□イエスの公生涯の4つの時期
新約聖書の4つの福音書を時系列に追いながら、イエスが語られたことばを、ひとつひとつ学んでいきます。
イエスの公生涯を、起承転結、4つの時期に分けると、次のようになります。
起: 受洗から、メシア宣言を経て、宣教開始まで
承: メシアとしての権威を現わすも、指導者層の拒否を受ける
転: 弟子訓練
結: エルサレム入城から十字架、復活、昇天
第9回までで、起承転結の「起」の時期を終えました。
第10回から第33回までで、「承」の時期を終えました。
□今回のことば
第34回から「転」の部、弟子訓練の時期に入りました。十字架まで、あと1年余りです。
紀元29年の春から秋にかけて、イエスは異邦人の地域へ4回旅行しました。
その目的は、退避と休息、そして弟子たちの訓練にありました。
今回の出来事は、1回目の旅行と2回目の旅行との間で起きた出来事です。
指導者層は、イエスをメシアではないと公式拒否した後は、イエスの活動を監視するため、監視団を派遣しました。
監視団は、イエスがミシュナ(言い伝え)に違反していると非難しました。
ミシュナとは、当時のユダヤ教が作り出した膨大な規則です。特に「汚れの洗いきよめ」を重視し、食事の前には手を洗う、市場から帰って来たら、体をきよめる、食器や寝台を洗いきよめる、など、その規則は人々の日々の生活全般に及ぶものでした。
このような規則は、モーセの律法にはありません。モーセの律法には食物規定があって、ユダヤ人が食べてはならない「汚れたもの」が定められていました。
ユダヤ教の教師たちは、その汚れたものが、ごくわずかでも手や食器に付着して、それが口に入るなら、モーセの律法を破ったことになると考えて、論理的に考えられる、あらゆるリスクを排除しようとしたのでした。
その意味では、ミシュナは、モーセの律法を完全に守るためにどうしたらよいか、というところから出発したわけですが、律法に示された神のみこころから離れて、外見だけ、形式だけに向きがちでした。
さらに、ときとして、こうすれば律法を破ったことにはならない、という抜け道を産みだすことにもなりました。
イエスは、旧約聖書に書かれた定め、モーセの律法を完全に守りましたが、ミシュナには従いませんでした。
弟子たちもイエスにならって、ミシュナの定める洗いきよめをせずに、パンを食べていました。それを見た監視団がイエスを非難したというのが、今回の出来事の発端です。
今回のイエスのことばは、その出来事の中で、群衆に語られたことばです。
イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた。「みな、わたしの言うことを聞いて、悟りなさい。外から入って、人を汚すことのできるものは何もありません。人の中から出て来るものが、人を汚すのです。」
(マルコ 7:14~15)
□実集会のみです、オンライン同時配信はありません
コロナ感染症が依然として懸念されますが、感染防止に配慮しつつ、小規模での集会を開催します。
みやま集会では、実集会の進行に集中させていただきたく、オンライン同時配信はいたしません。
オンラインでは、6月7日の水曜日、夜の8時から1時間程度、同じテーマを扱いますので、そちらへの御参加をお願いいたします。
□集会用資料(PDFファイル)