2024年6月5日・9日 イエスのことば第48回
□イエスの公生涯の4つの時期
新約聖書の4つの福音書を時系列に追いながら、イエスが語られたことばを、ひとつひとつ学んでいきます。
イエスの公生涯を、起承転結、4つの時期に分けると、次のようになります。
起: 受洗から、メシア宣言を経て、宣教開始まで
承: メシアとしての権威を現わすも、指導者層の拒否を受ける
転: 弟子訓練
結: エルサレム入城から十字架、復活、昇天
第9回までで、起承転結の「起」の時期を終えました。
第10回から第33回までで、「承」の時期を終えました。
□今回のことば
第34回から「転」の部、弟子訓練の時期に入りました。十字架まで、あと1年余りです。
紀元29年の春から秋にかけて、イエスは異邦人の地域へ4回旅行しました。
その目的は、退避と休息、そして弟子たちの訓練にありました。
4回目の旅行、ピリポ・カイサリアでは、ペテロによる信仰告白という大きな出来事がありました。
そのあと、イエスはペテロとヤコブとヨハネの3人の弟子を連れて、高い山(おそらくヘルモン山)に登りました。
山上ではイエスが光り輝き、旧約の聖徒であるモーセとエリヤが現れるという出来事がありました。
ペテロの信仰告白のあと、イエスは初めて「死と復活の予告」を弟子たちに語りました。
4回にわたる異邦人地域へのリトリートは終了し、一行は伝道拠点であった、ガリラヤのカペナウムに帰りました。
この帰路では、再び「死と復活の予告」がありました。弟子たちはそれを聞くと恐れましたが、彼らの最大の関心事は、王国再興のとき自分たちの地位序列はどうなるのか、でした。
カペナウムに帰ってきたイエスたちのところに、神殿税を集める人々がやって来ました。
イエスは弟子のペテロに、自分と弟子たちには神殿税を納める義務はないことを教えましたが、同時に人を無用につまずかせてはならないとも教え、自分とペテロ、二人分の神殿税をペテロに納めさせました。
このときのお金は、ペテロに釣りをさせ、最初に釣り上げた魚の口にくわえられていた銀貨を使わせました。
このことが他の弟子たちに伝わると、「では弟子たちの中では、ペテロが一番偉いのか」と議論となり、イエスのところに皆で尋ねねに来ました。イエスは近くにいた子どもを呼び寄せて、彼らの真ん中に立たせ、誰が一番偉いかなどと議論せずに、子どものように自分を低くしなさい、と教えました。
子どもを題材としたイエスの実際的な教えは、さらに続きました。
子どもをつまずかせてはならない、というテーマでした。大人の弟子たちが互いに議論していたことは、まわりにいた子どもたちをつまずかせるものだったからです。
この中で、イエスは塩を題材として教えました。
塩は良いものです。塩は人間の生存に欠かせません。
塩気がないと食べ物は腐るし、美味しくありません。
誰が一番偉いかなどの議論をしているのは、霊的に腐るし、信仰生活を喜べません。
言うならば、塩気を失っている状態です。そんな議論はやめて、互いに平和に過ごしなさい、とイエスは教えました。
今回は、教会の信者たちが互いに平和に過ごすための教えです。
「あなたがたもそれぞれ自分の兄弟を心から赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに、このようになさるのです。」(マタイ18:35)
自分の兄弟を心から赦さないと、どうなるのでしょうか。
それと、「互いに平和に過ごす」とはどう関係するのでしょうか。
私たち信者にとって、とても実際的な教えがここにあります。
□集会用資料(PDFファイル)
□音声録音(MP3)
集会の実況録音は次をクリックしてください。ドロップボックスというサイトに入りますが、ユーザー登録などは必要ありません。音声再生のスタートボタンをクリックすれば聴くことができます。今回の録音時間は約44分です。