練馬桜台聖書フォーラム

死後の世界 レジュメ(12)2019年 2/23

2019.02.26

カテゴリー:学び, 死後の世界

死後の世界 レジュメ(12)2019年2/23

 

タータラスとは?
地獄は聖書にでてこない?

 

2012年フルクテンバウム博士セミナー
聖書が教える死後の世界
ー個人的終末論ーテキスト 

(チャート 死者の場所(13の用語))
(ホワイトボード)を学んでいます。

ご購入はこちらから(MP3版
(CD、DVD、テキストは販売終了)

 

 

レジュメもくじ

前回レジュメ(11)

 

 

フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。

以下、青色の聖句はセミナーでとりあげられた聖句(新改訳3)です。
紫色の聖句は2回目にでてきた聖句または参考聖句です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。

緑色の聖句や文章は補足説明です。
茶色の文章はフルクテンバウム博士著『The Footsteps of The Messiah』付録Ⅸ 死者の場所 からの補足説明です。

興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。

 

 

Ⅲ.死者の場所
The Place of the Dead

 

A. 見えない場所
(13の用語がある)
The Unseen World

 

ヘブル語旧約聖書とギリシャ語新約聖書は、見えない世界の描写に13の異なる用語を用いている

2:悪霊に関する場所
11:人間に関する場所


チャート
「死者の場所(13の用語) by K.Nakagawa
左下の四角の中

シオール(旧約に64回)
ハデス(新約に10箇所)
アバドン(旧約は6箇所)
よみの穴(旧約23箇所)
アビス(新約9箇所)
⑥タータラス
⑦地獄
⑧ゲヘナ
⑨火の池
⑩アブラハムのふところ
⑪パラダイス
⑫天
⑬新しいエルサレム

この13の言葉は聖書によっていろいろな言葉に訳されている

 

 

前半学んだことの確認
チャート

 

シオール
死んだ人全てが行く場所
イコールハデス
シオールはヘブル語
ハデスはギリシャ語
地球の真ん中にある

ハデス
狭義のハデスは苦しみの場所

アバドン
これも固有名詞
狭い意味のハデスとアバドンは同じ

よみの穴
アバドンを描写した言葉

アビス
空間が違う
堕天使を一時的に閉じ込める場所

 

 

セミナーテキスト19ページ

⑥タータラス
新改訳2017聖書:地獄
新改訳3聖書:地獄
新共同訳聖書:地獄
口語訳聖書:下界
文語訳聖書:地獄 と訳されている

 

6.タータラス(1箇所)Tartarus

ギリシャ語

 

a.  聖書 The Scripture

 

ここもまたアビス同様)人間の魂が行く場所ではない
特殊な悪霊がこの場所に行く

聖書にタータラスという言葉は1回しか出てこない
2ペテ2:4
Ⅱペテ 2:4 神は、罪を犯した御使いたちを、容赦せず、地獄に引き渡し、さばきの時まで暗やみの穴の中に閉じ込めてしまわれました。

Ⅱペテ 2:4 神は、罪を犯した御使いたちを放置せず、地獄に投げ入れ、暗闇の縄目につないで、さばきの日まで閉じ込められました。(新改訳2017)

Ⅱペテ 2:4 神は、罪を犯した御使いたちを、容赦せず、タータラスに引き渡し、〜
という訳になる

 

 

 

 

 b. 推論(6つあり)
The Deductions

 

タータラス
(1)「暗やみの穴」に似たような否定的な言葉です。

 

 

タータラス
(2)堕天使が行く場所です。

 

 

タータラス
(3)この堕天使たちとはノアの時代の堕天使たちです。


アビスは堕天使を幽閉する一般な場所

 

 

タータラス
(4)ユダの手紙6〜7堕天使と同じ天使たちがここにいます。

第2ペテロとユダ6〜7は同じことを言っているが
第2ペテロはタータラスという具体的名前を挙げている(ギリシャ語聖書で*)

2ペテ2:4
Ⅱペテ 2:4 神は、罪を犯した御使いたちを、容赦せず、地獄タータラス]に引き渡し、さばきの時まで暗やみの穴の中に閉じ込めてしまわれました。
2:5 また、かつての世界を放置せず、不敬虔な者たちの世界に洪水をもたらし、義を宣べ伝えたノアたち八人を保護されました。
2:6 また、ソドムとゴモラの町を破滅に定めて灰にし、以後の不敬虔な者へのみせしめとされました。

 

 

ユダ6〜7節
ユダ 1:6 またイエスは、自分の領分を守らずに自分のいるべき所を捨てた御使いたちを、大いなる日のさばきのために、永遠の鎖につないで暗闇の下に閉じ込められました。
1:7 その御使いたちと同じように、ソドムやゴモラ、および周辺の町々も、淫行にふけって不自然な肉欲を追い求めたため、永遠の火の刑罰を受けて見せしめにされています。
ユダの手紙に固有名詞のタータラスという言葉はでてこない

両方の聖句がノアの時代の堕天使たちについての言及

 

 

 

ユダの手紙
2ペテロ2章3章の内容を再度繰り返し語っている並行記述
過去形で表現されている
ペテロが預言していたことが今や起こったというのがユダの手紙の内容
(新改訳2017
Ⅱペテ 2:1 しかし、御民の中には偽預言者も出ました。
同じように、あなたがたの中にも偽教師が現れます。
彼らは、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込むようになります。
自分たちを買い取ってくださった主さえも否定し、自分たちの身に速やかな滅びを招くのです。〜

ユダ 1:3 愛する者たち。
私たちがともにあずかっている救いについて、私はあなたがたに手紙を書こうと心から願っていましたが、聖徒たちにひとたび伝えられた信仰のために戦うよう、あなたがたに勧める手紙を書く必要が生じました。
1:4 それは、ある者たちが忍び込んできたからです。
彼らは不敬虔な者たちで、私たちの神の恵みを放縦に変え、唯一の支配者であり私たちの主であるイエス・キリストを否定しているので、以下のようなさばきにあうと昔から記されています。〜)

 

 

タータラス
(5)この堕天使は創世記6章の「神の子ら」つまり既に学んだように、人間の女と結婚し、女の子孫を堕落させようとしたあの悪霊どもです。


1ペテ3:19(新改訳2017)
Ⅰペテ 3:19 その霊においてキリストは、捕らわれている霊たちのところに行って宣言されました。
3:20a かつてノアの時代に、箱舟が造られていた間、神が忍耐して待っておられたときに従わなかった霊たちにです。

 

 

セミナーテキスト20ページ

タータラス
(6)シオール(ハデス)の中にあって、創世記6章の堕天使を閉じ込める場所です。

ここから出てくることはできない
創世記6章で女たちと雑婚をした悪霊どもがここに閉じ込められる

 

 

 

⑤アビスも⑥タータラスもともに
堕落した天使たち、悪霊たちを閉じ込める場所

アビス
人間にたとえると牢獄に或る期間閉じ込められ、解放され、また入り解放され、と
限定された期間閉じ込められる場所

 

タータラス
終身刑のように、閉じ込められたらもう出てくることはできない
ユダ 1:6 またイエスは、自分の領分を守らずに自分のいるべき所を捨てた御使いたちを、大いなる日のさばきのために、永遠の鎖につないで暗闇の下に閉じ込められました。
タータラスに閉じ込められた悪霊どもは再び解き放たれウロウロすることはあり得ない
タータラスに閉じ込められている堕天使たちは、やがて最後の裁き、白い御座の裁きに引きずり出され、その後、火の池に投げ込まれる
タータラスから火の池に直行するとはそういう意味

この堕天使たちがアビスではなくタータラスに置かれる理由はその罪の性質のゆえ
創世記6章で、創世記3:15の女の子孫(キリストをしめす最初の預言)を絶やすために男性の形をとり人間の女と結婚した者たち
産み出したのはグロテスクな種であり、人間が悪の極みに達したのはその種の故であり、よってノアの家族を除いたすべての人類を絶滅させるために世界大の洪水が必要となった

 

 

アビスと⑥タータラスが悪霊ども
⑥タータラスは創世記6章の堕天使たちの場所であるとわかった
(*ギリシャ語、ヘブル語に詳しいフォーラム参加者によると、この言葉は場所の名前としてでてくるのではなく「タータラスする」というような動詞ででてくるので比喩的表現に聞こえる。本動詞ででるならわかるが分詞、聖書に一か所しかでてこない、等により、一つの説としてはおもしろいが・・・という意見が出されました。)

 

 

 

 

 

結論から言うと
②狭義のハデス
アバドン
よみの穴
地獄
全部同じことを言っている

 

チャート

⑦地獄 旧約聖書(へブル語)と新約聖書(ギリシャ語)にこの言葉はでてこない
新改訳聖書:「タータラス」を地獄と訳している 1回
新共同訳聖書:「ゲヘナ」と「タータラス」を地獄と訳している
口語訳聖書: 「ゲヘナ」だけを地獄と訳している  

 

7.地獄(Hell)

 

地獄という言葉はヘブル語とギリシャ語にない
英語はヘルHell
日本語に地獄という言葉はある
概念はあるので地獄という言葉を用いる

 

聖句は書いてない
ヘブル語、ギリシャ語に地獄という言葉はないので聖句はない

 

 

a. 概念の起源
The Origin of the Word

 

Hellという英語チュートン系ドイツ系の語源を持つ言葉
もともとは隠す、覆うという意味があった

Hell、地獄という言葉と1対1で合致するヘブル語、ギリシャ語はない

一般的に言う地獄という概念はシオールハデス)の苦しみの場所でしょう。
アバドンよみの穴もまた地獄という概念そのもの(シオールの中の罪人の場所)
地獄には、罪人しかいない

アビス、タータラスという場所は地獄の概念には含まれない
そこにいるのは堕天使だけ

 

 

b. 地獄アバドンよみの穴と同じ)の状態
The Conditions in Hell

 

地獄
(1)罪人は地獄で影としての存在でしかないと聖書は語っています。

箴言9:18
箴 9:18 しかしその人は、そこに死者の霊がいることを、
彼女の客がよみの深みにいることを、知らない。
But he knoweth not that the dead are there; That her guests are in the depths of Sheol.
彼らが住んでいる闇の中に完全にとけ込んで生存している

そこでブレンド、合体している

イザ14:9
イザ 14:9 下界のよみは、Sheol from beneath
あなたの来るのを迎えようとざわめき、
死者の霊たち、the dead
地のすべての指導者たちを
揺り起こし、
国々のすべての王を、
その王座から立ち上がらせる。

 

地獄
(2)そこは非常に苦しい場所です。

 

ルカ16:23〜25
ルカ 16:23 その金持ちは、ハデスで苦しみながら目を上げると、アブラハムが、はるかかなたに見えた。
しかも、そのふところにラザロが見えた。
16:24 彼は叫んで言った。
『父アブラハムさま。私をあわれんでください。
ラザロが指先を水に浸して私の舌を冷やすように、ラザロをよこしてください。
私はこの炎の中で、苦しくてたまりません。』
16:25 アブラハムは言った。
『子よ。思い出してみなさい。
おまえは生きている間、良い物を受け、ラザロは生きている間、悪い物を受けていました。
しかし、今ここで彼は慰められ、おまえは苦しみもだえているのです。

 

 

①自らが犯した罪に対する裁きの場所
②その苦しみが起こっている場所

 

 

基本的な概念3つ

アバドン」と「よみの穴」について知られていることに基づいて地獄にいる人の状態を規定すると
地獄
①正義は存在しない

地獄
②神から切り離されている場所

地獄
裁きと苦しみの場

 

 

 

地獄
狭義の②ハデス
アバドン
よみの穴
と同じ特徴を持った場所
ヘブル語やギリシャ語に地獄という言葉はないが、その概念はある
よって翻訳時に地獄という言葉を使う

(「聖書の翻訳って大変だったでしょうね。神、罪という言葉も・・・」との声多数)

 

 

 

死後の世界レジュメ(13) 2019年3/9
.死後の場所 A.見えない場所(13の用語がある) 8.ゲヘナ 9.火の池 

 

練馬桜台聖書フォーラム

代表 :南 知之

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