エフタは主に誓願を立てて言った。
「もしあなたが確かにアモン人を私の手に与えてくださるなら、私がアモン人のところから無事に帰って来たとき、私の家の戸口から私を迎えに出て来る、その者を主のものとします。私はその者を全焼のいけにえとしてささげます。」
(士師記11:31)
これは、士師エフタがアモン人との戦いの前に主に誓願を立てたという記事です。その内容は、新改訳聖書では、戦いに勝って無事に家に帰ることができたら、最初に家から出てきてエフタを迎えた人を全焼のいけにえとしてささげると、なっています。
そして、士師記の記事は、この誓願の結果、エフタは自分の娘について「誓願どおりに彼女に行った(おこなった)」(士師記11:39)と続きます。
では、エフタは自分の娘を殺し、その血を祭壇のまわりに注ぎ、遺体を祭壇の上で焼いたのでしょうか。
モーセの律法において、神は人をいけにえにすることを厳しく禁止しました(申命記18:9〜10)。そして士師は、別名「さばきつかさ」、すなわちモーセの律法に基づいてイスラエルの人々を裁く司法長官であり、戦いになれば、先頭に立って戦う指揮官でもある立場です。
その士師であるエフタが、このような誓願を立て、思いもかけなかったとはいえ、自分の娘がそれに当たるはめになって、神に誓った手前、仕方なくそれを実行した、というのでしょうか。
結論は、そうではありません。この学びは、フルクテンバウム博士の聖書解説書「士師記・ルツ記」に基づきます。
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