練馬桜台聖書フォーラム

千年王国レジュメ(3)2017年 10/14

2017.10.15

カテゴリー:千年王国, 学び

千年王国レジュメ(3)2017年10/14

 

メシアであり神であり人である主イエスがエルサレムで王として全世界を統治する
永遠の王朝・王座・王国・王あるいは子孫というダビデ契約の約束の成就

 

2013年フルクテンバウム博士セミナー『聖書は千年王国について何を教えているか』テキスト) を学んでいます。
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レジュメもくじ
前回のレジュメ(2)

 

 

フルクテンバウム博士のメッセージを中川健一牧師がわかり易く通訳してくださったセミナーの内容を基に作成しています。

以下、青色の聖句はテキストでみていく聖句です。
紫色の聖句の聖句は2回目にでてきた聖句、または参考聖句です。
緑色の文章は補足説明です。
黒色の文章がセミナーの説明文です。
興味のあるところはリンク先もご覧になってみてください。

 

 

セミナーテキスト7ページ

Ⅲ.メシア的王国の統治形態 

 

 

A. 王:メシアである主イエス

メシア的王国には政府組織、官僚的な組織があります。

 

1. 王座の設立

詩篇2:6〜8
詩 2:6 「しかし、わたしは、わたしの王を立てた
わたしの聖なる山、シオンに。」

2:7 「わたしは【主】の定めについて語ろう。
主はわたしに言われた。
『あなたは、わたしの子
きょう、わたしがあなたを生んだ。
2:8 わたしに求めよ。
わたしは国々をあなたへのゆずりとして与え、
地をその果て果てまで、あなたの所有として与える。
神さまは神の御子をメシアとして王としてエルサレムに立てるという約束です。

その王が統治する範囲はイスラエルだけではなくて、異邦人諸国にまで及びます。

 

 

セミナーテキスト8ページ

イザヤ9:6〜7
イザ 9:6 ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。
ひとりの男の子が、私たちに与えられる。
Isa.9:6 For unto us a child is born,
unto us a son is given;
ユダヤ人共同体の中にひとりの男の子が生まれます。

これはメシアの人間性を預言した言葉です。

 

主権はその肩にあり、
その名は「不思議な助言者、力ある神、
永遠の父、平和の君」と呼ばれる。
4つの名が与えられますが、その中の3つは明らかに神を指す言葉です。

力ある神 Mighty God, :明らかに神を指しています。
永遠の父 Everlasting Father, :永遠のいのちを与えることができるのは神だけですから、永遠の父とはこのメシアの神性をあらわしています。
不思議な助言者 :英語でWonderful, Counsellor,
日本語でも英語でも「不思議な」という言葉は神をさす言葉ではないと思います。

古典へブル語では神がなさったこと及び神ご自身の性質の素晴らしさをさすために使われる或る言葉があります。
バラー:創造する。神のみわざ、神のみがなす行動をさす動詞です。

不思議なwonderfulと訳されているへブル語「ぺレイ」は神のみに適用する言葉ですから、最初の御名不思議な助言者という言葉もまた神をさしています。

平和の君 Prince of Peace.:これだけ例外で、神にも人にも使えます。
この文脈ではイザヤは神をさす名として使っています。

6節は、このメシアが人であり神である(God Man)ということを強調しています。

 

 

9:7 その主権は増し加わり、その平和は限りなく、
ダビデの王座に着いて、その王国を治め、
さばきと正義によってこれを堅く立て、
これをささえる。今より、とこしえまで。
万軍の【主】の熱心がこれを成し遂げる。
9:7 Of the increase of his government and of peace there shall be no end,
upon the throne of David, and upon his kingdom,
to establish it, and to uphold it with justice and with righteousness
from henceforth even for ever.
The zeal of Jehovah of hosts will perform this.
(ASV)

メシアはダビデの王座について統治するように定められています。

4つのことを指摘しています。
① この方の統治する御国は確立され、それが大いに栄える
② その王座はとこしえに続く
③ 正義と義による統治がその特徴となる
④ このことが起こるという保証は何かと言うと、【主】の熱心がこれを成し遂げる。
神さまは、ご自分が約束された内容が全て成就するよう熱心に見守りこれを行われるということです。
7節の預言は必ず成就するという保証がここで与えられています。

 

 

 

イザヤ書16:5
イザ 16:5 一つの王座が恵みによって堅く立てられ、
さばきをなし、公正を求め、
正義をすみやかに行う者が、
ダビデの天幕で、真実をもって、そこにすわる。
4つのことが語られています。

① 神の恵みの故に王座が設立されます。
恵み:契約に対して神さまが忠実であるという意味
② 王座につく者は正義、真理を持つ者として表現されています。
③ 王として行動されます。王とは裁き主でもあります。
④ 義なる裁きがすみやかに行われます。

 

 

 

エレミヤ23:5〜6
エレ 23:5 見よ。その日が来る。
──【主】の御告げ──
その日、わたしは、
ダビデに一つの正しい若枝を起こす。
彼は王となって治め、栄えて、
この国に公義と正義を行う。
ダビデの子孫がダビデの王座につき、救いを受けたイスラエルを統治します。

23:6 その日、ユダは救われ、
イスラエルは安らかに住む。
その王の名は、
【主】は私たちの正義』と呼ばれよう。
その方の名は『【主】は私たちの正義』と呼ばれます。
【主】と訳されている言葉はへブル語4文字で神の御名を表しているので、この方はだという意味です。

5節と6節から、この王なる方は神であり人である神人(God Man)だとわかります。

その統治は公義と正義が特徴であり、この方のうちにイスラエルの保証、イスラエルの安全がありますす。

 

 

 

セミナーテキスト9ページ

エレミヤ33:14〜17
エレ 33:14 「見よ。その日が来る。
──【主】の御告げ──その日、わたしは、イスラエルの家とユダの家に語ったいつくしみのことばを成就する
神さまがダビデ契約の全ての約束の成就に非常に熱心に取り組んでいることがわかります。

 

33:15 その日、その時、わたしはダビデのために正義の若枝を芽ばえさせる。
彼はこの国に公義と正義を行う。
33:16 その日、ユダは救われ、エルサレムは安らかに住み、こうしてこの町は、『【主】は私たちの正義』と名づけられる。」
前述エレミヤ書23:5〜6の再記述です。
エレ 23:5 見よ。その日が来る。──【主】の御告げ──その日、わたしは、ダビデに一つの正しい若枝を起こす。彼は王となって治め、栄えて、この国に公義と正義を行う。23:6 その日、ユダは救われ、イスラエルは安らかに住む。その王の名は、『【主】は私たちの正義』と呼ばれよう。

 

33:17 まことに【主】はこう仰せられる。
「ダビデには、イスラエルの家の王座に着く人が絶えることはない。
神が熱心にそれを行われるので、ダビデの家が途絶えることはないという約束につながっています。

 

 

 

ゼカリヤ書14:9
ゼカ 14:9 【主】は地のすべての王となられる。
その日には、【主】はただひとり、御名もただ一つとなる。
メシアは地上に再臨されてのち、世界の王として全世界を統治されます。
メシアは神として存在している唯一のお方であると人類全体が認めるようになります

 

 

 

 

ルカ1:30〜33
ルカ 1:30 すると御使いが言った。
「こわがることはない。マリヤ。
あなたは神から恵みを受けたのです。
1:31 ご覧なさい。
あなたはみごもって、男の子を産みます。
名をイエスとつけなさい。
1:32 その子はすぐれた者となり、いと高き方の子と呼ばれます。
また、神である主は彼にその父ダビデの王位をお与えになります。
Luke1:32 He shall be great, and shall be called the Son of the Most High:
and the Lord God shall give unto him the throne of his father David:
この文脈は天使ガブリエルがマリア(ミリアム)にメシアの母となるという預言を与えています。

ここでガブリエルが使っている用語はダビデ契約の用語です。
4つの永遠のものがここで約束されています。
父ダビデの王位

1:33 彼はとこしえにヤコブの家を治め、そのは終わることがありません。」
1:33 and he shall reign over the house of Jacob for ever; and of his kingdom there shall be no end.
とこしえにヤコブの家を治め
、キングダム、永遠の王国
が約束されています。

3つものもの、王位、永遠の家、永遠の御国が保証されます。
何故かというとそれを統治する方ご自身が永遠のお方いと高き方の子だからです。

 

 

ルカ1:35
ルカ 1:35 御使いは答えて言った。

「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。
それゆえ、生まれる者は、聖なる者、神の子と呼ばれます
神の子と呼ばれます、とあります。
(前述エレミヤ23:5〜6のとおり)永遠の神人であるお方が永遠の王座、家、王国を保障するという構造、つまり、ダビデ契約の約束と同じ構造になっています。

 

 

***
へブル語で永遠を完全に意味する言葉はありません。
永遠と訳されるへブル語で「オラム」は文脈にもよりますが永遠を意味しているのではなく、不確定な長い期間のことや特定の時代のあいだは終わりがないということを意味しています。

 

 

 

 

2.メシアの統治の特徴
黙示録で2回メシアが鉄の杖をもって統治するという表現がでてきます。

黙示録12:5
黙 12:5 女は男の子を産んだ。
この子は、鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧するはずである
その子は神のみもと、その御座に引き上げられた。

セミナーテキスト10ページ

黙示録19:15
黙 19:15 この方の口からは諸国の民を打つために、鋭い剣が出ていた。
この方は、鉄の杖をもって彼らを牧される
この方はまた、万物の支配者である神の激しい怒りの酒ぶねを踏まれる。

メシアの統治は専制君主制だということです。

この統治形態が必要な理由は、諸国のあいだに紛争がうまれてくるからです。
メシアがそこに裁定を下し命令を与えますが、諸国民がそれに服従するために鋭い剣で統治するという言葉になります。
(第一世代の後には王国に未信者が存在するので、その罪の性質が働き出すことは抑えなければならない故

 

 

 

詩篇24:7〜10
詩 24:7 門よ。
おまえたちのかしらを上げよ。
永遠の戸よ。上がれ。
栄光の王が入って来られる。
24:8 栄光の王とは、だれか。
強く、力ある【主】。
戦いに力ある【主】。
24:9 門よ。おまえたちのかしらを上げよ。
永遠の戸よ。上がれ。
栄光の王が入って来られる。
24:10 その栄光の王とはだれか。
万軍の【主】。これぞ、栄光の王。 セラ
千年王国の統治が始まる時に行列があり、王が入場する、そこから千年王国の統治が始まるという預言です。
栄光の王が門からエルサレムに入り、その後を信者たちがついて行きます。

 

 

 

 

詩篇72:1〜19全体から5つのこと

詩篇72:1〜19

詩 72:1 神よ。あなたの公正を王に、
あなたのを王の子に授けてください。
72:2 彼があなたの民ををもって、
あなたの、悩む者たちを
公正をもってさばきますように。
72:3 山々、丘々は義によって、
民に平和をもたらしますように。
72:4 彼が民の悩む者たちを弁護し、
貧しい者の子らを救い、
しいたげる者どもを、打ち砕きますように。
72:5 彼らが、日と月の続くかぎり、代々にわたって、
あなたを恐れますように。
72:6 彼は牧草地に降る雨のように、
地を潤す夕立のように下って来る。
72:7 彼の代に正しい者が栄え、
月のなくなるときまで、
豊かな平和がありますように。
① この王の統治の特徴は、公正と正義と聖潔です。

 

セミナーテキスト11ページ

72:8 彼は海から海に至るまで
また、川から地の果て果てに至るまで
統べ治めますように。
海から海に至るまで、:千年王国のイスラエルの国境、西側は地中海、東側は死海
川から:ユーフラテス川、千年王国のイスラエルの北の境界線
地の果て果てに至るまで千年王国のイスラエルの南の境界線は「エジプトの川」(厳密には「エジプトのワジ」)ですが、ここではこの言葉に置き換わっています。
王はエルサレムから統治しますが、その統治はイスラエルの民にのみ限定されるのではなく、普遍的な統治であることを示しています。

72:9 荒野のは彼の前にひざをつき、
彼のはちりをなめますように。
王の友も敵も共に王に従います。

72:10 タルシシュと島々の王たちは贈り物をささげ、
シェバとセバの王たちは、みつぎを納めましょう。
72:11 こうして、すべての王が彼にひれ伏し、
すべての国々が彼に仕えましょう。
諸国の全ての王たちがこのメシア的王の前にひれ伏すと預言されています。

② 王の統治はイスラエルだけでなく普遍的に全世界に及ぶということです。

 

72:12 これは、彼が、助けを叫び求める貧しい者や、
助ける人のない悩む者を救い出すからです。
72:13 彼は、弱っている者や貧しい者をあわれみ、
貧しい者たちのいのちを救います。
72:14 彼はしいたげと暴虐とから、
彼らのいのちを贖い出し、
彼らの血は彼の目に尊ばれましょう。
72:15 それゆえ、彼が生きながらえ、
彼にシェバの黄金がささげられますように。
彼のためにいつも彼らは祈り、
一日中、彼をほめたたえますように。
③ 義人が高く上げられると歌われています。

 

72:16 地では、山々の頂に穀物が豊かにあり、
その実りはレバノンのように豊かで、
町の人々は地の青草のように栄えますように。
豊かな収穫の約束がうたわれています。

 

72:17 彼の名はとこしえに続き、
その名は日の照るかぎり、いや増し、
人々は彼によって祝福され
すべての国々は彼をほめたたえますように。
72:18 ほむべきかな。神、【主】、イスラエルの神。
ただ、主ひとり、奇しいわざを行う。
72:19 とこしえに、ほむべきかな。その栄光の御名。
その栄光は地に満ちわたれ。
アーメン。アーメン。
⑤ メシア的王が与える祝福があるということです。

 

 

 

 

セミナーテキスト12ページ

 

イザヤ書11:1〜5
イザ 11:1 エッサイの根株から新芽が生え、
その根から若枝が出て実を結ぶ。
王の出自はダビデの家です。

エッサイとはダビデの父親の名前です。
なぜダビデではなくてエッサイという言葉になっているのでしょうか?

ダビデは戦士であり王としてのイメージです。
しかしエッサイという名前はベツレヘムの貧しい羊飼い一家を思い出させます。
この預言ではメシアの家系を切り株から新芽がでている状態に例えています。
この切り株はもう死んだようで、そこから命がうまれてくるとは思えないようなものでしたが、地表に近いところから新芽が生え若枝がでてきます。
ダビデの家がエッサイの時代のような貧しい状態になった時にメシアが登場するということです。

ベツレヘムでメシアは誕生しましたが、とても貧しい家族でした。
どうして貧しかったとわかるのでしょうか?
マリアがきよめの捧げものをささげた時に「はと」をささげているからです。
(モーセの律法では、2羽の鳥が許可されるのはそれ以外のものをささげる財力がない時のみです。)

 

11:2 その上に、【主】の霊がとどまる。
それは知恵と悟りの霊、
はかりごとと能力の霊、
主を知る知識と【主】を恐れる霊である。
誕生は貧しい家でしたが、このお方には神の霊の7つのあらわれが約束されています。

11:3 この方は【主】を恐れることを喜び、
その目の見るところによってさばかず、
その耳の聞くところによって判決を下さず、
11:4 正義をもって寄るべのない者をさばき、
公正をもって国の貧しい者のために判決を下し、
口のむちで国を打ち、
くちびるの息で悪者を殺す。
神の霊の付与の結果、王として見事に統治すると約束されています。
11:5 正義はその腰の帯となり、
真実はその胴の帯となる。
王の統治の特徴は正義と真実です。

 

 

 

 

以上の聖句から、
全世界を統治する王は唯一であり、メシア(救い主)として来られ、王として統治されるお方であることがわかりました。

 

 

次回
その権威の委譲があります。
① 異邦人部門の統治
② ユダヤ人部門の統治
この2つの形が千年王国で展開されます。

 

 

参考資料: Dr.Fruchtenbaum著『The Footsteps of the Messiah』翻訳メモ 第18章 メシア的王国の統治形態

 

 

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千年王国レジュメ(4)2017年10/28
Ⅲメシア的王国の統治形態 B.異邦人部門の統治形態 C.ユダヤ人部門の統治 へ

 

練馬桜台聖書フォーラム

代表 :南 知之

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