。
このとき、ヨアシュの子ギデオンはミデヤン人からのがれて、酒ぶねの中で小麦を打っていた。
6:12 【主】の使い the angel of Jehovah が彼に現れて言った。
「勇士よ。
【主】 Jehovah があなたといっしょにおられる。」
6:13 ギデオンはその御使いに him 言った。
「ああ、主よ。 Oh, my lord,
もし【主】 Jehovah が私たちといっしょにおられるなら、なぜこれらのことがみな、私たちに起こったのでしょうか。
私たちの先祖たちが、
『【主】 Jehovah は私たちをエジプトから上らせたではないか』
と言って、私たちに話したあの驚くべきみわざはみな、どこにありますか。
今、【主】 Jehovah は私たちを捨てて、ミデヤン人の手に渡されました。」
6:14 すると、【主】 Jehovah は彼に向かって仰せられた。
「あなたのその力で行き、イスラエルをミデヤン人の手から救え。
わたしがあなたを遣わすのではないか。」
6:15 ギデオンは言った。
「ああ、主よ。 Oh, Lord.
私にどのようにしてイスラエルを救うことができましょう。
ご存じのように、私の分団はマナセのうちで最も弱く、私は父の家で一番若いのです。」
6:16 【主】 Jehovah はギデオンに仰せられた。
「わたしはあなたといっしょにいる。
だからあなたはひとりを打ち殺すようにミデヤン人を打ち殺そう。」
6:17 すると、ギデオンは言った。
「お願いです。
私と話しておられるのがあなたであるというしるしを、私に見せてください。
6:18 どうか、私が贈り物を持って来て、あなたのところに戻り、御前にそれを供えるまで、ここを離れないでください。」
それで、主は、he 「あなたが戻って来るまで待とう」と仰せられた。
6:19 ギデオンはうちに入り、一匹のやぎの子を料理し、一エパの粉で種を入れないパンを作り、その肉をかごに入れ、また吸い物をなべに入れ、樫の木の下にいる方のところに持って来て、供えた。
6:20 すると、神の使い the angel of God はギデオンに言った。
「肉と種を入れないパンを取って、この岩の上に置き、その吸い物を注げ。」
それで彼はそのようにした。
6:21 すると【主】の使いは、その手にしていた杖の先を伸ばして、肉と種を入れないパンに触れた。
すると、たちまち火が岩から燃え上がって、肉と種を入れないパンを焼き尽くしてしまった。
【主】の使いは去って見えなくなった。
6:22 これで、この方が【主】の使いであったことがわかった。
それで、ギデオンは言った。
「ああ、神、主よ。 O Lord Jehovah!
私は面と向かって【主】の使い を見てしまいました。」
6:23 すると、【主】はギデオンに仰せられた。
「安心しなさい。
恐れるな。
あなたは死なない。」
6:24 そこで、ギデオンはそこに【主】のために祭壇を築いて、これをアドナイ・シャロムと名づけた。
これは今日まで、アビエゼル人のオフラに残っている。
最初の文脈で
2回【主】の使い the angel of Jehovah ということばがでてくる
11節と12節
ところが同じ文脈の中で2回ヤハウェ 【主】 Jehovah ということばがでてくる
14節と16節
(8)士師記13:2~24と
イザヤ書9:6
士師記13:2~24
士 13:2 ここにダンびとの氏族の者で、名をマノアというゾラの人があった。
その妻はうまずめで、子を産んだことがなかった。
13:3 主の使 the angel of Jehovah がその女に現れて言った、
「あなたはうまずめで、子を産んだことがありません。
しかし、あなたは身ごもって男の子を産むでしょう。
13:4 それであなたは気をつけて、ぶどう酒または濃い酒を飲んではなりません。
またすべて汚れたものを食べてはなりません。
13:5 あなたは身ごもって男の子を産むでしょう。
その頭にかみそりをあててはなりません。
その子は生れた時から神にささげられたナジルびとです。
彼はペリシテびとの手からイスラエルを救い始めるでしょう」。
13:6 そこでその女はきて夫に言った、
「神の人 A man of God がわたしのところにきました。
その顔かたちは神の使の顔かたちのようで、たいそう恐ろしゅうございました。
わたしはその人が、どこからきたのか尋ねませんでしたが、その人もわたしに名を告げませんでした。
13:7 しかしその人はわたしに
『あなたは身ごもって男の子を産むでしょう。
それであなたはぶどう酒または濃い酒を飲んではなりません。
またすべて汚れたものを食べてはなりません。
その子は生れた時から死ぬ日まで神にささげられたナジルびとです』
と申しました」。
13:8 そこでマノアは主 Jehovah に願い求めて言った、
「ああ、主よ、Oh, Lord, どうぞ、あなたがさきにつかわされた神の人 the man of God をもう一度わたしたちに臨ませて、わたしたちがその生れる子にすべきことを教えさせてください」。
13:9 神がマノアの願いを聞かれたので、神の使 the angel of God は女が畑に座していた時、ふたたび彼女に臨んだ。
しかし夫マノアは一緒にいなかった。
13:10 女は急ぎ走って行って夫に言った、
「さきごろ、わたしに臨まれた人がまたわたしに現れました」。
13:11 マノアは立って妻のあとについて行き、その人のもとに行って言った、
「あなたはかつてこの女にお告げになったおかたですか」。
その人は言った、
「そうです」。
13:12 マノアは言った、
「あなたの言われたことが事実となったとき、その子の育て方およびこれになすべき事はなんでしょうか」。
13:13 主の使はマノアに言った、
「わたしがさきに女に言ったことは皆、守らせなければなりません。
13:14 すなわちぶどうの木から産するものはすべて食べてはなりません。
またぶどう酒と濃い酒を飲んではなりません。
またすべて汚れたものを食べてはなりません。
わたしが彼女に命じたことは皆、守らせなければなりません」。
13:15 マノアは主の使に言った、
「どうぞ、わたしたちに、あなたを引き留めさせ、あなたのために子やぎを備えさせてください」。
13:16 主の使はマノアに言った、
「あなたがわたしを引き留めても、わたしはあなたの食物をたべません。
しかしあなたが燔祭を備えようとなさるのであれば、主 Jehovah にそれをささげなさい」。
マノアは彼が主の使であるのを知らなかったからである。
13:17 マノアは主の使に言った、
「あなたの名はなんといいますか。
あなたの言われたことが事実となったとき、わたしたちはあなたをあがめましょう」。
13:18 主の使は彼に言った、
「わたしの名は不思議です。
どうしてあなたはそれをたずねるのですか」。
13:19 そこでマノアは子やぎと素祭とをとり、岩の上でそれを主 Jehovah にささげた。
主 the angel は不思議なことをされ、マノアとその妻はそれを見た。
13:20 すなわち炎が祭壇から天にあがったとき、主の使は祭壇の炎のうちにあってのぼった。
マノアとその妻は見て、地にひれ伏した。
13:21 主の使はふたたびマノアとその妻に現れなかった。
その時マノアは彼が主の使であることを知った。
13:22 マノアは妻に向かって言った、
「わたしたちは神 God を見たから、きっと死ぬであろう」。
13:23 妻は彼に言った、
「主 Jehovah がもし、わたしたちを殺そうと思われたのならば、わたしたちの手から燔祭と素祭をおうけにならなかったでしょう。
またこれらのすべての事をわたしたちにお示しになるはずはなく、また今わたしたちにこのような事をお告げにならなかったでしょう」。
13:24 やがて女は男の子を産んで、その名をサムソンと呼んだ。
その子は成長し、主は彼を恵まれた。
この箇所では9回【主】の使い(新改訳3)ということばがでてくる
3節 9節(9節は神の使い) 13節
15 16 17 18 20 21
ところが22節
「私たちは神を見た
(新改訳3)
we have seen God.
これはマノアという人が見ている
神を見たつまり【主】の使いのことを神を見たと彼は言っている
また18節
わたしの名は不思議という。」
(新改訳3)
この不思議ということば
英語では wonderful ワンダフル
これを不思議と日本語では訳している
この箇所はメシア預言(2007年セミナー『旧約聖書におけるメシア預言』)で取り上げたいと思うが今はこれだけのことをとりあえず言っておく
ヘブル語の聖書では
神さまをさすために使う特定の用語というのがあり
それは絶対に人間をさす時には使わないという言葉がある
一つはヘブル語のペレ ワンダフルということば
これが日本語では不思議という言葉に訳されている
イザヤ書9:6
イザ 9:6 ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。
ひとりの男の子が、私たちに与えられる。
主権はその肩にあり、
その名は「不思議な助言者、力ある神、
永遠の父、平和の君」と呼ばれる。
(新改訳3)
口語訳:霊妙なる議士
新共同訳:驚くべき指導者
新改訳3:不思議な助言者
新改訳2017:不思議な助言者
ASV: Wonderful, Counselor,
NKJV: Wonderful, Counselor,
メシアを指すのに不思議という言葉をイザヤは使っている
今までみた例から【主】の使いあるいは神の使いと言われる存在が同じ文脈の中でヤハウェ(【主】 Jehovah )と呼ばれたりエロヒム(神 God) と呼ばれたり神 God と呼ばれたりしていることが分かった
創世記や士師記では【主】のみ使いというのは何度もあらわれるが
それ以降【主】のみ使いということばではあまり登場しなくなる
しかし2回登場している(9)(10)
(9)ゼカリヤ書1章~6章
【主】の使いということばが出てくる
ゼカ~1:9 私が、「主よ。これらは何ですか」と尋ねると、私と話していた御使いが、「これらが何か、あなたに示そう」と私に言った。
1:10 ミルトスの木の間に立っていた人が答えて言った。
「これらは、地を行き巡るために【主】が遣わされたものだ。」
1:11 すると、これらは、ミルトスの木の間に立っている【主】の使いに答えて言った。
「私たちは地を行き巡りましたが、まさに、全地は安らかで、穏やかでした。」
1:12 【主】の使いは答えて言った。~
(新改訳3)
ゼカリヤが神から受ける啓示を届ける役割をしているのが御使い 【主】の使い
ほかの聖句は割愛します。
口語訳:天の使 主の使
新共同訳:ひとりの御使い 主の御使い
新改訳3: 御使い 【主】の使い
(J-バイブル2017では11節の主は【 】が抜けていますが、紙の聖書ではちゃんと太字になってました。)
新改訳2017: 御使い 【主】の使い
ASV: the angel the angel of Jehovah
NKJV: the angel the Angel of the Lord
(10)イザヤ書37:36
イザ 37:36 主の使が出て、アッスリヤびとの陣営で十八万五千人を撃ち殺した。
人々が朝早く起きて見ると、彼らは皆死体となっていた。
主の使はアッシリア軍を滅ぼす役割を果たしている
b.この用語の特性を示す聖書箇所
Scriptural Evidence of Uniquences
【主】の使い ヤハウェの御使い
ということばは実は非常に特殊なことば
その使い方を見ながらなぜ特殊なのかを説明する
この天使が普通の天使でないことは、旧約聖書の3つの章句から明らかである。
(1)イザヤ書42:8
イザ 42:8 わたしは【主】、これがわたしの名。
わたしの栄光を他の者に、
わたしの栄誉を刻んだ像どもに与えはしない。
(新改訳3)
Isa 42:8 I am Jehovah, that is my name; and my glory will I not give to another, neither my praise unto graven images.
神がわたしはヤハウェである
これがわたしの名だ
わたしの栄光を偶像に与えない
と宣言している
ここからわかるのは
エロヒムという言葉は
まことの神にも偶像にも適用されるが
ヤハウェという言葉は
まことの神にだけ適用されることば
ヤハウェ 【主】 Jehovah という呼び方はまことの神のみに通用する呼び方
【主】(YHVH)という個人名に包まれた栄光は神だけに属するものであり、他のいかなる人にも、また確かにいかなる被造物にも与えられない。
そのことを前提に
(2)出エジプト記23:20~23
出 23:20 見よ。
わたしは、使い an angel をあなたの前に遣わし、あなたを道で守らせ、わたしが備えた所にあなたを導いて行かせよう。
23:21 あなたは、その者に心を留め、御声に聞き従いなさい。
決して、その者にそむいてはならない。
わたしの名がその者のうちにあるので、その者はあなたがたのそむきの罪を赦さないからである。
23:22 しかし、もし御声に確かに聞き従い、わたしが告げることをことごとく行うなら、わたしはあなたの敵には敵となり、あなたの仇には仇となろう。
23:23 わたしの使い mine angel があなたの前を行き、あなたをエモリ人、ヘテ人、ペリジ人、カナン人、ヒビ人、エブス人のところに導き行くとき、わたしは彼らを消し去ろう。
(新改訳3)
ここで5つ大事な教えが含まれている
これは出エジプトの時の話で
20節
天使 an angel が前に立ってイスラエルの民を導くと言われている
21節に行くと
イスラエルの民がこの天使にどのように応答すべきかが書かれている
#1この天使が命じることに聞き従わなければならない
#2またそむいてはならない
なぜこの天使に従いその者に背いてはならないのかの理由が
21節の最後に出てくる
①最初の理由
民のあなたがたのそむきの罪を赦さないから
ということはこの天使は罪を赦す権威を持っているとわかる
どうしてそのような権威を与えられているのか
②第二の理由
わたしの名がその者のうちにある my name is in him
つまり天使のうちにあるということ
ヤハウェという神の御名をこの天使は持っているということ
ヤハウェという名前は神さまだけが持てる名だった
この天使がそれを持っているという事はこの天使が神だということ
③
この御使いは神ご自身
だからこの御使いに従いそして御使いから罪を赦される必要がある
④
そしてまたこの天使に従えば祝福がくるというのが第4のポイント
⑤
23節
この天使は出エジプトを導く天使であることが分かる
あとの歴史を見るとイスラエルの民は荒野でこの天使に背いたために宿営の外でさばきを受ける
それが書かれているのが
出エジプト記32:34~35
出 32:34 しかし、今は行って、わたしがあなたに告げた場所に、民を導け。
見よ。
わたしの使い mine angel が、あなたの前を行く。
わたしのさばきの日にわたしが彼らの罪をさばく。」
32:35 こうして、【主】は民を打たれた。
アロンが造った子牛を彼らが礼拝したからである。
(新改訳3)
イスラエルの民の反抗とさばきとが記されている
ここから天使(わたしの使い)は神の御名を持っていることが証明された
この神の御使いというのはヤハウェという御名を持っていてヤハウェとは別の存在
(中川健一牧師による)補足
ヤハウェいう言葉は三位一体の神も父なる神も子なる神も聖霊なる神も指すという使われ方をしている
主の使いがヤハウェと呼ばれている
主の使いが神の御子であり神自身であるとここで暗示されている
(3)ホセア12:3~5
ホセ 12:3 ヤコブは胎にいたとき、その兄弟のかかとを捕え、
成人したとき神 God と争った。
12:4 彼は天の使 the angel と争って勝ち、
泣いてこれにあわれみを求めた。
彼はベテルで神 him に出会い、
その所で神は彼と語られた。
and there he spake with us,
12:5 主は万軍の神、その名は主である。
Hos 12:5 even Jehovah, the God of hosts, Jehovah is his memorial name.
ホセアはこの御使いが神の個人名を持っていることを再度強調している。
天使が個人名を持つためには、彼は神ご自身でなければならない。
三位一体(3)2025年1/11へ
Ⅰ.神の位格の複数性
A.旧約聖書において
9.神の子
ほか