2016年8月20日
□はじめに
預言者ゼカリヤは、紀元前520年頃、イスラエルの民がバビロン捕囚から帰還した時期の預言者です。
当時のヨルダン川西岸地域の支配者は、バビロニヤ帝国からペルシヤ帝国へ移っていました。歴史は、このあと、ギリシヤ帝国、そして第四の帝国(ローマ帝国とそれ以降の国際社会)へと移っていきます。このあたりのことは、ダニエルの預言「四つの世界帝国」からも学んだところです。
前回はゼカリヤ9章の預言を学びました。外国の王による地中海沿岸の都市ツロやガザへの侵攻の預言でした。この中で重要な箇所は、神の守りによってエルサレムは攻撃されないということです。ゼカリヤから約200年後、紀元前330年頃に、ギリシヤのアレキサンドロスの東征によって、この預言は成就しました。
今回から2回にわたって、ゼカリヤ11章の預言を学びます。これは、メシア初臨とそれに伴って起きる出来事に関する預言です。ローマ帝国の時代に成就しました。
□ゼカリヤ11章の預言の区分
大きく三つに区分できます。この中で真の羊飼いと偽の羊飼いが登場するので、「二人の羊飼いの預言」と呼ばれます。
1〜3節が国土荒廃に関する預言、4〜14節が真の羊飼いが拒否されることの預言、15〜17節が偽の羊飼いが現れることの預言です。
□預言の成就
ローマ帝国が支配する時代に、ユダヤ人たちは、紀元70年と135年の2度にわたり、ローマに対する反乱で敗北しました。その結果がエルサレムとその神殿の破壊、国土の荒廃、そして民族の離散です。ゼカリヤ11章の預言は、その事実とその真の原因について預言するものです。
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